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» 2020年12月31日 15時00分 公開

【好きなゲームが世間のクソゲーな人インタビュー】「メタルスラッグ4」を遊び続けることになった17年前の約束(1/2 ページ)

「目隠し状態でプレイしてコンテニュー数を10回以下にできる」レベルでやり込んでいるとのこと。

[ねとらぼ]

 年末企画「自分の好きなゲームが世間ではクソゲーと言われている人インタビュー」。今回は、アーケード版「メタルスラッグ4」スコアアタック全国1位を目指して遊び続けている方にお話を伺いました。

企画:好きなゲームが世間のクソゲー

「これはクソゲー」「あれはクソゲー」と世間は気軽に言うけれど、遊び方も感性も人それぞれ。むしろ、そんな風に言われている作品の魅力を知っている人に話を聞いてみよう。Twitterで募集をかけたら、2〜3人くらい手を上げてくださるのでは?

……と思っていたら、100人くらいから連絡が来ちゃった企画です。編集部のリソース的に可能な範囲で記事化。1日1本ペースだと公開しきるまでに数カ月かかるので1時間に1本ずつ公開します。

「メタルスラッグ4」(成仏さん/@kaizou_001

 このゲームは名作ぞろいの「メタルスラッグ」シリーズで唯一クソ中のクソとたたかれ、検索サイトでも「メタスラ4」と書くだけで予測情報に「クソゲー」「駄作」と出てきてしまうタイトル。ですが、私は17年間プレイし続けています。

 初代から「5」まで、1人プレイでも1人で2人プレイでもノーコンティニュークリアできるくらいには修めておりますが、目隠し状態でプレイしてコンティニュー数を10回以下にできるのは「4」だけです。

「メタルスラッグ4」が世間ではクソゲーと言われている理由

 理由は多々ありますが、よく目にするのは「コピペゲー」「どっかで見た敵/景色だらけ」「新キャラに魅力がない」「名作を汚すデキ」「新システムに魅力を感じない」「ストーリーが意味不明」「旧作キャラの扱いが酷い」など。検索サイトやTwitterで「メタスラ4」と調べると膨大な罵倒が出てきます。

 前作のコピーが多いというのには納得できますし、はじめは自分も「おい、これ初代の4面と6面……」となりました。「メタスラ4」がクソゲーと言われる理由の半分以上は、この“使いまわしがすぐバレるレベルで多過ぎる”ことだと思っています。

 ストーリーの分かりにくさ、盛り上がらないラスボスなども否定できません。「名作の中の名作」「最高傑作」とも評される前作(メタスラ3)と比較されてしまっている側面もあるとは思いますが、確かに背景のつながり、アイテムなどの演出、敵の動きなど、プレイヤーに感動を産み出す力はシリーズ作品の中でもかなり低いと思います。

なぜ、17年間も遊び続けているのか

 「『メタルスラッグ4』の全国1位を目指したから」「あこがれの人と約束したから」。話すと長くなりますが、ご容赦ください。

 私が初めて「メタルスラッグ」をプレイしたのは、スーパーのゲームコーナー。まだ小学生で、2面序盤でゲームオーバーになっていました。中学生になって、PS版「メタルスラッグ」を購入。数々のモードで遊んでいましたが、腕前は「ギリギリノーコンクリアできる程度」でした。

 「2」「X」「3」は自分が通うゲームコーナー/センターになかったため、縁が全くありませんでしたが、高校生になったとき、ホームゲームセンターで「メタルスラッグ4」が稼働しました。初プレイで先述のような感想を抱きつつも「クリアできずに文句を言うのも悔しい」と、何とか時間をかけてクリアできるようになりました。

 もともと高い点数を取得し、ネームエントリーで目立つことが好きだったため、「メタスラ4」でも高い点数を目指していきました。とても軽い気持ちでした。

 私のホームゲームセンターでは、各ゲームのスコア1位の名前とそのスコアを書いた紙が筐体に貼られていたのですが、「メタスラ4」1位の記録を見て、私は「これくらいなら」と気楽にやっておりました。なかなか届かなかったのですが、1年近くかけて自分なりに頑張って、最終クリア点数570万点で抜くことができました。

 しかし、“本当の意味”では抜けていなかったのです。

 少しややこしい話になりますが、アーケード版のスコア集計では「プレイヤーが最後まで動いた地点までのスコア」が計測されます。そして、ステージがより先まで進んだほうが優先されます。

 例えば、何かのゲームでこんな記録が出たとしましょう。

  • Aさん:1面クリア、2面で死んで80点
  • Bさん:2面クリア、3面で死んで70点
  • Cさん:全面クリアして65点

 この場合、1位はCさん、2位はBさん、Aさんがビリになります(まず“クリアにどれだけ近かったか”順で比べてから、点数で比較するため)。

 さて、筐体に貼られていたのはいわばこのAさんの記録。自分はCさんの立ち位置になることで抜いたのです。

 実際に筐体に貼られていた記録は、こんな内容でした。

  • メタスラ4
  • プレイヤー名
  • 5面クリア時に520万点、6面死亡。

 「メタスラ4」は全6面。本作特有のメタリッシュシステム(※)のおかげで、全ステージを最高ランクで回収するだけで300万点獲得可能です。さらに計62人の捕虜ボーナスもあるのでそれらを達成してクリアするだけで、「全6面クリアして、500万点」という記録が出ます。

※:メタリッシュシステム:あるアイテムを取ると一定時間無敵状態に。ゲージがゼロになるまでに取った得点に応じてランク付けされ、ステージクリア時にボーナス点がもらえる。知識や技術を磨いていくと「一回攻撃するだけで最高ランク達成」「誰一人傷つけず最高ランク達成」なども可能になるという

 ですが筐体に貼られていた記録は「5面クリアで520万点」。このまま全面クリアしていれば600万点出ていた計算になります。

 私は自分以上にうまいプレイヤーを見たことがなく「いったい誰が」と探していると、店員さんが

 「このスコアを出したのはメタスラ4スコア集計全国1位のXさん(仮)だよ」「県外に住んでいて、このゲームセンターに偶然来たとき“遊び”で出したスコア。6面死亡っていうのも時間がヤバいから帰っただけ」と。

 衝撃でした。私の全力が、遊びに翻弄されていたのですから。その後、Xさんの「全国1位775万点」という遙かかなたのスコアも紹介されました。

※当時の成仏さんの記録は前述の通り「最終クリア点数570万点」

 その後、話が人づてにまわり、私はXさんと直接話す機会に恵まれ、3時間ほど自分のプレイを披露し、意見をいただきました。そしてXさんのパターンを見せてもらうことができました。全国1位のプレイを、目の前で見たんです。

 これがどれだけ名誉なことか。プレイ動画が出回っている現在、分かる方はごく一部かもしれません。

 当時、スコア集計に挑むプレイヤーは自身のパターンを秘匿するものでした。「パターンを見せる」ということには「相手を認める」と言う意味合いがありました。それを全国1位からしてもらえたのですから、私の心は言葉にできない思いで埋まりました。

 そこで私は約束したのです、「必ず全国1位になって、Xさんを超えてみせます」と。これが、クソゲーと呼ばれる「メタルスラッグ4」をやり続けた理由です。

 私が全国1位になったときには、約束から12年たっていました。そして1年後、Xさんが新パターンを発掘し、800万点の大台スコアを出して全国1位の座はまた奪われました。再び全国1位を奪い返すべく、私は今も前進しています。

 「メタスラ4」をやり込みだしてから17年。ここまで付き合っていると、ゲームとはいえ友のようなものです。周りからは「クソゲー」と言われ悪評だらけですが、本当の友人なのでそんな評判は無視して付き合い続けています。

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