「予算カットに過ぎない」「ベーシックな生活を実現できません」 竹中平蔵氏の「月7万円」所得制限付きベーシックインカム案に批判の声(1/2 ページ)

Twitterでは問題点を指摘するツイートが広がっています。

» 2020年09月24日 11時45分 公開
[ねとらぼ]

 元総務大臣でパソナグループ会長の竹中平蔵氏がテレビ番組で提案した「所得制限付きのベーシックインカム」が、SNSで大きな話題を集めています。

 9月24日10時現在、「ベーシックインカム」「竹中平蔵」が共に日本のTwitterトレンドワードランキングにランクイン。Twitterユーザーは、「所得制限付きのベーシックインカム」についてどのように捉えているのでしょうか。

Twitterのトレンド 9月24日10時のTwitterトレンドワード。6位にベーシックインカムがランクイン
Twitterのトレンド 竹中平蔵氏の名前も18位にランクインしていました

竹中氏の「所得制限付きのベーシックインカム」提案

 話題になっているのは、9月23日に放送されたBS-TBSの報道番組「報道1930」での竹中氏の提案。

 「所得制限付きのベーシックインカム」と称し、「国民全員に毎月7万円支給」「所得が一定以上の人は後で返す」「マイナンバーと銀行口座をひも付け所得を把握」といった案を披露していました。

  竹中氏は以前から「ベーシックインカムを導入することで、生活保護が不要になり、年金も要らなくなる。それらを財源に」(エコノミスト Online)といったベーシックインカム構想についての発言を行っており、今回はテレビ番組で自論を展開した形です。

ベーシックインカムとは?

 ベーシックインカムは、政府が国民に対して最低限の所得を保障する政策で、「最低限の生活」を送るのに必要とされている額の現金を全ての国民に定期的に支給するというもの。ドイツやフィンランドなどでは同様の制度に関する社会実験がすすめられているほか、コロナ禍などの急激な収入減を保障する制度として注目を集めています。

 政府が給付した1人10万円の「特別定額給付金」も「定期的」ではないものの、一律で給付されるという点ではベーシックインカムに似た政策だと言えます。

Twitterでは批判の声

 Twitterでは番組放映時の画面写真と共に竹中氏の提案が広がっていますが、投稿の大半はこの提案に批判的なものです。

 批判が上がっている点は主に3つ。1つは、ベーシックインカムの支給と年金や生活保護などの廃止がセットになっている点への批判です。

 「厚生年金を無くし全員を国民年金にする、そして生活保護も極端に引き下げ、あとは自助で頑張れとするもの」「生活保護も国民年金も廃止するのでは単なる財務省主導の予算カットに過ぎない」など、現在の制度を下回る保障に疑問の声が上がっています。

 2つめは、所得制限など、支給に関する制限が付いている制度はベーシックインカムとは呼べないという点への批判です。なお、ベーシックインカム制度は、高所得者と低所得者の支給額が同じである点がしばしば批判されますが、日本のように累進課税制度を採用している国では、支給金を課税の対象とすれば所得の再分配が行われると考えられます。

 3つめは、「月7万円」という保障額の少なさへの批判です。「『月7万円のベーシックインカム』では、ベーシックな生活を実現できません」など、現代の日本で最低限の生活を送るには、7万円という金額は現実的ではないとする意見が多く上がっています。


 ベーシックインカムは、最低限の生活が保障されていなければ意味をなさない政策。今後もさまざまな検討や実験が必要ですが、導入の際には、必要としている人の生活を十分に支えることができる制度と、付随する社会保障の再整備が求められることになりそうです。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2410/05/news022.jpg 「クレオパトラみたい」と言われ傷ついた55歳女性→カット&パーマで大変身! 「本当にびっくり」「素敵なマダムに」
  2. /nl/articles/2410/05/news040.jpg 伝説の不倫ドラマ「金曜日の妻たちへ」放送から41年、キャストの現在→75歳近影が「とても見えません」と話題
  3. /nl/articles/2410/02/news116.jpg 余りがちなクリアファイル、“じゃないほう”の使い方で食器棚がまさかのスッキリ 「目からウロコ」「思いつかなかった!」と反響
  4. /nl/articles/2410/05/news023.jpg 七五三で刀を持っていた少年→20年後には…… “まさかの進化”に「好きなもの突き進んでかっこいい!」
  5. /nl/articles/2410/05/news018.jpg 野良猫が窓越しに「保護してください」と圧をかけ続け…… ひしひし感じる強い意志と表情に「かわいすぎるw」「視線がすごい」
  6. /nl/articles/2410/05/news012.jpg 「あのお客さんに幸あれっ!」 小銭の出し方が完璧な“神客”にレジ店員感激 会計がスムーズになる配慮が参考になる
  7. /nl/articles/2410/04/news048.jpg 「こういうの好き」 割れたコップの破片を並べたら…… “まさかの発想”で息を飲むアート作品に 「すごいセンス良い」「前向きな考え」
  8. /nl/articles/2410/04/news040.jpg 50代女性「モンチッチみたいにしてほしい」→美容師がプロのワザを見せ…… 別人級の変身に「めっちゃお洒落」「すごい!」
  9. /nl/articles/2410/04/news025.jpg 「これが免許証の写真???」 コスプレイヤーが公開した“信じられない”免許証が話題 コスプレ姿との比較に「両方とも可愛いすぎる」
  10. /nl/articles/2410/05/news032.jpg 大型犬が18年間、ドアを開け続けた結果……そうはならんやろな驚きの末路に「どうしたらこんな風になるのよ」の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. ネットで大絶賛「ブラウニー」にカビ発生 業務スーパーに7万箱出荷…… 運営会社が謝罪
  2. 「全く動けません」清水良太郎がフェスで救急搬送 事故動画で原因が明らかに「独りパイルドライバー」「これは本当に危ない!!」
  3. トラックがあおり運転し車線をふさいで停車…… SNSで拡散の動画、運転手の所属会社が謝罪
  4. 「ヤヴァすぎる!!」黒木啓司、超高級外車の納車を報告 新車価格は5000万円超 2023年にはフェラーリを2台購入
  5. そうはならんやろ “ドクロの絵”を芸術的に描いたら…… “まさかのオチ”に「傑作」の声【海外】
  6. 「ウソだろ?」 ハードオフに3万円で売っていた“衝撃の商品”に思わず二度見 「ヤバいことになってる」
  7. 「結局こういう弁当が一番旨い」 夫が妻に作った弁当に「最強すぎる!」「絶対美味しいビジュアル」
  8. “メンバー全員の契約違反”をライブ後に発表 異例の脱退騒動背景を公式が釈明「繋がり行為などではなく」
  9. 「言われる感覚全く分からない」 宮崎麗果、“第5子抱いた服装”に非難飛び……夫・黒木啓司は「俺が言われてるのかな?」
  10. 大沢たかお、広大プールを独り泳ぐ“バキバキ姿”が絵になり過ぎ 盛り上がる筋肉の上半身に「50代とは思えない」「彫刻みたい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  2. 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
  3. 友人に「100円でもいらない」と酷評されたビーズ作家、再会して言われたのは…… 批判を糧にした作品が「もはや芸術品」と490万再生
  4. 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  5. 「ま、まじか!!」 68歳島田紳助、驚きの最新姿 上地雄輔が2ショット公開 「確実に若返ってる」とネット衝撃
  6. 荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
  7. 食べた桃の種を土に植え、4年育てたら…… 想像を超える成長→果実を大収穫する様子に「感動しました」「素晴らしい記録」
  8. 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
  9. 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
  10. 義母「お米を送りました」→思わず二度見な“手紙”に11万いいね 「憧れる」「こういう大人になりたい」と感嘆の声