「うざいな」と思ってくれたら本望 「エール」で俳優デビュー、ジュノンボーイ“W受賞”坪根悠仁が挑んだ“ハマり役”(1/2 ページ)
初めての生の演技に「衝撃を受けた」と坪根さん。
NHK連続テレビ小説「エール」が、第13週「スター発掘オーディション!」に突入。オムニバス形式でそれぞれのキャラクターにスポットをあてた第12週から、再びドラマ本編へ戻り、東京へと戻った古山裕一(窪田正孝さん)と音(二階堂ふみさん)のその後が描かれています。
裕一の幼なじみ、佐藤久志(山崎育三郎さん)が、「コロンブス専属新人歌手」オーディションで歌手デビューを志すストーリーが描かれていますが、6月25日の放送の第64回では、久志のライバルとして、「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で「フォトジェニック賞」と「明色美顔ボーイ賞」をW受賞した坪根悠仁(つぼねゆうと)さんが寅田熊次郎役で出演。朝ドラで俳優としてのスタートラインを切りました。
これまで、菅田将暉さんをはじめ、渡部秀さん、白石隼也さんなど特撮シリーズでの俳優デビューが多いジュノンボーイが、朝ドラでデビューを果たすのは初。ほぼ演技経験がないという坪根さんにとって大きな第一歩となりましたが、出演が決定した際には、喜びやプレッシャーなどさまざまな思いが交錯したとのこと。3月に20歳を迎え、これから“俳優”としての道をまい進していく坪根さんに、第一線で活躍する俳優はどう映ったのか、これから思い描く俳優像とはどんなものなのか、Zoomによるオンライン取材で語ってもらいました。
祖母が好きだった朝ドラでデビュー
――もともと朝ドラはご覧になっていましたか?
坪根悠仁さん(以下、坪根): 祖母が朝ドラ好きで、小さいころから一緒に見ることは多かったです。その頃は見てもまだ難しかった所もあったのですが、僕はおばあちゃんっ子だったので、祖母と一緒に見るのが好きでした。
――では、今回の朝ドラ出演は喜ばれたのではないですか?
坪根: 大喜びでした! 両親には事前に伝えていたのですが、祖母にはサプライズをしたくてギリギリまで伝えていなかったんです。それで僕の出演が決定したその日に電話で伝えたら、「そうね、そうね〜。絶対見るね〜」って笑って喜んでくれましたね。親孝行やおばあちゃん孝行の一歩をようやく踏み出せたかなと思います。
――ついに放送となりましたが、ジュノンボーイから朝ドラデビューは初だそうですね。
坪根: そうなんです。2019年4月にエイベックスへ所属したことをきっかけに上京してきたのですが、ありがたいことにそのタイミングで「エール」出演オーディションを受けさせていただきました。ほぼ初めてのオーディションだったので、何を言ったらいいのかも分からない状態で、自己PRとせりふの読み合わせをしたのですが、正直受かる自信がありませんでした。本当に何も分からなさすぎて、手応えがあったのかどうかさえも考える余裕がない状態でした。
その後、正式に出演が決まったのは12月後半か1月ごろ。それから台本をいただいて。僕にとって初めての台本で。感動と言いますか、うれしさが込み上げてきて。多分ずっとにやけてたと思います。家に帰ってもずっと眺めてました。「わ〜! 台本だ〜〜!」って。
後日、ジュノンボーイから朝ドラデビューした俳優は僕が初だと聞いて、うれしさもあったのですが、プレッシャーをものすごく感じました。ドラマの撮影自体したことがなくて、有名な俳優さんと一緒に演技をさせていただく機会もなかったので、ちゃんとできるのか、と不安な思いもありました。でも、一番強く感じたのは、芸能界に入ったばかりで演技経験もなく、オーディションで何をしたらいいのかも分からない僕が、朝ドラでデビューさせていただけるということへの感謝の気持ちです。しかも、音楽とものすごく関わりが深い作品に出演させていただけるとのことで、運命的なものを感じました。
――いろいろな思いを抱えての朝ドラ出演だったのですね。坪根さんが演じたキャラクターについて教えてください。
坪根: 僕が演じたのは、窪田正孝さん演じる裕一が契約しているレコード会社「コロンブスレコード」のオーディションに参加する新人歌手です。台本を読ませていただいたときに、すごく性格が悪いキャラクターだなと感じました(笑)。何事にも失敗を恐れない自信に満ちあふれている人物ですが、少し上から目線というか、ちょっと調子に乗っているタイプだなと。
窪田正孝に救われた一言
――そのキャラクターをご自身なりに演じることはできましたか?
坪根: 自分的には、今出せる全力をそこで出したので演じることはできたと思うのですが、小さいころから自信がないタイプですので、これでダメだったらどうしよう、という不安も少しあって、確信が持てなかったんです。そんな時に、撮影現場で窪田さんが「キャラクター合ってたよ」とおっしゃってくださって、周りから見て自分の演技は「ちゃんと出来ていたんだ」と思って安心したというか、すごくうれしかったです。
――歌唱シーンもあり、音楽の専門学校出身でボーカルを専攻されていた坪根さんにとってはハマリ役だったのかもしれませんね。
坪根: 歌唱シーンもあったのですが、当時の曲というのは、今とリズムや曲調、歌い方も全く違うので、その区別がすごく難しかったです。ドラマのセットというこれまで歌ったことがない環境だったということもあって、緊張や不安でいっぱいでしたが、歌唱指導してくださる先生から、これまでの歌い方を改善しつつ取り組ませていただいて、ずっと「自分はできる、自分はできる」と思い込ませて挑みました。
――本当にまっさらな状態で出演されたのですね。撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
坪根: 今までドラマ撮影の経験がないので、撮影現場はピリついているという妄想が自分の中で肥大していて、すごくピリピリしているのかなと思っていたのですが、実際は笑いが起きつつ、緊張感もあるような、想像していたよりは楽しそうな雰囲気でした。
ただ、やはり初めての撮影だったので、緊張しすぎて他の演者さんと全く話せなかったんです。そんな時に窪田さんが僕の演技を褒めてくださって、そこから緊張がほぐれて、少しずつお話できるようになりました。撮影の終盤だったのですが、窪田さんにあらためて自己紹介をさせていただいて、「あ、ジュノンボーイなんだ。俺も受けたことあるよ」ともう少しプライベートなお話もできました。
久志を演じている山崎からは、演技のアドバイスをしていただきました。あるシーンでの間合いがよくわからなくて、山崎さんが「もう少し離れてもいいかもね」とか「ここはもうちょっと自然な感じでやってもカメラのアングル的にも大丈夫だよ」など教えていただきました。
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