鉄道の駅には、実は「4つのタイプ」がある 直営駅と無人駅、業務委託駅と簡易委託駅の違いのお話
無人駅の雰囲気が大好きな人〜。
皆さんが普段当り前のように利用している鉄道の「駅」には、実は「4つのタイプ」があります。
そのタイプとは、
- 直営駅
- 業務委託駅
- 簡易委託駅
- 無人駅
です。
一般的で、最も分かりやすいのは「直営駅」でしょう。
直営駅はその駅を管理する鉄道事業者に属する社員が配置されている駅のことです。JR渋谷駅にはJR東日本直属の社員がいるという感じです。直営駅は都市部やターミナル駅に多いです。
対してちょっとややこしいのが「業務委託駅」です。業務委託駅はきっぷの販売や改札業務などの利用客に関わる仕事を鉄道事業者以外の会社に委託している駅のことを指します。
別の会社といっても、JRや大手私鉄ではグループ会社への委託が一般的です。例えばJR西日本ではJR西日本交通サービスやJR西日本メンテックなどに委託しています。これらのグループ会社はJR社員の再就職の受け皿という側面もあります。
また、駅構内の全部もしくは一部を複数の鉄道会社でシェアする共同使用駅の多くも業務委託駅に属します。例えば大阪メトロと阪急の共同使用駅である「天神橋筋六丁目駅」では大阪メトロが駅の仕事を担っています。阪急側から見ると天神橋筋六丁目駅は業務委託駅になります。
同じ「委託」ですが、「簡易委託駅」は業務委託駅とまったく性格が異なります。
簡易委託駅では、近距離切符の販売といった限定的な仕事を「駅構内の食堂」や「駅前のお店」が担います。最近では「地方自治体や農協」といった団体に委託するケースも多く見られます。
簡易委託駅はその性格上、ほっこりユニークな特徴を持つ駅も多いです。例えば島根県のJR木次線亀嵩駅は駅舎がおそば屋さんで、その店のご主人がきっぷを販売しています。
最後は「無人駅」です。これは文字通り、鉄道会社の駅員はおらず、誰かに委託しているわけでもなく、係員も誰もいない駅です。無人駅が多い路線では車内精算が多いですが、昨今は駅構内に交通系ICカードリーダーが設置されている場合もあります。
無人駅と聞くと地方のローカル線を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし経費削減や合理化(関連記事)に伴い、現在では東京都や大阪府であっても約1割の駅が無人駅となっています。今後、都市部でも駅の無人化は増えることでしょう。
あなたが普段利用している駅はどのタイプでしょうか? タイプを知ると駅への愛着や「旅で訪れたくなる/行ってみたくなる度」も大きく変わるかもしれませんね。
新田浩之(にったひろし)
1987年神戸市生まれ。関西大学文学部卒、神戸大学大学院国際文化学研究科修了。主に鉄道と中欧、東欧、ロシアの旅行に関する記事を執筆。2018年からチェコ政府観光局公認の「チェコ親善アンバサダー2018」を務める
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