どうしても部活をサボりたい 「先輩、校舎の窓から落ちました!」(苦しそうな声)とウソをついた“その後”(1/2 ページ)
そうなるのか。
「学校は机に座って勉強するだけの場所ではない」とよく言われますが、それゆえにさまざまな事故やトラブルも起こりうるもの。ねとらぼ読者からそんな体験談を伺う本企画、今回は番外編で「校舎の窓から落ちた(フリをした)」ときのお話を伺いました。
「2、3階から落ちたように見せ掛ければ、部活を休めるんじゃないか?」
中学生時代、通っていた学校では部活が強制されていたのですが、私は部活がイヤで「どうにかこうにかサボれないものか」という思いが脳内に渦巻いていました。
それで、窓から落ちたように見せ掛けたことがあります。
―― 普通にサボるのではダメだったんですか? 「今日ダルいから仮病でも使うかあ」とか。
普通にサボっても、休めるのはせいぜい今日だけ。翌日にはまた行かなけばなりませんから。
―― あ、もう、そういうレベルでイヤだったんですね。
所属していた部活では「役割事に各教室に集められ、そこで何時間も同じ仲間と自主練する」というのがあったのですが、冬のある日、私はまともに練習せず廊下をブラブラ散歩していると、あるアイデアが脳裏に浮かびました。
それは「窓の外の雪に跡をつけて、2、3階から落ちたように見せ掛ければ、部活を休めるんじゃないか?」というもの。私は当時、関東地方に住んでいたのですが、このころちょうど雪が大量に降って積もっていたのです。若さからくる猛烈な無敵感などもあって、私はウキウキして、すぐさまその計画を実行しようと思いました。
まずは「窓から落ちた理由」を作らなければ――― そう思った私は「部活に必要な紙を手に持って窓を眺めていたら、風が吹いて紙が飛ばされそうになった→紙を取り戻そうと窓から身を乗り出したら、落ちてしまった」というシチュエーションを考えました(今思うとメチャクチャバカですが当時は本気でした)。
それから、雪に“落下の跡”をつける方法。最初は「本当に飛び込もうか」とも思いましたが、いくら積もっていようとも雪は雪。2、3階の高さから落ちようものなら最悪死にますよね。
―― 困りましたね、部活より人生の方が大事ですし。
では、どうしようか、と。「3階の窓を開けっぱなしにした状態で1階まで降りる→1階の窓から外に出て、雪に“人間が落下した跡”を付ければいい」と思い、その通りに実行。「先輩、落ちました!」(痛そうな演技)と報告したら、他の部員まで“落下跡”を見ようとワラワラ集まってきて……。
―― うまくいったんですか?
ハッキリ言って、大成功でした。「自分には演技の才能があるのではないか?」と思って、高校では演劇部に入ったくらいです(半年でやめました)。
さて、体を心配された私は先生のところまで連れていかれ、親も学校に来て、そのまま病院に連れていかれたのですが、ここで一抹の不安がよぎりました。
「病院の検査で何も出なかったら、ウソがバレるんじゃないか?」と。
―― 医療の目まではごまかせなさそうですが……どうなりました?
たまたまヘルニアがあることが分かって、しばらく部活をサボることに成功しました。
親もなんか納得してくれましたね。今になってみると落下とヘルニアって関係ないんじゃないかという気もしますが。
後日談
そういわけで、部活のない自由気ままなスローライフを過ごすことができたのですが、1つ不思議なことが起こって。
後日、友人に「実は窓から落下したフリをして部活をサボって……」と武勇伝気取りで話していたら、その友人が「え? 俺もそのとき冬練(冬場の練習)で校内を走っていて、下の廊下からお前のこと見てたけど、普通に落ちてたよね?」とポツリ。
―― 「本当は落ちていないんだ」という話をしたのに、「いや、落ちたのを見たぞ」と返してきたわけですか。
私のドッペルゲンガーか何かが存在していたのか。それとも、友人がウソでもついていたのか。疎遠になってしまった今では、確認のしようがありません。
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