三浦春馬さん、出演ドラマ最終回は冒頭のみ登場し姿をくらます……キャストが言葉をかけるリアリティーのある演出が涙を誘う
みんな慶太に会いたかったよ。
7月18日に逝去した俳優の三浦春馬さんが出演するTBS系ドラマ「おカネの切れ目が恋のはじまり」の最終回が10月6日に放送。三浦さん演じる慶太はワンシーンのみの登場となりましたが、キャスト陣が次々と慶太に語りかける演出に、ネット上では「いくつものせりふが三浦春馬さんに向けているように感じた」「出演者みんなのせりふが深い」などと涙する視聴者が相次ぎました(以下、ネタバレあり)。
女優の松岡茉優さんが主演を務めた同作は、中堅おもちゃメーカーの経理部で働くモノの本質を大切にする“清貧女子”の九鬼玲子(松岡さん)が、会社の御曹司で“浪費”癖のある猿渡慶太(三浦さん)と出会ったことから始まる、正反対の価値観を持った2人の恋愛模様を描くラブコメディー。同作は収録途中だった三浦さんの代役は立てず、一部台本を書き直して撮影を進行し、4話完結で放送されました。
最終回では、第3話のラストで玲子は慶太から突然キスをされたことを思い、眠れない夜を過ごし、一方の慶太も布団で毛布をかぶって動揺した表情を浮かべていました。その場面での慶太の姿が、三浦さんが出演した最後のシーンとなり、以降は全て回想シーンでの登場に。翌朝、玲子の実家に慶太の姿はなく、会社も無断欠勤してどこかへ出かけたというストーリーとして描かれました。
劇中では、慶太がペットとして飼っていたロボットの“猿彦”に、慶太を投影して言葉をかける演出があり、玲子が失恋した早乙女(三浦翔平さん)は「本当、自由なヤツだな」と切ない表情で語り、同僚の板垣(北村匠海さん)は「また遊ぼうな」「すぐへらっと笑ってひょっこり帰ってきますから」と話し掛けていました。
また、慶太の父・富彦(草刈正雄さん)は「人を笑顔にする才能を産まれたときから持っていた」と息子について語り、母・菜々子(キムラ緑子さん)はいつも慶太が着ていたジャケットを握りしめ「ママはいつだって慶ちゃんの1番のファンだからね」と話し掛けるシーンも。
そして、玲子は“猿彦”に向けて「今日はとても長旅でしたから、疲れましたね」「猿渡さんはいつもすごく優しかった、隣にいないと寂しい」「どうしてか寂しいみたいです……会いたい……」と慶太への気持ちを告白。ラストシーンでは玲子の実家に誰かが訪れ、玲子が笑顔を浮かべるもその正体は分からないまま、幕を閉じたのでした。
放送後には、満面の笑みを浮かべた三浦さんとともに「春馬くん ずっと大好きだよ キャスト・スタッフ一同」という追悼メッセージのテロップが映し出されました。
最終回の放送後、Twitterでは「#カネ恋」「春馬くん」「#おカネの切れ目が恋のはじまり」「#三浦春馬」とトレンドの1位から4位を同作が席巻。三浦さんへのメッセージを思わせるせりふの数々に、視聴者からは「カネ恋最終回のいくつものせりふが三浦春馬さんに向けているように感じた」「最終回、出演者みんなのせりふが深い」「随所に彼を感じるせりふがちりばめられているのにそれに引っ張られず演技をするのがどれだけ大変な事か」「これあれだ。『バイプレイヤーズ』の時の大杉漣さんと似てる。もういないけど、その物語の中には生きてる」など胸を打たれた人の声が殺到しました。
また、作品の放送を終え「4話だけでも最後までしっかり放送してくれたカネ恋の関係者の方やつらい状況の中、必死に演じてくれた役者の皆さんに感謝します」「代役を立てるなんてことをせずに三浦春馬くんが演じた猿渡慶太というキャラを尊重して放送してくれたのは本当にうれしかった」と最後まで演じきった役者陣、放送を決断したスタッフを称賛する声が相次いでいます。
なお、TBS系ドラマ「凪のお暇」を手掛けたことで知られる大島里美さんによる『火曜ドラマ おカネの切れ目が恋のはじまり シナリオブック』(KADOKAWA)が10月20日に発売が決定。同書では、テレビで放送されなかった5話以降の全話シナリオを完全収録され、価格は1500円(税別)となっています。
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