JR各社が導入 「みどりの窓口」に代わる近い将来の話せる窓口「アシストマルス」とは(1/2 ページ)

廃止が進む「みどりの窓口」ですが、代わりに……。「QR乗車票」にも期待です。

» 2021年11月26日 14時51分 公開
[大泉勝彦ねとらぼ]

 2021年11月24日〜26日、幕張メッセ(千葉市美浜区)で「鉄道技術展2021」が開催されました。

鉄道技術展 鉄道・交通システム、インフラ技術、車両、サービスなど鉄道に関する総合展示会「鉄道技術展 2021」。(写真:大泉勝彦、以下同)

 鉄道技術展は鉄道・交通システムやインフラ技術、施設、電力、輸送、運行管理、車両、インテリア、旅客サービスなど、あらゆる鉄道技術に関する総合展示会です。2010年から開催され、今回で7回目。展示は鉄道の現場に関わるプロ向けですが、それらの新しい技術やサービスは、今後私たち鉄道利用者のサービスや利便性、安全性の向上などに結び付いてくるといえるでしょう。

 鉄道技術展2021から、一般ユーザーにもピンと来そうな展示をピックアップして紹介します。

「みどりの窓口」は今後続々廃止へ 代わりにJR各社で導入される「アシストマルス」とは

 JR各社は、駅の対人きっぷ販売窓口「みどりの窓口」を今後廃止していく方針を示しています(関連記事)

 このみどりの窓口に代わる対面接客の仕組みとして、「アシストマルス」と呼ぶシステムの導入を進めています。

JRシステム アシストマルス 遠隔ながら対面接客を実現する「アシストマルス」
JRシステム アシストマルス 上部の画面にオペレーターの映像も表示される。オンライン会議/テレビ電話的だ

 アシストマルスはJRグループの鉄道情報システムが開発する、遠隔でみどりの窓口のような対面接客を実現するシステム。「指定席券売機」(JR西日本以外)や「みどりの券売機」(JR西日本)と呼ばれる駅設置の顧客操作型端末(MV-50)に、音声・映像のやりとりも可能とするマイクやカメラを追加した券売機です。

 JR北海道では「話せる券売機」、JR東日本では「話せる指定席券売機」、JR東海では「サポートつき指定席券売機」、JR西日本・JR四国では「みどりの券売機プラス」、JR九州では「なんでも私に聞いてください!『ど〜ぞ』」という名称で、JR各社で導入が進んでいます。

JRシステム アシストマルス (参考)常磐線・大野駅(福島県双葉郡大熊町)に設置された「話せる指定席券売機」(写真右の券売機)
JRシステム アシストマルス (参考)千歳線・千歳駅(北海道千歳市)に設置された「話せる券売機」

 画面上の「呼び出しボタン」を押すとコールセンターにつながり、オペレーターとテレビ電話的に対話できます。これまでのみどりの窓口と同様に、例えば「今から新大阪まで」のように伝えることでもきっぷを買えます。もちろん券売機なので、これまでと同様に分かる人は自身の操作で完結することも可能です。

JRシステム アシストマルス 利用者側に表示されている画面はオペレーターとも共有。画面操作の援助も行えるようになっている

 アシストマルスにはカメラ付きの原稿台も搭載します。ここに学割証などを提示すれば、これまでは窓口でしか購入できなかった学割きっぷなども買えます。原稿台を活用して「筆談」などにも対応します。

 ネット予約サービスの普及、近年は感染症の流行により接触や実対面、密を避ける意識も高まりました。鉄道会社も、各駅への人員配置見直し/効率化などを図れます。チケットレスのネット購入や券売機で問題ない人も、やっぱり対面で確認しながら・聞きながら買いたい人も、それぞれが困らず安心して購入できるようになりそうです。

JRシステム アシストマルス 「今から新大阪まで!」と口頭で伝えて表示された画面。さらに口頭で列車名を伝えれば確認画面に移ります。もちろん、このくらいならば自分で券売機を操作した方が早いと思う人は券売機で操作してしまってもOK。あ、「10時打ち」をしてもらいたいときとかも対応してくれるのかな……
JRシステム アシストマルス 鉄道情報システムのブース
JRシステム アシストマルス 購入するきっぷの確認画面。このあたりは既存の券売機と変わらない
JRシステム アシストマルス 「AI自動応対」「スマホ定期券」などの展示も
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