ドラえもん公式サイトで名作SF短編「カンビュセスの籤（くじ）」無料公開 美しく切ない「精霊よびだしうでわ」も（1/2 ページ）

じわじわと押し寄せる絶望感がたまらない傑作。

[沓澤真二，ねとらぼ]

　ドラえもん公式サイト「ドラえもんチャンネル」にて、「精霊よびだしうでわ」（てんとう虫コミックス『ドラえもん』21巻より）、「貧しくも誇り高く」（てんとう虫コミックス『チンプイ』4巻より）、「カンビュセスの籤（くじ）」（藤子・F・不二雄SF短編集Perfect版4巻より）の3編が、3月5日から3月9日10時まで無料公開されています。これまたハードに心を打つセレクション！

(C)藤子プロ・小学館

　「精霊よびだしうでわ」は、ひみつ道具で召喚された雪の精と、のび太の交流を描く短編。美しくも切ないラストが泣ける名作です。2021年3月6日17時のテレビアニメでは、この回を原作としたエピソードが放送されます。

　「カンビュセスの籤」も、SF短編屈指の名作と名高い一編。紀元前500年代、アケメネス朝ペルシアの遠征軍からはぐれた兵士「サルク」が、科学技術の粋が集まった施設へ迷い込みます。キューブ状の食品で彼をもてなす謎の女の正体は……？　奇妙な状況の詳細が少しずつ分かるにつれて、絶望感がじわじわとにじり寄る構成が恐ろしい。

　ネットでは「精霊よびだしうでわで温かい気持ちになり、カンビュセスの籤で絶望する見事なチョイス……！」と好評。「カンビュセスの籤」の衝撃的なラストを「やべーのが1つ交じってる」「名作ではあることは確かだけど、心が弱っているときは避けたほうがいいかも」などと評する声も多く見られます。