本格クロカンの特徴「ラダーフレーム」って何?(2/2 ページ)
ガチ方向のオフロード車が採用する「ラダーフレーム構造」
これに対して、広義ではSUVに含みつつも「クロスカントリー」と呼ばれるカテゴリーのクルマはオフロードや荒れた路面もガンガン走れる走行性能を持つ作りとなっています。大きく分かりやすい車体構造の違いに「ラダーフレーム構造」を採用しているか否かが挙げられます。
ラダーフレーム構造とは、ラダー(ladder)、つまりハシゴ状の強固な骨組み/枠組み(シャシー)にボディーを乗せて構成するクルマの構造のこと。トラックなどに近い、昔ながらの原始的なクルマの構造です。モノコック構造より重く、製造効率も高くはないとされますが、荒れた路面をガンガン走る性能に優れ、頑丈かつシンプルに作れます。
近年の身近なSUVでは、スズキ「ジムニー」(関連記事)がラダーフレームを持つ本格クロカンです。トヨタの「ランドクルーザー」やピックアップトラック「ハイラックス」(関連記事)などもラダーフレームを採用するクルマです。海外車にも例えば、ジープ「グラディエーター」(関連記事)、メルセデス「Gクラス」(関連記事)など、軍用車をルーツに持つ屈強系の車種が採用しています。
カタチや値段で選ぶもよし、こだわり性能で選ぶもよし
もっとも、条件なしにどちらが良い/偉いというものではありません。
普段は街乗りがメインで、旅行などの用途で積載力や車内空間の広さが欲しいのであれば、乗用車の延長で自然に乗れるクロスオーバーSUVが適しています。
一方、こだわり趣味者やオフロード競技用、あるいは仕事・居住場所の都合で、悪路も問わずガンガン走るならば、相応の装備を備えたクロカンでなければ満足できないかもしれません。趣味者ならば自己満足度としても……。
なお、クロスオーバーSUVながらも“悪路走行性能に寄せた"「RAV4」(関連記事)のような車種も登場しています。RAV4の初代モデルは4WDがオフロードに特化したクルマと位置付けられていた時代に誕生した、ちょっと軟派な「都市型SUVの始祖」でしたが、現行RAV4はガツンと悪路走行性能を高めるべく性格をガラリと変えました。
また別方向では、軍用車をルーツに持つランドローバー「ディフェンダー」(関連記事)は、新型で従来のラダーフレームからモノコック構造に変えましたが、車体剛性を約3倍に高めたとしています。ひとことにSUVといっても、やはりどちらが良い/偉いではなく、成熟しつつある市場やニーズに合わせて細分化しています。
カタチ、値段で選ぶもよし、こだわり性能で選ぶもよし。ともあれクルマ選びって、その選ぶ行程が悩ましくも楽しいですよね。
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