芸能界入りたった1年で「リュウソウジャー」主役の一ノ瀬颯 ヒーローが抱え続けた“コンプレックス”(1/4 ページ)
大河、月9への出演と怒涛のスピードで芸能界を突き進む一ノ瀬さん。
2021年に45周年を迎え、若手俳優の登竜門としても知られるスーパー戦隊シリーズ。そんな戦隊ものでデビューを飾ったのが、俳優の一ノ瀬颯(いちのせ はやて)さんです。
大学の入学式でスカウトされてから1年もたたずに2019年放送のスーパー戦隊シリーズ第43作目「騎士竜戦隊リュウソウジャー」(テレビ朝日系)で主役のコウ/リュウソウレッド役をオーディションで勝ち取り、その後は大河ドラマ「麒麟がくる」の足利義栄役として出演。さらに「ナイト・ドクター」で月9への出演、10月14日からは「相棒」や「科捜研の女」に並ぶテレ朝の看板ドラマ「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」第7シリーズへ研修医の蟻原涼平役として新たに参加するなど、順調すぎるスタートダッシュを切っています。
一方、スカウト前、合格した大学への入金手続きミスで進学できなくなってしまったというのは、ファンの間では有名なエピソード。「自分には勉強しかなかった」――芸能界入りしてからたった1年でヒーローと呼ばれた一ノ瀬さんの遠回りな人生、抱え続けたコンプレックスとは。
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スカウトからたった1年でヒーローに
一ノ瀬さんがデビューを飾った「騎士竜戦隊リュウソウジャー」は、凶悪な敵・ドルイドンから地球を守るために戦うリュウソウジャーの姿を描いた作品。オーディション当初、一ノ瀬さんはヒーローへの憧れを抱きつつも「受かるわけない」と演技経験のない自分に期待していなかったとのこと。
「戦隊が決まったときは、子どもの頃から見ていた作品ですしすごくうれしかったです。オーディションを受けるときは『経験経験!』と思って受けたのですが、合格を告げられたときは鼻水涙手汗が止まらなかった。すぐには実感は湧きませんでしたが、イベントのトークショーで初めて視聴者さんや子どもたちを目の前にして、皆さんの顔を見たとき、自分がやっていることを実感しました。現場での立ち振る舞いや演技の根幹の部分など、全ての土台を作ってくれた作品ですし、ずっと自分の宝物だと思っています」
しかし、経験ゼロの状態で挑んだ演技はだいぶ苦戦したようで、当時の印象深いエピソードについてこう語ります。
「師匠と別れのシーンを撮影しているとき、監督から『違う! もう一回』『違う! もう一回』と言われ続け、40テイクも撮り直したことがあります。自分でも何が違うのか全然分からない状態で、いろんな人に迷惑をかけているので申し訳ない気持ちから泣きそうになりながら最後のテイクで『それだよ やればできるじゃん』と言っていただけたことは今の自分を支える成功体験になっていると思います。これから先そこまで時間をかけてもらえる機会もなかなかないでしょうし、すごくいい経験させてもらえました。現在の演技に対する向き合い方であったり、役を大事にするというところにつながっています」
もともと俳優業には興味があり、在学中の期間限定で挑戦してみようかと憧れを抱いていた一ノ瀬さん。実際に俳優としてデビューし、今後も俳優業を続けるかどうかを悩んだ際、「リュウソウジャー」への出演が大きく背中を押しました。
「在学中、この仕事をどこまで続けるか、これからどうなるのか考えたときに、自分が小さいときに見ていた戦隊ものに今度は自分が見られる側になるんだという使命感や責任感を肌で感じて、これから頑張っていけるかもしれない、と考えるきっかけになりました。(俳優業は)在学中ならと言っていた両親が今も応援してくれているというのは、最初に戦隊という大きい作品に出演させていただいたということも後ろ盾になっていると思います」
芸能界入りからたった1年で若手俳優の登竜門とも言われる戦隊ものでデビューし、その経験を成長の糧に、大河から月9にも出演。一ノ瀬さんの純粋な演技力が評価され、次々と話題作への出演が決定する好調な滑り出しを見せています。しかし、それまでの人生は“遠回り”だったといいます。
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