インタビュー
» 2020年05月26日 20時00分 公開

「生徒が不登校になってしまうんじゃないか、という心配も」 現役中学教員が考える「学校ができる“最大限の新型コロナ対策”とその課題」 (1/2)

“学習指導要領の新型コロナ対応”も課題の1つ。

[ねとらぼ]

 COVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大防止のため、長期化している学校の休校状態。再開した場合は、どのような対策が必要とされるのでしょうか? 今回は現役中学教員Aさん(匿名)に「学校の新型コロナ対策と課題」を伺いました。

―― 最近(取材は5月中旬)緊急事態を解く動きが現れているけど、学校再開の方はどう?

 地域にもよるところだけど、うちの自治体も6月から学校再開する方向に傾いてきている。感染リスクをゼロにはできないけどね。

―― 「感染リスクをゼロにはできない」というのは、学校現場にいて感じるところ?

 俺が感じるというか、文科省がそう言っているんだよ。「新型コロナウイルス感染症対策の現状を踏まえた学校教育活動に関する提言」(令和2年5月1日)の中で「学校における感染リスクをゼロにするという前提に立つ限り、学校に子供が通うことは困難」と書かれている。

―― 本当だ。その後、「感染及びその拡大のリスクを可能な限り低減しつつ段階的に実施可能な教育活動を開始」とあるね

 「学校再開すれば、感染リスクが発生するのはやむを得ない。各学校ではそのリスクをなるべく減らす取り組みをしてください」というスタンスなんだと思う。

 それで、教員として学校現場にいる俺なりに「学校ができる“最大限の新型コロナ対策”とその課題」を考えてみた。なお、「なるべくお金をかけないこと」「オンライン授業ではなく登校」を前提にしているよ。

分散登校が必要な理由1:机の間隔を1メートル以上空ける→生徒が教室に収まらない



 先の提言には「学校教育活動の再開の具体的な方策」という項目があって、例えば、教室の生徒の机は「1〜2メートル離す」「対面にならないようにする」と書かれている。生徒が30〜40人くらい集まった教室は「密」だからね。

 さて、この通りに間隔を空けるとどうなるのか、ざっくり計算してみた。

 教室は横7メートル×縦9メートルで作られていることが多いんだけど、黒板のすぐ目の前に置くわけにはいかないから、生徒の机が置けるのは7メートル四方くらいだと思う。

 椅子に座るための余裕も考慮して各机のスペースを65センチ四方とすると、“1メートル間隔で配置できる生徒の座席数”は縦に5つずつ、横に5つずつ。合計25人分だ。間隔を2メートルに広げると、この半分しか入らない。

―― 生徒が、収まりきらないじゃない

 だから、提言では「1クラスを2、3個のグループに分けて、別の教室を使うなどの対応も考えられる」と補足されている。

 とはいえ、学校には余分な教室はほとんどない。このやり方だと生徒全員を登校させることはかなり難しいから、机の間隔を空けることと、「今日は各学年の1組が登校」「明日は2組」……というような分散登校の実施はセットになると思う。

分散登校が必要な理由2:休み時間に手洗いしてもらう→全員登校だと蛇口の数が足りない

 生徒全員が登校した場合、“手洗いにかかる時間”も問題になってくると思う。

 例えば、学校のワンフロアに水道の蛇口が7個あり、そのフロアにいる生徒が130人(1学年分)。授業後、全員に一斉に手を洗うことになった場合、休み時間(10分)のあいだに終わるのか。

 「手洗いは30秒以上しましょうね」みたいに言われているから、1人あたり30秒だとすると単純計算で9分。実際にはもっとかかるだろうね。

―― 時間割通り、動けないことになるのか

 この場合は「授業時間を50分→45分に短縮し、余った5分間を手洗い時間にあてる」という風な対応も考えられると思う。45分でも一応、1コマとして認められるから。「その5分間を保健体育の授業時間に読み替える」という手もあるかも。

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