子どもが熱を出したママのシフト変更を断った独身時代…… 親になって気付いた“ワーママの休みづらさ”を描いた漫画に反響(1/2 ページ)
自分が同じ立場になったからこそわかったこと。
自分が子どもを産み育てるまではわからなかった「ワーママが突然仕事を休むこと」の難しさを描いた漫画がTwitterで話題になっています。
漫画を描いたちくまサラ(@chikumababy)さんは、2児を育てるお母さん。ちくまさんが「ずっと描きたいと思っていたことを描きます」というコメントを添えて投稿した漫画には、独身時代には理解できなかった「子どもを育てる大変さ」と「誰もが働きやすい社会」についての思いがつづられています。
話はちくまさんがまだ独身で、フリーターだったころにさかのぼります。その日は久しぶりに仕事がお休みだったちくまさん。目覚ましをかけずにぐっすり眠っていたところを、着信を知らせる携帯のバイブレーションに起こされてしまいました。
電話をかけてきたのは、同僚でワーママのノダさん。どうやらノダさんの子どもが急に発熱してしまったそうで、ちくまさんへ「シフトを変わってもらえませんか?」というお願いの電話でした。しかしその月は既に2度ノダさんの代わりに出勤をしていたちくまさんは、「気の毒だけどたまには休みたい」という気持ちが勝り、予定があるとうそをついて依頼を断ってしまいました。
ちくまさんの当時の職場では、「やむを得ない理由で突然仕事を休みたくなった時には代わりに出勤する人を自分で見つけなければいけない」というルールがありました。
職場は常にギリギリの人数で回しているため、1人休むだけでもパニックになってしまうような状態。また、社員を含め働く人々は独身の若い人ばかりで、子どもを持つ女性への理解が圧倒的に足りておらず「子どものことで休むのは仕方ないけど、正直迷惑だよね」という空気が広がっていました。
結局その後、ノダさんは退職。当時のちくまさんは「うちの職場は子持ちの人には合わないよな……」とノダさんを気の毒に思いながらも、シフトを乱されることがなくなりホッとする気持ちもどこかにあったといいます。
しかし、自身が2児を育てるようになったちくまさんは、子どもが本当に前触れもなく発熱することや、「シフトの交換」が子どもや保育園の状態などでとても難しいということを知りました。そして、子どもを理由に仕事を休むことを誰よりも絶望し、申し訳なく思っていたノダさんのつらさが身に染みてわかるように……。漫画の中で、ノダさんはじめ全世界のワーママに向けて「本当にすみませんでしたーー!!」「私のたまには休みたいなんて完全に甘ったれでした」「母親は365日家事育児で休みなんてものはありませんでした」と叫ぶのでした。
そしてちくまさんは、シフトを乱された恨みをノダさんに向けるのではなく、ギリギリでシフトを回している職場に向けるべきだったことに気付いたのです。
本来であれば、シフトの代わりを探すのも、誰かが突然休んでも大丈夫なように余裕のある人数で回すのも、職場を管理する側の仕事のひとつであるはず。ちくまさんは「急に休んだ人の代わりに出勤する人には次のシフトに休みを入れるなど配慮をして、子育て中のママだけでなく、体調が悪い人や働きすぎな人も罪悪感なく休めるような環境を作ってほしい」と訴えるのでした。
この漫画を読んだ人からは「ほんとに…子持ちのためにも独身者のためにも、ギリギリで働く日本が変わらなければ…」「この漫画を日本中に配って回りたいです。 子供いない時ってわからないですよね」「この先、日本人、一人一人の意識や考え方が変わって行くべきだと思います」と、働きやすく休みやすい社会を望む声が寄せられています。
子育てママの大変さだけでなく、自分が同じ立場になって初めてわかるということはきっとたくさんあるはず。誰もが心に余裕を持って、違う立場の人の気持ちに寄り添い、助けあいながら働ける社会になれたらすてきですね。
ちくまさんはこの他にも、育児エッセイ漫画をTwitterやブログ「千曲がり奮闘記」やInstagram(@chikuma_sara)に投稿しています。
画像提供:ちくまサラさん(@chikumababy)
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