ねとらぼ
2021/02/18 12:00(公開)

今日書きたいことはこれくらい:「19XX」はなぜ今回収録できたのか? 「カプコンアーケードスタジアム」開発者インタビュー

出発点はシンプルに「全部やる」だった。

 どうもしんざきですこんにちは。

 前々回、「19XX」をはじめ長年移植されていなかったゲームが山ほど移植されると聞いて軽く脳が暴走しまして、勢いでこちらの記事を書かせていただいたんですが、



カプコンアーケードスタジアム インタビュー

カプコンアーケードスタジアム


 その後「『カプコンアーケードスタジアム』の開発者さんにインタビューとかさせていただけないですかね……!?」ってご相談してみたらなんと「いいよ」と言っていただけたので、お時間をいただいて「カプコンアーケードスタジアム」についていろいろとお聞きしてきました!!!

 今回インタビューに応じていただけたのは、 「デビル メイ クライ 5」や「バイオハザード:リベレーションズ 2」なども手掛けた岡部眞輝プロデューサー(以下、岡部P)、「バイオハザード:リベレーションズ コレクション」の開発に携わった野添大祿プロデューサー(以下、野添P)、「デビル メイ クライ HDコレクション」を担当された松田崇史ディレクター(以下、松田D)の3人。インタビューはしんざきが担当しております。

※COVID-19(新型コロナウイルス感染症)感染拡大防止のため、取材はリモートで行っています


カプコンアーケードスタジアム インタビュー

左から順に、野添大祿プロデューサー、松田崇史ディレクター、岡部眞輝プロデューサー


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ライター:しんざき

しんざき プロフィール

SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ、三児の父。ダライアス外伝をこよなく愛する横シューターであり、今でも度々鯨ルートに挑んではシャコのばらまき弾にブチ切れている。好きなイーアルカンフーの敵キャラはタオ。

Twitter:@shinzaki


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プロジェクトの思想はシンプルに「全部やる」

しんざき:本日は貴重なお時間をいただいてありがとうございます! 早速ですが今回の収録タイトルについて、どんな過程で決定されたのか伺えますでしょうか。

岡部P:もともと弊社の辻本(※代表取締役会長CEOの辻本憲三氏)から、「カプコンの過去のタイトルを、ちゃんとユーザーに遊んでもらえるようにしたい」というお話があったんです。話自体はかなり前からあったんですが、実際に開発がスタートしたのが2019年くらい。だから基本的なプロジェクトの思想としては、タイトル選定というか、シンプルに「全部やる」です。カプコンから出したアーケードゲームって数百本あるんですが……(笑)。

しんざき:全部……!!

岡部P:それでまず、各タイトルの権利の状態を精査するところから始めたんです。それこそロゴの権利を本当に会社がもっているのかとか、どういう契約でどこと一緒にやっていたのかとか、権利まわりの処理がどうなっているのかとか。とにかく全部精査しました。もちろんそんな中でも、いろんな大人の事情で弾かれてしまったタイトルもあるんですが。


カプコンアーケードスタジアム インタビュー

収録タイトル一覧(公式サイトより)


松田D:ROMの状態とか、過去の開発の資料とか、そういうものを片っ端から集めて、今何が作れて、何が作れないのかを細かく調べて選定しました。とはいえ消極的に考えるのではなく、プロジェクトとしては最初から全部出すぞというつもりでしたから……終わるのに10年くらいかかるんじゃないかという感触もあったんですが(笑)。「それでもなるべく早くユーザーさんに届けたい」という思いとの兼ね合いで選ばれたタイトルが今回のラインアップです。

岡部P:(選定されたタイトルについて)喜んでいただけるとすごくありがたいです。

しんざき:私は大喜びしています……!! ちなみに今のお話は、以前リリースされていた「カプコン アーケード キャビネット」や「カプコン ベルトアクション コレクション」といった過去のタイトルとは全く別の流れで、ということですか?

岡部P:別の流れですね。向こうは向こうで、今回の「アーケードスタジアム」とはまた別の切り口で企画を立てています。「アーカイブ全部やったらどうなんねんプロジェクト」としては社内でもこれが初です。

しんざき:ちなみに今回、10本ずつのパックでの販売ということなんですが、こういう形態もけっこう珍しいですよね。

岡部P:やっぱり全部買ってほしいというのはあるんですが、それだとフル版しか買えないので。年代によって遊んでいたゲームも思い入れも違うだろうということで、世代で分けて収録することにしました。最初はジャンルで分けるとかいろいろな分け方を考えていたんですが、結局世代で分けるのが一番、思い入れのあるゲームがまとまりやすいんじゃないかと。

松田D:あとはある程度まとめて買っていただくことで、ぜひゲームセンターの雰囲気を味わってもらいたいな、という思いもあります。


カプコンアーケードスタジアム インタビュー

Capcom Arcade Stadium Pack 1:すべてはここからはじまった!


カプコンアーケードスタジアム インタビュー

Capcom Arcade Stadium Pack 2:アーケード絶頂期!


カプコンアーケードスタジアム インタビュー

Capcom Arcade Stadium Pack 3:アーケードはさらなるステージへ!


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「19XX」なぜ収録できた?

しんざき:今回、今までなかなか移植されていなかったタイトルが複数収録されていますが、そのあたり意識して選定された部分ってあるんでしょうか?

松田D:特別に意識したわけではないんですが、もちろん「今まで一回も移植されていないタイトル」は訴求ポイントの一つなので、ユーザーの声も検討しながら、いろんな人に動いてもらいました。「今なら頑張れるんじゃないか」というタイトルを選んでいった結果、何とか出すことができた、という感じです。もちろんまだまだ頑張りたい部分はあるんですが、そこは「なるべく早めに」という部分との兼ね合いで、今回のラインアップになりました。


カプコンアーケードスタジアム インタビュー

待望の初移植となる「19XX – The War Against Destiny」


しんざき:ユーザーの声を検討しながらというのは、例えば2013年の「カプコンアーケードゲーム総選挙」なんかも参考にされたり?

松田D:カプコン30周年の企画ですよね。もちろんそこだけではないんですけど、そういうデータも集約した上で、SNSをはじめ複数のチャンネルを参考にしつつタイトルは選定しています。あと、実は弊社の品質管理部門がコアユーザーの集まりみたいな感じでして、そこの意見も参考にさせてもらいました。

しんざき:タイトル個別の話もお聞きしたいんですが、今回「19XX」が国内国外問わず初の移植になりますよね。今まで「19XX」の移植検討が行われたことはあったのでしょうか。また検討されていたとしたら、移植に至らなかった理由は何だったのでしょう。

松田D:正直「これが障害だった」とはっきりいうことはできないんですが、自分としては「今まで出ていないからこそ出したい」という思いは強かったです。

岡部P:時間がたってしまうとどうしても、当時何がダメだったのかという理由のトラッキングが困難な場合もあったりするんですよね。私たちが今回調べた範囲では「これは大丈夫だな」という感じでした。

しんざき:以前からシューティング好きの間では都市伝説みたいなものとして、「CPS2基板のシューティングは移植されにくい」みたいな話がありまして。

岡部P:ああ、はい、確かに。

しんざき:今回だと「19XX」「プロギアの嵐」「ギガウイング」「1944」はCPS2だと思うんですが、他にも例えば「アルティメットエコロジー」とか「グレート魔法大作戦」とか。実際「CPS2基板からの移植はしにくい」ということってあったりするんでしょうか?


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「プロギアの嵐」も長らく移植が待ち望まれていたタイトルの一つ


松田D:それでいうと、権利や契約関連などで“壁”があるタイトルが多く、それが理由の一つだと思います。今回もCPS2関連でクリアしなければいけない問題って多かったので、そういった面からCPS2関連の移植が少ないと思われていた部分はあるかもしれません。

しんざき:今回収録されたタイトルで、そのあたりが大変だったものってありますか?

岡部P:商標関連はいろいろありましたね。

松田D:会社として、権利関係の確認やハンドリングが結構大変でした。契約関係もいろいろとありますね。

しんざき:ローカライズについてはどうでしょう。例えば英語版と日本語版でテイストが変わるゲームもあると思うんですが、そういったゲームはどちらに準拠していますか?

松田D:いい質問ですね。今回、ほとんどのゲームは日本語版と英語版の両方を収録していて、簡単に切り替えられるようになっています。一部、例えば海外版のタイトルにちょっと権利的に問題があったりして、片方しか入ってないのもあるんですが。

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しんざき:ああ、それは「なんとかワールド」みたいなヤツですかね?

一同:(笑)。

しんざき:「U.S. Navy」なんかも両方入っています?

松田D:「U.S. Navy」は英語版と日本語版両方入っていますね。日本語版を選択すればちゃんと日本語版グラフィックが表示されます。

しんざき:(デモ画面とか全部確認しよう……)。

松田D:そう考えると、収録ゲームは32本ですが、ある意味倍楽しめると。

岡部P:プロデューサーとしても「64本収録!」といいたいところではあるんですが(笑)。


カプコンアーケードスタジアム インタビュー

「U.S. Navy」(さすがに「エリア88」にはならないみたいです)


「ゲームで遊びながら隣のゲームをチラ見」もできる

しんざき:追加機能についてもお聞きしたいのですが、今回個人的には「フィルターや背景などの再現機能」がすっごく印象的でして、これはすごいこだわりだぞ、と。ああいう環境再現みたいな機能はどなたの発案なんでしょうか?


カプコンアーケードスタジアム インタビュー

走査線はもちろん、ブラウン管モニターのゆがみも再現


松田D:基本的には私の方で、あれをやりたいこれをやりたいと考えましたが、もちろん、開発メンバーからも積極的に声をあげてもらい良い物は即採用という感じで進めました。ちなみに今回のきめ細かな巻き戻し機能はプログラマーからのアイデアです。今回こだわったことが大枠として2つありまして、一つは純粋にプレイするときの雰囲気作り。もう一つは「ゲームを選択するとき」の雰囲気作りです。画面フィルターでいえば例えば走査線ですとか、当時のブラウン管モニターを再現するために画面を湾曲させたりとか。で、さらにより当時そのままの雰囲気を感じていただけるように、画面の外側にある“筐体”も完全に3Dモデルで作っています。だから例えばゲームをプレイしているときに、ちょっと隣のゲームをチラ見するみたいなこともできたりしますね。


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ゲーム選択画面。筐体がずらっと並ぶ様子はゲームセンターさながら


しんざき:本当にゲーセンさながらですね……!

松田D:そうですね、まさに「ゲーセンにいるような」ということを考えていました。ゲームを選ぶ部分にもこだわっていて、3Dの筐体をずらーっと並べて、今回収録されているタイトルのムービーを全部流していますので、実際にゲームセンターでゲームを選んでいるような感覚になれると思います。ゲーム筐体も1種類ではなく、例えばミニキュートとか、ステイタスとか、インプレスとか、「どの筐体で遊ぶか」というのもゲームごとに選べますので、自分だけのゲームセンターのような配置にして、ゲーム選び自体を楽しめるように作ったつもりです。

しんざき:どの筐体に座るか、というところから楽しめると。

松田D:そうですね、ぜひそこは迷っていただけたらと。

しんざき:既に「19XX」と「プロギアの嵐」と「ギガウイング」のどれから遊ぶか迷ってます……!


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当時の筐体も3Dでしっかり再現


しんざき:この手のコレクション系ゲームとしては、スピード切り替え機能があるのも珍しいですよね。遊びやすくなる部分もあれば、難しくなる部分もあると思うんですけど。

松田D:メインのターゲットはもちろん、当時アーケードで遊んでいた人たちなんですが、それだけではなく、当時遊んでいなかった人たちにも幅広く遊んでほしいという思いがあり、ゲームスピード変更や巻き戻し機能などは、そういう人たちでも遊びやすいように、と思って追加した機能です。

岡部P:ゲームスピードについては、コントローラーの好きなボタンに機能を割り振って、ワンボタンで簡単にスピードを速くしたり、遅くしたりもできます。


カプコンアーケードスタジアム インタビュー

ゲームスピード設定があるのは珍しい


松田D:ちなみに、ボタンを押している間だけ遅くする(速くする)といったこともできます。「この後すごい攻撃が来るな」っていうタイミングでスピードを遅くしたり、あるいは上級者向けに逆に速くしたりとか。よりマニアックにプレイできる仕掛けを入れてあります。

岡部P:やっぱり昔のゲームって難易度高いですからね。「久しぶりにやってみたら難しすぎて無理だった」ってなってしまうとすごく残念なので、あらためて遊ぶにあたって「ちょっとスローにすると最後までできるぞ」みたいなのはすごく重要なポイントだと捉えています。だからぜひ最後まで諦めず、当時の思いに浸りながら続けてもらえるといいかなーと。

しんざき:私「大魔界村」で挫折した組です……。

岡部P:行けますよ最後まで!

しんざき:今のお話を聞いて「大魔界村」と「ストライダー飛竜」はやりこもうと決めました!

岡部P:ストライダーは難しいよなー。

松田D:あれは落ちますよね。

しんざき:100回落ちます。


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ミスしてもすぐに手前まで戻すことができるリワインド(巻き戻し)機能


しんざき:細かい話ですが、ボタン設定とかはどうでしょう? 「19XX」でいうと、ショットボタンに溜めがあるんで、連射ボタンと溜め用のボタンをそれぞれ使いたい、みたいなことがあるんですが。

松田D:基本的にどのタイトルも、通常のボタン(ジャンプや攻撃など)に加えて連射ボタンなんかも標準で割り振ってあります。さらにゲームごとに細かいセッティングもできるようになっているので、ボタンが足りないということはないんじゃないかと思います。

しんざき:同時押しボタンなんかも設定できたりします?

松田D:いくつかのタイトルでは欲しがる人もいるだろうと思ったので、ちゃんと仕込んでありますよ。

しんざき:素晴らしい……!! 当時ゲーセンで遊んでいないと思い付かない機能ですよね。

松田D:開発スタッフにも、アーケード世代の人間もいれば若い人もいますので、両方の視点からうまく意見を取り入れられたと思います。当時のゲームはこうでなくちゃ、という声もあれば、今のゲームだったらこういう機能もあるべきだよね、という声もあって、どちらから見てもかゆいところに手が届くようになったと思います。

しんざき:そういうのを交通整理するのは大変じゃなかったですか?

松田D:そこはまず自分として「こういう機能は外せない」というところを提案した上で、それに沿って開発がどこに落とし込めるかを考えていました。最終的に自分のフィルターを通するようにはしているので、散らからないようにはしているつもりですが、あとは実際リリースされたらユーザーの意見もぜひ聞いてみたいですね。


「これは遊んでほしい」というタイトル

しんざき:個人的に思い入れがあるタイトルとか、特にこれは遊んでほしい、みたいなタイトルってありますか?

松田D:開発側からの視点でいうと「フォゴットンワールド」ですね。ローリングスイッチ(※つまんで回すタイプのボタン)をどう再現するのか気にされている声もありましたが、基本的にはスティックをぐるぐる回す設定になっています。ただ、サテライトが回転するスピードなんかも細かく設定できるようになっていたり。

しんざき:すごいこだわりですね………!

松田D:当時の人からしたら「ああ、俺のフォゴットンワールドはこうでなきゃ……!」みたいな感覚ってあると思うんですよね。なるべくいろんな人の思いに答えたいと思って作っているので、そういうところもキチっとしているんだというのを感じていただけたらと思います。


カプコンアーケードスタジアム インタビュー

松田Dおすすめの「フォゴットンワールド」。ローリングスイッチでサテライトの攻撃方向を変えられるのが特徴


野添P:僕は今回初めてプレイするタイトルが結構多くて、本当に全く知らないタイトルもあったりしました。はじめは有名な「魔界村」からプレイして、最終的には32本全部遊んだんですが、特によく遊んだのは「ひげ丸」ですね。設定がシンプルで、しかも巻き戻し機能があるので全然面倒くさくなくて、なぜか箸休め的に遊びたくなるんですよ。個人的にずっと遊んでいられるゲームでした。

しんざき:すごい遊びやすいですよね、「ひげ丸」。

野添P:「箸休めで『ひげ丸』」を僕は推していきます。デザインもすごくかわいくて好きです。


カプコンアーケードスタジアム インタビュー

野添Pおすすめの「ひげ丸」。ファミコン用ゲーム「魔界島」の元になった作品


岡部P:私はもうど真ん中世代なんですけど、特に思い入れがあるタイトルが2つあって。「戦場の狼」「ファイナルファイト」。自分が若いころに遊んだゲームですが、久しぶりに遊ぶと新たな発見がある。こんなに難しかったのか、エンディングはこんなだったのかとか。あと「戦場の狼」は早送りを使うと倍楽しくなる。

しんざき:え!? すごい難しくなりません?


カプコンアーケードスタジアム インタビュー

岡部Pのおすすめ「戦場の狼」


岡部P:いや、逆にすごくやりやすくなったんですよ。通常のスピードで遊ぶと横からバイクとか来ますよね。

しんざき:来ますね。

岡部P:あれ、通常スピードだと逃げにくいんですけど、倍速でやるとなぜかうまくすり抜けられるんですよ。

しんざき:えーーーそうなんだ。

岡部P:速かったら難しくなるとも限らないのが面白いなーと。まあちょっと人と感覚違うのかもしれないですけど(笑)。

しんざき:いや、すっごい興味深いです。速かったらもっと面白くなるタイトル、他にもあるかもしれないですね。

岡部P:攻略の仕方でいうと、「ストII」なんかはスピードゆっくりにして、コマンド入力受付を長くして昇龍拳の練習する、なんてこともできますね。


まずは無料分だけでもぜひダウンロードを!

しんざき:ところでキービジュアルですが、カプコンのゲームキャラがみんなが集まってごちゃごちゃ遊んでいる感じですごいキャッチーですよね。


カプコンアーケードスタジアム インタビュー

見ているだけでも楽しいキービジュアル


松田D:イラストについては、アーケード世代に刺さるようなグラフィックにするか、若い世代に刺さるようなグラフィックにするか両面から検討していました。実はゲームのキャラクターを一切出さずに、オリジナルキャラで行こうという案もあったのですが、最終的にはゲーム内のキャラを出しつつ、ゲーム内のデザインには頼りすぎず、“今”のデザインに落としこもうという方向になりました。

岡部P:プロデューサーとしては、タイトルを見れば昔からのファンは手に取ってくれるだろうという自信はあったので、あとはもっとたくさんの方に楽しんでいただけるか考えました。幅広くいろんな方々に、パッケージを最初に見たとき少しでも興味を持ってもらえるようなかわいらしいものにしました。で、なおかつ、ファンの人が見ても「いいよね」って思ってもらえるようなものが一番いいのではと。

しんざき:めちゃくちゃ楽しそうですよね! しかも小ネタがいろんなところに。ちっちゃいスーパー8(サイバーボッツ)がいたりとか、レッドアリーマー(魔界村)がピザ持っていたりとか。ちなみにイラストを描いているのは社内の方ですか?

松田D:社内の人間です。あまり分かりやすくクレジットとかで名前が出ている方ではないですが、すごく有能な人ですね。

しんざき:時間も残り少なくなってきましたので、最後に、みなさんから一言ずつお願いします!

松田D:今回、一応「アーケードゲーム」という形にはなっていますが、当時遊んだ人だけでなく、一切アーケードに触ってこなかった人たちでも楽しく遊べるようなゲームデザインになっていますので、まずはぜひ無料版をダウンロードして遊んでみてほしいと思います。

野添P:僕からも同じです。当時遊んでいなかった人にも届けたいということで、手に取りやすい無料版として「1943」を入れています。「1943」にしても、例えば画面を横にして横スクロールで遊んでみるとか、いろいろこねくり回して好きな遊び方を見つけていただけたらと思います。

岡部P:これまでのアーケードのコンピレーションタイトルにはないいろいろなオプションで、画面設定、操作、難易度設定など新たな楽しみ方と再発見のあるタイトルに仕上がっていると思いますので、まずは無料部分だけでもダウンロードしていただいていろいろ試しながら楽しんでいただきたいと思います。


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