【無料配信記念】コナンファンが劇場版名探偵コナン「瞳の中の暗殺者」の魅力を語る
2020年4月23日〜24日に無料配信。
4月17日から順次、「名探偵コナン」劇場版第1作〜第10作がさまざまなプラットフォームで無料配信されています。2日間ずつ交代での無料配信で、23日〜24日に配信されているのは第4作「瞳の中の暗殺者」(2000年公開)です。
コナンファンの赤いシャムネコさんに、同作のオススメポイントを極力ネタバレなしで聞きました。
初めてコナン映画を見るなら「瞳の中の暗殺者」
「金曜ロードSHOW!」でのファン投票企画で、1位に選ばれたことがあるほど、ファンからの支持が強い本作。コナンファン同士で劇場版コナンの話をしているとき、「天国へのカウントダウン」と並んで必ず挙がるタイトルです。私見ですが、コナンの全23作の映画史上、トップ3に入る“布石&回収の美しさ”。雰囲気まで含めれば、本格推理度ナンバーワンといっても過言ではありません。
扱われるのは“連続刑事射殺事件”。次々に狙われていく警視庁の人間。目暮警部や白鳥刑事といったおなじみの警察の面々の雰囲気はいつもよりもぐっとシリアスで、警察内部に犯人がいるのか――といった疑いも深まる中で、ついに犯人の魔の手が佐藤刑事に及びます。そしてその犯行現場を目撃した蘭が全ての記憶を失ってしまう事態に。唯一の目撃者となった蘭を執拗に狙う犯人。コナンは蘭を守り、犯人を見つけ出せるのか? ……という、「ザ・ミステリ」な筋書きです。
コナン映画の中でも、全体のトーンがかなり重く暗い本作。身近な人物が容赦なく狙われるというストーリーの緊迫感はもちろんですが、事件の背景にある過去のドラマもつらくて重い。雨や夜のシーンが多いので視覚的にも暗く、音楽も重厚感があり、シリアスさが目立つ映画になっています。
それだけだと「見ていて疲れるんじゃないかな」と思うところですが、そこはさすがコナン映画。事件の背景を段階的に明かしていく手際がうまく、次から次へと構図が変わっていくので、つい見入ってしまうこと間違いなしです。ふんだんにアクションや犯人との対決といった派手なシーンが盛り込まれている上に、コナンと蘭のラブロマンスの要素も純度の高い形で入っていて、見ていて疲れることはありません。
連続する不可解な難事件、見えない犯人との駆け引き、スピード感のあるアクションシーンに、映画全体を貫くコナンと蘭のラブロマンス。「瞳の中の暗殺者」は紛れもなく、“ザ・王道コナン映画”といってよいでしょう。
最高のクライマックス
本作は、一番「コナンが本気になる」話です。序盤からコナンの身近な人たちがどんどん攻撃されて、ついに最も大切な蘭の命が狙われるため、真剣さが桁違い。コナンだけではなく、小五郎や妃、園子、少年探偵団たちが蘭を守るために体を張り、それぞれに見せ場があります。
最後の犯人との“直接対決”の舞台が遊園地なのは憎い演出。遊園地といえば、工藤新一がコナンになるきっかけとなった、第1話「ジェットコースター殺人事件」の舞台ですね。そこにはもちろん、ストーリー上の必然性があります。加えて、アトラクションが次々と切り替わっていくことで、コナンが犯人とのチェイスを繰り広げるだけでも飽きない絵になっています。
ミステリ的には、トリックと映像ならではのヒント、そしてクライマックスの真相解明演出が素晴らしい……。トリック自体はそれだけ取り出したら他愛もないもので、漫画でも26巻(「命がけの生還」)で近いトリックが使われているのですが、この作品の真髄はその後にあります。
犯人に追い詰められ、逃げ場のない窮地に立たされたコナンと蘭。いったいどうやってこの形勢を逆転できるのかと思っていると……。明かされたトリックを最後の1ピースとして、序盤からの布石が全て一点に集約していき、完璧な突破口が開かれる。ミステリのトリックとストーリーを映像の次元でかつてないほど有機的に融合してみせた、コナン映画史上随一の鮮やかなシーンが待っています。
タイトルの「瞳の中の暗殺者」も、完璧に回収してくれて、拍手するほかありません。このシーンを踏まえた上で、冒頭の遊園地での蘭と新一の会話を見返してみてください。「だからこの話をしているのか!」と、何気ないセリフに隠された用意周到さに驚くはずです。
最後にどうしても言っておきたいのが、オープニングとラストシーン〜エンディングのかっこよさ! オープニングで注目してほしいのは、“容疑者たち”のバックに流れていく英語やローマ字のキーワードです。よく見ると「Happy Birthday」「願い事ひとつだけ」など、コナンアニメの歴代主題歌のタイトルなんです。あのころ、ビデオを一時停止して全てを書き留めていたコナンファンは全国に何万人もいたはず……。
そしてラストシーンは、「とある人物がコナンに敬意を示す」シビれるカットで締めくくられ、エンドロールに入っていきます。この入りの一枚絵は歴史に残る格好良さですね。エンディングテーマは小松未歩の「あなたがいるから」。物悲しいメロディに、クライマックスの舞台となった遊園地の実写映像を眺めながら、「なんだか大人な映画を見たな……」と満足感に浸れる作品です。
オススメ三作
- 天国へのカウントダウン……初期コナン映画の別な形での完成形。ぜひセットで
- 絶海の探偵(プライベート・アイ)……シリアスな大人たちの事件と、蘭を思う新一が描かれるラスト
- 純黒の悪夢(ナイトメア)……遊園地なのに観覧車は出てこないの!? と落胆した人に
関連記事
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
昨日の総合アクセスTOP10
息子が「パパ」と言って指さしたのは……? 親子でバスに乗ったときのエピソードを描いた漫画がジワジワ面白い
「かなり目が開いてきた」 ダレノガレ明美、保護した“片目”にダメージ負った子猫の奇跡的回復伝える
PCで「→」マークを簡単に入力できる方法がタメになると話題に 「知らなかった」「1発で変換された」
9メートルの木から降りられなくなった猫ちゃん 男性の勇気ある行動で救出され、ほっとした表情に
Windowsの「ごみ箱」を作業フォルダにしてる人がいる? 意外な使い方がネットで話題に
ゲーム規制条例、東京都は追随せず 小池都知事「科学的根拠に基づかない制限は行わない」
お水を飲みたいカラスさんがとった行動とは……? 人間に“ある方法”でお願いするカラスが賢くてかわいい
「あたしにも投資…してよ」 ゲームの推しに廃課金する先輩を好きになった女の子 自分にも課金させようとする漫画が尊い
ダレノガレ明美、片目が見えない子猫保護から1カ月 「340gしかなかったのが1kgに」とすくすく成長した姿に反響
「お前を消す方法」でおなじみの“Excelイルカ”、最新版でも予想外の場所で生存が確認される 「なつかしい」「再雇用枠か」
先週の総合アクセスTOP10
- 鳥取砂丘から古い「ファンタグレープ」の空き缶が出土 → 情報を募った結果とても貴重なものと判明 ファンタ公式も反応
- 「モンストのせいで彼氏と別れました」→ 運営からの回答が“神対応”と反響 思いやりに満ちた言葉に「強く生きようと思う」と前向きに
- 「この抜き型、何ですか……?」 家で見つけた“謎のディズニーグッズ”にさまざまな推察、そして意外な正体が判明
- 人間に助けを求めてきた母犬、外を探すと…… びしょ濡れになったうまれたての子犬たちを保護
- 幼なじみと5年ぶりに再会したら…… 陸上選手から人間ではない何かに変わっていく姿を見てしまう漫画が切ない
- ブルボンの“公式擬人化”ついにラスト「ホワイトロリータ」公開 イメージ通り過ぎて満点のデザイン
- 「幸せな風景すぎて涙出ました」 じいちゃんの台車に乗って散歩するワンコのほのぼのとした関係に癒やされる
- 「遺伝ってすごい」「足長っ!」 仲村トオルの“美人娘”ミオがデビュー、両親譲りのスタイルに驚きの声
- 猫「飼い主、大丈夫か……?」 毎日の“お風呂の見守り”を欠かさない3匹の猫ちゃんたちがかわいい
- 天才科学者2人が最強最高のロボを作成するが…… 高性能過ぎて2人の秘密がバラされちゃう漫画に頬が緩む
先月の総合アクセスTOP10
- 「訃報」「愛猫」「手風琴」って読める? 常用漢字表に掲載されている“難読漢字”
- 安達祐実、グレー髪への“勘違い指摘”に「白髪は悲しくないですよ」と切り返し 加齢の考え方が称賛を呼ぶ
- 「これは妙案」「明日の朝はこれ」 “レジ袋1枚”でできるフロントガラス解氷テクに目からウロコ
- 嫌がらせ急ブレーキで追突 トラクターの進路を妨害した「あおり運転」ベンツ、ぶつけられたと運転手がブチギレ
- “東大王”鈴木光が『CanCam』デビュー “美しすぎる東大生”の新たな一面
- 柴犬たちが追いかけっこしていたら…… ワンコの“突然の裏切り”に「声出して笑った」「4コマみたい」の声
- 元「うたのおにいさん」今井ゆうぞうさんが脳内出血で急逝 生前最後のブログには“目の異常な充血”
- 「虚無僧」「言質」「古刹」って読める? 常用漢字表に掲載されている“難読漢字”
- 保護した子ネコに「寂しくないように」とあげたヌイグルミ お留守番後に見せた子ネコの姿に涙が出る
- 「えっ!? おきゃくさまっ!」 スターバックスでやけに長いレシートに遭遇 店員さんのテンションがすごかったエッセイ漫画