桜玉吉『伊豆漫玉エレジー』が本日発売、還暦を迎えた玉吉先生と担当のプチ対談をお届け 「お元気ですか?」「元気じゃないよ(笑)」(1/2 ページ)

いつかインタビューもさせてください……。

» 2021年04月12日 07時30分 公開
[池谷勇人ねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 桜玉吉の最新刊『伊豆漫玉エレジー』(ビームコミックス)が、本日4月12日に発売されました。実は『しあわせのかたち』時代からの桜玉吉ファンである筆者(ねとらぼ副編集長)は、新刊が発売されるたびに「玉吉先生にインタビューしたい」とコミックビーム編集部に頼み込んでいたのですが、今回ついにちょっとだけ念願がかない、玉吉先生と現担当・高橋さんによるプチ対談をお届けできることになりました。直接インタビューについてはまた次のチャンスに……。


伊豆漫画玉エレジー 『伊豆漫玉エレジー』(ビームコミックス)

 2017年の『伊豆漫玉日記』から始まった『伊豆漫玉』シリーズも今回で3冊目。三鷹の漫画喫茶暮らしから一転、伊豆の一軒家へと居を移した玉吉先生の、悲哀に満ちた日常が今回も描かれます。併せて、『週刊ファミ通』掲載の4コマ漫画「読もう!コミックビーム」もまとめて収録。掲載エピソードは2018年夏〜2020年冬ごろまでのもので、後半では新型コロナウイルスや緊急事態宣言の話題も出てきます……が、なんせ伊豆の山奥暮らしなので、影響はあるようなないような……。

 プチ対談では恐らくファン全員気になっているであろう「元気ですか?」といった質問に始まり、還暦を迎えた感想や、「読もう!コミックビーム」が始まったときのこと、もうすぐ定年を迎えるO村元編集総長へのメッセージなどの話題も。併せて『伊豆漫玉エレジー』の一部試し読みも掲載していますので、ぜひ紙と電子版両方買って玉吉先生に印税を送りましょう。




伊豆漫画玉エレジー 2018年のクリスマスの惨劇を描いた「参クリスマス」より

伊豆漫画玉エレジー ねとらぼ用にイラスト&コメントもいただきました!

「なしくずしのまま生きてきているので、このままなしくずしのまま死んでいく」


高橋

2年ぶりのビームコミックスの新刊、お疲れさまでした! まずはファンのみなさん気になっていると思いますが、お元気ですか?


玉吉

元気じゃないよ(笑)。とにかく腰が痛くて、何かの拍子ですぐ腰が痛くなるの。車でバックするときにひょいっと後ろ向いたらそれでおしまい。年寄りは自分の身体を信用しちゃダメだね。


玉吉

この辺(伊豆)も年寄りだらけだから運転は特に気を付けてるよ。一本道だとみんな必ず真ん中走ってるからね。すれ違うときにどうよけるのかなと思いながらそーっと近づいても全然どかないの。それで1回完全に事故っちゃったし、数センチでセーフだったときもあったね。



伊豆漫画玉エレジー 56ページ「まただ!」より


高橋

ご病気じゃなくて物理的な命の危険の方が多いんですね(笑)。そういえば先週免許の更新で東京にお越しになったようですが、久しぶりの東京はいかがでしたか?


玉吉

免許更新のハガキをなくしちゃって、ダメ元で免許センターに行ったんだけど、まだ営業時間内のはずなのに「ハガキがないならもっと早くこなきゃダメ」って追い返されちゃった。で、久しぶりに漫画喫茶に泊まったよ。


高橋

しばらく生活されていた漫画喫茶ですか!?


玉吉

そうそう。昔の顔なじみにも会えたけど、漫画喫茶にはいろんな人生ドラマがあるのよ。ここで話せないハードなドラマを聞いちゃったよ。


高橋

(こっそり聞いたところ)ガチでハードな話じゃないですか! そ、そっと胸の内にしまっておきます……。


高橋

さて、今年ついに還暦を迎えられましたが、お身体に変化はありましたか?


玉吉

巻き爪! 50代後半くらいから、爪という爪のサイドが巻くようになって、食い込んで痛いのよ。どうも母親からの遺伝っぽいけど。


高橋

そりゃまた変化球ですね(笑)。年齢の変化といえば、今回公式Twitterで先生のお誕生日について投稿した際に、30年来のファンの方から「ついに僕もちん毛が白くなりました」とコメントをいただきました。私も記憶に強く残っているエピソードです。


玉吉

確かにあまり世の中に「年取るとちん毛が白くなる」って伝えてる人はいないか(笑)。日記漫画を描き続けていると、そういうことも伝えられると思うと意義があるね。


高橋

そもそも「読もう!コミックビーム」がこんな長く続くと思っていましたか?


玉吉

思ってるわけないじゃん(笑)。ファミ通自体どこまで続くのかなって心配だったのが今でも続いているけど、そこから派生しているコミックビームなんて長く続くと思うわけないよね。「読もう!コミックビーム」はもともと何かの原稿をアップしたついでにぱぱっと広告漫画を描いただけで、厳正に発注された記憶すらないよ(笑)。


高橋

なしくずしだったんですね。


玉吉

人生全て、なしくずしだよ。なしくずしのまま生きてきているので、このままなしくずしのまま死んでいくんでしょう。


高橋

やめてくださいよ! 原稿とりに伺ったらムカデにたかられた腐乱死体発見しちゃうなんて、僕、嫌ですよ?


玉吉

だってそれが本望だし、きっとそうなるよ。積極的に人生を選択するのではなく川の流れのように生きてるからね。


高橋

僕がそんな目に遭いたくないので長生きしてください。そして今回編集担当がO村元編集総長から僕にバトンタッチしましたけど、やりづらい点はありましたか?


玉吉

そりゃプリウスでしょう。本当にまったく音もなくやってくるんだもの。O村さんの時は車が近づいてくるとエンジン音で気づいて心の準備ができるのに、予告なしに突然ピンポンから始まるから本当に心臓に悪い。プリウスで来るのやめてくんない?



伊豆漫画玉エレジー 99ページ「山はとても」より


高橋

そんなわけにはいかないですよ! タクシーで来て玉吉さんが不在だったら、そのまま山奥で遭難じゃないですか! ちなみに予告はメールで散々しています!


玉吉

そっか、メール見ろって話だね(笑)。


高橋

仰る通りです。ちなみにそんなO村さんへ贈る言葉はありますか?


玉吉

くれぐれも車の事故だけには気を付けて〜。免許取ったのも遅いし、取ってからの事故数も異様に多いでしょ? 結構安全そうに運転してるのに、なんか変なんだよタイミングとか。周りの空気に合わせることがもともとできていない人だから、人生的にも。


玉吉

職場内は事故っても少し恨まれるだけで済むけど、車社会で空気読まないと死ぬからね。そういう星のもとに生まれた人なんだろうけど。長生きしてください。


高橋

ありがとうございます(笑)。それでは最後に読者のみなさんへ一言お願いします。


玉吉

長生きしてください(笑)。若い読者がいないので、一蓮托生で長生きして本買ってください。



伊豆漫画玉エレジー 67ページ「伊豆に」より


伊豆漫玉エレジー(Kindle版)


伊豆漫玉エレジー(コミック)



(C)TAMAKICHI SAKURA 2021



       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2408/31/news036.jpg 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほどの変貌が379万表示「そこだけボッ!ってw」 半年後の現在について聞いた
  2. /nl/articles/2408/30/news121.jpg 「地獄絵図」「えぐすぎやろ……」 静岡・焼津市の地下歩道が冠水 “信じられない光景”にネットあぜん
  3. /nl/articles/2408/31/news073.jpg 「よくこんなものが……」 米不足でメルカリに米出品→疑問の声も 運営は“禁止出品物”に「然るべき対応」
  4. /nl/articles/2408/31/news025.jpg 次男に塩対応の柴犬、いよいよ次男の帰省最終日を迎え…… 本音が出た瞬間に「不意に泣かせるのやめて欲しい」と感動の声
  5. /nl/articles/2408/30/news017.jpg 最上位グレードのハイエースを“50万円の底値”で購入したら…… 驚きの実物に「ある意味最強」「正直、羨ましい」
  6. /nl/articles/2408/30/news188.jpg 実写「着せ恋」、キャストに物議 海夢の再現度が高すぎるタレントを推す声あがる 「逆になんであかせあかりさん以外の人……」
  7. /nl/articles/2408/29/news193.jpg 「なんで欲しいと思ったんですか?」 酔った勢いで購入 → 後日届いた“まさかの商品”に反響 「理性あったら買わないw」
  8. /nl/articles/2408/28/news142.jpg 明石家さんま、69歳バースデー迎え長男から幸せ呼ぶ“輝かしいプレゼント” 同席した元妻・大竹しのぶは「最高の笑顔でした」
  9. /nl/articles/2408/31/news084.jpg 仕事早いな! 大谷翔平の愛犬“デコピン”、大反響の始球式がさっそくTシャツ化 「こ、これは……」「欲しい!」と爆売れの予感
  10. /nl/articles/2408/30/news113.jpg 「これ600円なの?」 大谷翔平が長く愛用しているデコピンの“おやつ入れ”、始球式で注目「おそろだった」「真美子さんが選んだのかな」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  2. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  3. 「苦手な芸能人は誰?」 あのちゃん、女性芸能人を“実名で即答” 「ここ最近で一番笑った」「強すぎる」
  4. ホテルでチェックアウト、忘れ物で多いのは? ホテル従業員が教える「圧倒的に多い忘れ物」
  5. 乳がん闘病中の梅宮アンナ、抗がん剤治療で「髪の毛ほとんどなくなっています」 帽子かぶり「ああ、来たか」
  6. 「キティちゃんのお面だと思ったら……」 ひっくり返すと“まさかの正体”に11万いいね
  7. 「凄すぎる…」「ガチで滝」 “市ケ谷駅の冠水”が衝撃与える 階段に大量の水が流れる様子も…… 東京メトロに経緯を取材
  8. 「早すぎます」「一体なにが」 52歳ボディービルダー、訃報1週間前に最期の投稿で“人生初の試み” 恋人は「亡くなる数時間前まで普通にお出かけも」
  9. お盆で帰省した次男に、柴犬も猫もまさかの反応→どちらも豹変して爆笑 「涙出てきました」「おもろ可愛過ぎ(笑)」
  10. 着陸する戦闘機を撮ったはずが…… タイミングが絶妙すぎる1枚に「一部の専門家には貴重な一枚」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」