人間を食ったらオレは…… 「意識を残したままゾンビになった男」の漫画 彼だけがそうなった理由とは?(1/5 ページ)

生前の記憶から特殊な行動を取る、いわば「奇行種」は複数いるようです。

» 2021年07月25日 21時00分 公開
[たけしな竜美ねとらぼ]
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 ゾンビモノのお約束として「ゾンビは感染症のようなもので、人間はかまれると感染しゾンビ化する。人間はゾンビになると死亡し、生前の記憶と理性を失い、食欲から人を襲い食い殺す」というものがあります。

 今回ご紹介する作品は、そのお約束をいくつか破っているゾンビ漫画なのですが……それが作品の面白さを際立たせています。作者は漫画家の鶴川かきお(@kakio_tsurukawa)さんです。

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サワナベ・ゾンビ ゾンビになっても意識が残った人の話 漫画

 突如現れたゾンビによって、文明社会が崩壊した日本。主人公のサワナベは、そのような世界において半年以上、なんとか生き延びていたのですが……とうとうゾンビにかまれてしまったのです。

サワナベ・ゾンビ ゾンビになっても意識が残った人の話 漫画
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サワナベ・ゾンビ ゾンビになっても意識が残った人の話 漫画

 人間としての生を終え、ゾンビとして蘇ったサワナベでしたが……どうにも具合が悪いようです。肉体は完全にゾンビ化しているのですが、人間としての意識が残っており、記憶も思考能力もそのまま。なのに人間の言葉がしゃべれない……という、実に奇妙な存在となっていました。

 何はともあれ、今のサワナベはゾンビです。腹の底から来る欲望……人間の肉が食べたいという耐え難い食欲にかられ、隠れ住んでいたアパートの外へと飛び出していきました。

サワナベ・ゾンビ ゾンビになっても意識が残った人の話 漫画
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 しばらく外をうろついたところ、サワナベは遠くに獲物を見つけました。ですが死後硬直のせいか、サワナベはのろのろとしか動けません。

 凄惨(せいさん)な争奪戦に追いつき、なんとか肉片を奪い取ったサワナベでしたが……手にしたそれ(おそらく男性器……)を見て「人間としての尊厳が」とためらいます。ですが直後に「俺はもう人間ではない」と思い直し、人肉を喰らうという行為をあっさり受け入れるのでした。

 そしてサワナベは思います。人肉をもっと食べたいが、この辺りに人間はいなさそう、ゾンビといえば人が集まるあそこへ行くべきだと。サワナベはショッピングモールを目指します。

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 さまざまに思いを巡らせつつ、ショッピングモールを目指し進むサワナベ。日もすっかり暮れたころ、道中にて昼間に食べそこねた女性を見つけるのですが、なぜか食欲が湧かず……。彼女は「感染」していました。

 二人組の男にだまされて、囮として放り出され……死ぬ前に仕返しがしたかった、と嘆く女性。それを聞いたサワナベは彼女を抱き上げ、男たちも向かったであろうショッピングモールへと、再び歩みを進めるのでした。

 ところでゾンビになったサワナベは、世界が壊れる直前の出来事……ミオという後輩の女の子のことを幾度となく思い出しています。その中でサワナベは「飲み会なんて行かなきゃよかった」「あのときに帰らせりゃよかった」とつぶいており、何やら後悔の念を抱いているのですが……。

 サワナベはなぜ「人間の意識を保ったゾンビ」になったのか。幾度となく思い出していた女の子、ミオに一体何が起きたのか。女性と向かったショッピングモールで、サワナベは何をしようというのか……。気になる物語と結末は、作品を読み進めてお確かめください。なお、この漫画は英語版も公開されています。

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ゾンビが出現してから半年、一人きりで生き延びていた大学生のサワナベもゾンビに襲われ感染してしまう。過去の記憶が走馬灯の様に蘇り、ゾンビとして目覚めるはずのサワナベだったが…。
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GANMA! の大人気作の単行本化。人の心をもあったゾンビと人間の共存を描く。なぜ、ゾンビは生まれたのか? そして、主人公たちの運命は…。すべての謎が解き明かされる最終巻がついに発刊。
作品提供:鶴川かきお(@kakio_tsurukawa)さん
記事:たけしな竜美(@t23_tksn
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