新プリキュア「キュアアース」登場も、プリキュアの玩具の売れ行きが不調だった理由サラリーマン、プリキュアを語る(1/2 ページ)

プリキュアのストーリーと玩具の販売スケジュールは密接な関係にあるのです。

» 2020年08月27日 18時00分 公開
[kasumiねとらぼ]

 プリキュア玩具の売れ行きが、不調です。

 もちろんコロナ禍の影響によるものなのですが「テレビアニメ内でのプリキュアの活躍」と玩具の販売が、緻密に連動するプリキュアにおいて5月、6月の「放送延期」は大きな損失となっていたようです。

ヒーリングっど プリキュア アニメ ニチアサ 8月に加入した新プリキュア「キュアアース」

kasumi プロフィール

プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。



 「ヒーリングっどプリキュア」の新しいプリキュア「キュア―ス」が本来の予定より約2カ月遅れの2020年8月9日、ついに登場しました!。

 もう、キュアアース初登場時の「圧倒的強さ」のすごいこと! メガビョーゲンを寄せ付けず瞬殺。風のように舞う華麗な戦いはたくさんの子どもたちを虜(とりこ)にしたものと思います。キュアアースは「驚異的な強さ」と変身前の「人間界の常識を知らないおちゃめな行動」のギャップが魅力なのですよね。

ヒーリングっど プリキュア アニメ ニチアサ 地球の精霊的な存在、風鈴アスミ(キュアアース)。常識が分からず周りが四苦八苦します(YouTubeから)

 キュアアースの変身バンクの原画は板岡錦さんです。板岡錦さんといえば、そのヌルヌルした動きで画面を縦横無尽に動き回る華麗な変身バンクが特徴。プリキュア界でも屈指の凄腕バンク職人ですよね。キュアミルキー、キュアマシェリ&アムール、キュアジェラートなど「印象に残る変身バンク」を数多く手掛けられています。

 今回のキュアアースの変身バンクも、ラテと一緒に楽しく変身していく様子がものすっごい躍動感で、とてもステキなのです。板岡バンクにたくさんのファンがいるのもうなずけます。ぜひ、その凄さをアニメ本編で確かめてほしいのです。

ヒーリングっど プリキュア アニメ ニチアサ 板岡錦さんが原画を手掛けたキュアミルキー変身バンク。板岡バンクにはファンも多い(YouTubeから)


 だからこそ、惜しい。

 テレビ放送でのキュアアース登場と、専用玩具「アースウィンディハープ」の販売時期が合致していれば、プリキュア玩具はもっともっと子どもたちに大きなムーブメントを起こせたはずなのです。


プリキュア玩具が売れていない

 「ヒーリングっどプリキュア」の玩具が不調なようです。

 玩具業界紙トイジャーナル(東京玩具協会)では立ち上げ当時から苦戦が続いている、と言及されています。

女児に圧倒的人気を誇るプリキュアシリーズ。最新作となる「ヒーリングっどプリキュア」は2月の立ち上げより苦戦が続いている中ではあるが〜
月刊トイジャーナル(東京玩具人形協同組合) 2020年5月号(P52)


 同紙7月号では「戦隊やプリキュアなどの定番キャラクターが相変わらず厳しい」とも言及されています。

男児向け、女児向けキャラクターが相変わらず厳しい。特に戦隊やプリキュアなど定番TVキャラクターの苦戦が目立つ。
月刊トイジャーナル(東京玩具人形協同組合) 2020年7月号(P64)


 数字的には、バンダイ全体としては昨年(2019年)のクリスマス商戦が95%、4月が60%、ゴールデンウイーク商戦は昨対60%と大きく落ち込み、その低調の要因が「プリキュアや戦隊などのキャラクター商品」のテレビ番組との連動ができなかった、と分析されています。

数字面で言うと、バンダイの昨対数字は、クリスマス商戦が前年同期比79%、4月が65%、GW商戦が60%と、さらに悪くなっているところが非常に心配です。
鍛冶 GW商戦は当社も含めてキャラクター商品全般が低迷しましたが、キャラクター商品はテレビ番組との連動や、流通の皆さまと連携しての販促に依存するところが大きく、それができなかった反動が出てしまったと思います。
バンダイのトイ事業部は今、何をめざしているのか
月刊トイジャーナル(東京玩具人形協同組合)2020年7月号(P31)


 もちろん、この落ち込みはコロナ禍の影響によるものなのですが、それは数字面にも表れています。

ヒーリングっど プリキュア アニメ ニチアサ 「地球をお手当」のテーマが偶然にもコロナ禍と合致してしまう

「テレビとの連動が出来なかった」プリキュア玩具

 事実、バンダイナムコホールディングスが8月7日に発表した2021年3月期第1四半期決算では、2020年4〜6月の数字として、ワンピースや機動戦士ガンダムといった、大人にも向けたIPはコロナ禍中にもかかわらず数字を伸ばしている中、プリキュアや戦隊シリーズなど「子ども向けにテレビと連動して玩具を売るIP」は大きく数字を落としています。

ヒーリングっど プリキュア アニメ ニチアサ バンダイナムコのグループ全体売り上げの昨年同期との増減比。コロナ禍の影響でプリキュアや戦隊シリーズは昨対比で大きく数字を落としている

 これはプリキュアや戦隊シリーズが、春から夏にかけて大きく盛り上がりを見せる時期に、ちょうどコロナ禍が直撃し「テレビ放送」と「玩具の展開」にズレが生じてしまったことが大きいと思われます。

ヒーリングっど プリキュア アニメ ニチアサ

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  2. /nl/articles/2411/12/news186.jpg 「涙が出ました」 45歳男性“かっこいいパパでありたい”→美容室で若返りすぎた姿に仰天 「全然違う!」
  3. /nl/articles/2411/13/news035.jpg 妻に「ファミリーカー買った」と報告→中古トラックで帰宅したら…… リアルな反応に「意表をつかれました」「子どもには好評だったりして」
  4. /nl/articles/2411/12/news140.jpg 「これは欲しい」 ワークマンの“1000円以下”「ボアアウター」がハイスペックすぎ! 「着やすそう」「かわいい」と150万再生の大反響
  5. /nl/articles/2411/13/news022.jpg セリアで買った“110円のシール”→2歳娘がペタペタ貼っていくと…… 度肝を抜かれる作品に「天才か!!」「額に入れて飾りたい」
  6. /nl/articles/2411/13/news135.jpg 「500キロカロリー……」 162センチ&40.5キロの人気TikToker、“1年ぶり食べたもの”が衝撃的! ストイック極まる体形維持に「食事制限すごい」
  7. /nl/articles/2411/13/news033.jpg ガラス越しに猫を撮ったら偶然……腹筋崩壊必至の“1枚”が300万表示突破 「ここ数日で一番笑った」「最終回みがある」
  8. /nl/articles/2411/12/news075.jpg 夫「あと100本は食べられる」と大絶賛 冷蔵庫の物で作る料理が490万表示 「目からウロコ」「時短だし楽だし洗い物少なくなるしサイコー」
  9. /nl/articles/2411/12/news086.jpg カルディ“クッキー缶”のラベルを剥がしたら……? 隠れていたものに1900万表示 「なぜここに…」「ここに隠れてたのね」
  10. /nl/articles/2411/12/news084.jpg 「吹いたwwwww」 チラシに書かれた「セット割引」→“まさかの組み合わせ”に思わず二度見 「どういう状況?」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた