ここで言えない何かがある劇場版『攻殻機動隊 SAC_2045』 田中敦子、大塚明夫、山寺宏一のオリジナルキャスト3人に聞く本音(2/3 ページ)
オリジナルキャストが明かす劇場版のポイント
―― 劇場版でのポイントを。過去の『S.A.C.』シリーズでも主軸のエピソードを再構成していましたが、基本的にはそれと同じ形のようですね。追加のシーンはシーズン2につながるものといったところなのかなと予想しました。
田中 ポスト・ヒューマン関連のエピソードを編集し1つの作品として見やすく作っていただいているのは神山監督が今までも取り組まれてきた手法ですね。おっしゃるとおり今回の劇場版はシーズン2への橋渡しにもなっています。それを劇場の大きなスクリーンで観られるのは私たちにとっても魅力的で、楽しみな作品です。Netflixさんで配信されたものとは別の作品、別の視点で楽しんでいただければと。
大塚 シーズン1の配信を観てくださった方も、劇場版を観ておくとおさらいできるし、観ていなかった方も、12話観るのが大変だという方もこれを観ておけば、シーズン2に入りやすいんじゃないかなと。シーズン2の導入部みたいなところもちらほらと出ているので、期待をどんどんくすぐってくれるんじゃないかなと。観た方がいいです。
山寺 全く同じですね。あれだけのクオリティーですから、大画面/大音響で観るのは素晴らしい体験になるんじゃないかと。Netflixさんは全話同時に配信されてぜいたくですが、視聴環境はそれぞれ異なります。劇場で観るのとはまた違うと思います。
明夫さんがおっしゃったように、劇場版はより分かりやすい縦軸になっていて、ポスト・ヒューマンが一体何なのかがすっと入ってくると思います。シーズン作品とは別な魅力と、しかも今回は藤井道人監督が編集なさって新たな切り口になっているので、そこも見どころです。ぜひ劇場で。
―― シーズン2に期待してほしいところを教えてください。
田中 シーズン1の最後は、トグサが消えてしまうところでぷつりと終わっていて……。
―― トグサの姿がバトーには見えず、タチコマは見えているように振る舞うのに、引き止めるそぶりも見せず明るく送り出すシーンで幕引きとなる奇妙な終わり方でした。
田中 あそこから物語がどのように帰結していくのか。シーズン2はトグサくん大活躍となっていると思いますので、楽しみにしていただきたいです。
山寺 シーズン2に関しては、あんなモヤモヤな感じで特にトグサどうなっちゃったのと思うでしょうけれど、そう思ってる方はとにかくシーズン2に期待していただきたいし、そんな方にこそ劇場版を見てほしい。ここで言えない何かがあるので。
シマムラタカシを演じる林原めぐみのすごみ
―― ここからは、今作での新キャラについて。まず津田健次郎さんが演じたスタンダード。シーズン1の中盤で離脱しますが、また戻ってきてもおかしくない描かれ方でした。スタンの出番はシーズン2でもあるのでしょうか?
大塚 この話言ってもいいのかな……? (周囲のスタッフが苦虫をかみつぶしたような表情になる)
―― なるほど。今の反応が雄弁に答えを語ってくれました。では、次にプリンです。内務省保安局所属のキャラですが、なぜか配属前からバトーのファンだったり、ポスト・ヒューマンとは人間の脳がネットにつながることから起きた人類の進化なのかと嬉々として問うなど、違和感を覚える箇所が多い描かれ方でした。シーズン2のポスターでもプリンはタカシより大きく描かれていて、極めて重要なキャラと位置づけられている印象です。この理解は当たらずとも遠からずでしょうか?
大塚 イエス……。
―― 言いにくいであろうことをギリギリのラインで表現してくださってありがとうございます。プリンはバトーとの絡みが多くなるだろうと私は予想しているので、大塚さんのお答えでいろいろ察しました。
山寺 ねとらぼさん深いんだよ(笑)。よく分かってる。
―― (山寺さんねとらぼ見てくれている……)ありがとうございます。では最後に再びシマムラタカシについてです。攻殻機動隊において、私は公安9課が相対する存在も重要と考えています。『S.A.C.』シリーズでいえば笑い男をはじめ、クゼ・ヒデオや合田一人、傀儡廻などです。
『攻殻機動隊 SAC_2045』では、ポスト・ヒューマンに覚醒した14歳の少年・シマムラタカシがその役割を果たしています。シーズン1での登場話数は多くないですが、後半の見どころになるのは彼で、林原めぐみさんが演じていらっしゃいます。
林原さんが『S.A.C.』シリーズに出演するのは初ではないものの(編注:2nd GIGにアサギ・ルリコ役で出演)、役への入り方、理解力、表現力などはさすがだと感じます。林原さんがシマムラタカシを演じられることが皆さんにどんな刺激をもたらしたか教えてください。
大塚 彼は……彼じゃないか。彼女の芝居ってすごくて、役をどうこねくりまわして作っていくかではなく、意志がそのまま音になるようなせりふを話す。第二次性徴を迎えた14歳の男の声でなかったとしても何の違和感もなく、脳で考えたことが音として言葉になっていて、シンプルにクリティカルヒットしてくる。それこそが彼女のすごみ。すごむだけが敵じゃないし、かえってすごみが増す感じがします。
田中 本当に今大塚さんがおっしゃったことそのままで、彼女は幼いころと14歳のタカシの両方を演じ分けられていらっしゃいますけど、幼いころのタカシ、14歳のタカシ、ポスト・ヒューマンとしてのタカシを、作ることなく自然に演じられているところが素晴らしいなと。私もシーズン2でタカシと会話をするシーンがありますが、本当に自然に演じられていましたね。
―― タカシの前に登場したポスト・ヒューマンは、「既存の社会構造の転倒」をそれぞれのレイドで達成しようとします。劇中、究極の民主主義とされる“シンクポル”というタカシにとってのレイドは、結果的にタカシを絶望で包んだようですが、その後、郷愁を誘うプログラムを残し、トグサがそれにあてられることで話が進んでいきます。
そういう意味ではタカシとトグサの関係が見ものですが、山寺さんは『カウボーイビバップ』のスパイクとフェイのように林原さんとの共演も多いですよね。先に出てきた言葉で表現すれば、林原さんも“きょうだい”と言えそうですから、山寺さんの林原さん評もうかがいたいです。
山寺 林原さんは……林原さんって言ったことないんだけど(笑)、親友というか、一番共演が多いのですが、天才だといつも思っていて。プライベートでは怒られてばかりな間柄なんですけれども。ここまで『攻殻機動隊』の世界観を分かっているのがすごいなと。そういう話は本人とはしていないですが。
シーズン1では一緒に録れなくて、今回もコロナでなかなか一緒に録れなかったんです。タカシが結構しゃべっているときに僕は別班で、一緒だった明夫さんが(アフレコブースから)出てきて「すげぇぇぇぇ」って言ってて、やっぱりそういうことなんだなって。
あの人、ちょっと化け物っぽいところがあって、「(キャラが)降りてくる」みたいなこと言っていて。だから、「サスティナブル・ウォーとか全世界同時デフォルトって本当に分かってんの?」って聞いてみたかったです。そんなところでマウントとってどうすんだって自分でも思うけど(笑)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
-
小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
-
【今日の計算】「2+13×2−6」を計算せよ
-
柴犬が仮設住宅に入ると、布団に隠れた大好きなお姉ちゃんが! 被災した柴犬が見せた最高の笑顔に「こちらまで幸せな気持ちになります」
-
パパがヒゲをそって大ショックな息子の反応が3600万再生 予想外な落ち込みように両親苦笑い【海外】
-
トリンドル玲奈の結婚相手は誰? 2024年に2歳年下俳優と結婚発表、ラブラブ2ショットを公開
-
「人生で一度は見てほしい」「息をのむ美しさ」 この世のものと思えない幻想的な“一本桜”に15万いいねの大反響
-
元パティシエ直伝、スライスチーズを使う激ウマ蒸しパンが209万再生! あまりのおいしさに「秒でなくなった笑」の声も
-
【今日の計算】「101×99」を計算せよ
-
スマホがネットにつながらないと思ったら…… 想定外すぎる落とし物の事例に「こわ!」「こんなん初めて見た」と驚く声上がる
- 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
- 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
- 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
- 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
- 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
- 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
- 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
- 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
- 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
- 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
- フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
- 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
- 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」