杉田智和、阪口大助、釘宮理恵に聞く「銀魂」との15年 『銀魂 THE FINAL』で万事屋に去来したもの(1/2 ページ)
杉田「『好き』を貫き通すために採るべき行動は、バカ騒ぎに同調しないこと」。最後で謎めいた!
全編を貫く下ネタやオマージュ、おふざけ、それらの境地ともいえる終わる終わる詐欺で人気を博した『銀魂』。アニメもテレビアニメ開始から15年、1月8日から公開の映画『銀魂 THE FINAL』でついにファイナルを迎えた。
テレビアニメ第4期から約2年。“最後のバカ騒ぎ”と銘打たれた同作は、オープニングからして頭がクラクラする徹頭徹尾「これぞ銀魂」という内容で、公開から4日の興行収入は5億3135万320円。公開から12週にわたって1位だった劇場版「鬼滅の刃」無限列車編を抑え首位に立った。
しかし、万事屋の3人――坂田銀時役の杉田智和さん、志村新八役の阪口大助さん、神楽役の釘宮理恵さん――に話を聞くと、気負いもなく、いたって冷静。15年の歳月は3人に何をもたらしたのか、去来した思いを聞いてみた。
僕は、いかに物事に動じないかに意識が行っていた
―― 終わる終わる詐欺でたびたび話題となってきた銀魂の『THE FINAL』。このお話があったときに率直に感じたことを最初に教えてください。
杉田 あまり心が動じることはありませんでした。終わる終わる詐欺、などいろいろ言われていますが、当事者がそこで騒いでいたら意味がないので。似たような言葉で“閉店セール”という言葉がありますが、言葉通りに受け止める人は損をするものです。僕は、いかに物事に動じないかに意識が行っていたように思います。
阪口 映画の台本というかプロットをいただいていて、見た瞬間は「終わるんだな、原作も終わったし、そら終わりますわ」とは思いましたけど、いざ収録の現場に行くと、いつも通り始まっていつも通りに終わったので、特別な感情は湧きませんでした。
釘宮 何年も前から終わる終わる詐欺を繰り返してきて、私も徐々に心の準備が整ってきていたので、淡々とした気持ちで受け止められました。この映画で終わりになることも早い段階から聞いていたので、土壇場になって心がざわつくこともなく、「始まりがあれば終わりもありますよね」と自然に受け止められたなと思います。
―― 杉田さんにお聞きしますが、坂田銀時はどのような存在に映っていますか?
杉田 ある程度の人生を経てきた主人公・坂田銀時は、今出会った新しい環境において、それを隠しながら生活しています。自分にとって弱さであり、向き合いたくない過去。それがある日、同じ過去――でも都合の良い解釈でその過去を変えている――を共有する者が現れ、互いの思い出を見せ合ったときに、それが異なっていたからいさかいや争いが起きるわけです。敵がいないんですよ。故に悲しい。誰も悪と敵がいない。ただ全員がそれになる因子を持っているから、あとは自分との戦いが始まると思いました。
今回の映画で過去そのものがいびつな形で現れますが、いびつな過去を見せ合ったときに、みんな自分のことを分かってほしいんですよ。だからこそ自分のことしか考えてない変人の桂が一番周りを見ていたり、自分の考えを絶対に曲げずに主張する高杉こそ、一番分かり合いたいという空気を出していたり、サングラスの奥で寂しい目をして全てを忘れて楽しく生きればいいという坂本ほど、実は楽しみ方に繊細なこだわりを持っています。
その中でも銀時は一番答えを出さない人間です。ただ今回、これまで人の振り見て我が振り直さなかったやつが初めて向き合うことになります。それがそのまま『銀魂 THE FINAL』の結末につながっていくのかなと感じました。
釘宮「背中と魂で語る銀時の姿が杉田さんと重なった」
―― 15年以上続いてきたアニメに携わって、その存在が皆さんに影響や変化を及ぼした部分があれば教えてください。
杉田 最初はどうやってくらいついていこうかということばかり考えていて。周りからは、「主役とは、座長とは」とかいろいろ教えて頂きました。知らない人ほど、素人ほど“プロ意識”という言葉が好きなように。
坂田銀時というのは、本音を見せない人で、背中と魂で語る男ですが、向こうから何も話してくれないんです。言葉がないので演じる側は不安でした。だから自分から常に言葉を投げ続けるしかない。それをお芝居というのなら、15年近くやってきたそれが最後につながっていればうれしいですね。
阪口 杉田くんはこう言っていますけど、やっぱり作品の芯ですよ。でもそれは杉田くん自身絶対口にはしないし、態度で示すとかそういうことでもなかったんですけど、坂田銀時として引っ張ってくれました。杉田くんがこのスタジオで作り上げた銀時の中の人という立ち位置が、この作品をよくしたのだという気がします。銀時の中の人が気張り過ぎていたら、この空気にはならなかったですね。
強烈なリーダーシップを発揮したり、はっきりとした言葉で引っ張っていったり、いろいろな主役の形があります。ただそれは銀魂ではありませんでした。この作品で杉田くんが採ったポジションやスタンスが一番しっくりハマって、それが良かったから15年続いたのだと思いたいし、思います。それが分かった15年でもあります。
釘宮 今、銀ちゃんのことを背中と魂で語る男と話した杉田さん自身が、まさにスタジオでそう振る舞ってくれていました。作品そのものにも、スタッフさんや演者みんなに対してもリスペクトの気持ちがすごくて。日常的な会話を除けば本人から発信することってないのですが、姿勢で見せてくれたと思いますし、守っていただいたなと感じます。
それに乗っからせてもらうときは、ありがたいな、という気持ちで私も全力で行きますが、素直に乗っかったことで、杉田さんがホッとできるときもあったのかなと思うと、万事屋3人の関係性はいいバランスだったのではないかと思います。
―― 作品のキャラそのものではないのに、声優がキャラそのものみたいな感じを期待されるところがあるように感じます。
杉田 そうですね。テレビのバラエティー番組などで僕が銀時になりきって「それでも銀魂ついてんのか!」とか発言して調子に乗っていたらぶん殴ってくださいね。お前それは違うぞと。
―― 話を戻して、阪口さんや釘宮さんは銀魂から影響や変化を感じた部分はありますか?
阪口 笑うのを我慢するスタジオってそうありません。普段は収録のテスト段階からある程度集中してやりますが、銀魂に関しては何かツボが変なところに入ってしまって、テスト中でも「ブホッw」ってなるのがたびたびあったのは自分の中では特別です。万事屋を含めて、キャストの距離も近かった気がします。
釘宮 私は、銀魂が作品的にノリに乗っている状態だった時期、みんなで掛け合いするのになじみすぎて、本編以外の収録で1人のときにキャラが分からなくなる事態に陥って、シリアスに悩んでいたことがありました。掛け合いをする相手がいないと、普段自分がどんなテンションで、どういう気持ちでしゃべっていたのか分からず迷子になってしまって。
阪口 銀魂は別録りが少ないというか、普通ならちょっとせりふがかぶると「じゃあこのせりふを抜きましょう」となるのですが、銀魂はサウンドミキサーの野口(あきら)さんが極力一緒に録ってくれるんです。これはすごくありがたいことで、テンポ感が全然違います。突っ込んでくださいと言われて、突っ込みだけを録るのと、ボケを聞いた上で突っ込むのはテンションも違うんですよね。
杉田 漫才のやりとりなのでボケと突っ込みを離してはいけないと、野口さんはおっしゃってましたね。
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