「筋肉を辞めないと自分の心が死ぬと思った」 才木玲佳を支配した“筋肉”の淡い呪い (1/2 ページ)
筋肉アイドルとして唯一無二のポジションを確立してきた才木さん、筋肉を卒業した今思うこととは。
「筋肉を卒業します」――“筋肉アイドル”として唯一無二のポジションを築いてきた才木玲佳さんが、筋肉からの卒業を発表しました。
2014年にアイドルグループ「Cheer(ハート)1」に加入、2015年にはプロレスデビューを果たし、武藤敬司さんが率いるプロレス団体「WRESTLE-1」に所属する唯一の女子選手となった才木さん。これまでのアイドル像を覆すようなたくましい筋肉を武器に、アイドルとプロレスラーの二刀流で“ムキカワ”という新しいジャンルを生み出し、国内外問わず多くのファンを魅了しました。
その後も、筋肉を中心とした幅広い活動を続けていた才木さん。現在の才木さんを構成した大きな要素の1つである筋肉ですが、2022年3月、「様々なお仕事をさせていただく中で、ありたい自分や、やりたいことも変化していき、次第に筋肉との方向性の違いを感じるようになりました」と別れを決断。3月31日をもって、筋肉から卒業していました。
そんな才木さんを多く取り上げてきたねとらぼエンタ編集部は、直接お話を聞くことに。過去紹介した記事の写真から5枚を一緒に振り返りながら、筋肉と向き合ってきた6年や「筋肉を辞めないと自分の心が死ぬと思った」という苦悩の日々を明かしてくれました。
才木玲佳
1992年5月19日生まれ、埼玉県出身。2014年、「K-1GYM総本部&WRESTLE-1主催 GENスポーツパレス餅つき大会&ファン感謝祭」でオフィシャルサポーター「Cheer(ハート)1」の“現役慶応女子大生”新メンバーに。2015年にプロレスデビューを飾り、筋肉アイドルとしても活動の幅を広げる。2019年8月にプロレス試合中にあごを骨折、2020年には「ゴールドジム ジャパンカップ」のウーマンズフィジーク部門で準優勝という成績を収めた。2022年3月に筋肉卒業を発表。
筋肉との出会い
今でこそたくましい筋肉を手にした才木さんですが、筋肉に目覚める前は、身長150センチほどということもあり、小柄な体形。格闘技大会「Krush」のラウンドガールである新生Krushガールズに選抜され、K-1のアマチュア大会に出場したころ、筋肉と出会います。
――20歳のときの写真ということでInstagramに公開されていました。
そうですね。このころは大学生で、サークルにバイト、友達、彼氏という毎日でした。まだ筋肉には目覚めていなくて、ダイエットのためにフィットネスクラブみたいなものに入っていたのかな。今思えば十分細いとは思うんですけど、女の子はね、やっぱり細くなりたくて。
――筋肉に魅力を感じ始めたのいつからですか?
K-1のアマチュア大会(※1)に出てから、周りの人から筋肉を気付いてもらえたのが結構大きかったです。それまでは、ダイエット目的でフィットネスクラブに行っていて、事務所に所属してからはジムにも通い始めたくらいで、まだ筋肉が育つ感じではなかったんです。
そのK-1のアマチュア大会に出場するときの記者会見場で、一緒にラウンドガールをやっていた女の子が「この子筋肉すごいんですよ!」と言ってくれて、力こぶを見せたら記者の人たちがどよめいて(笑)。そこで初めて「これってすごいんだ、驚かれるんだ」という快感を得たのが始まりですかね。
※1 2015年にアマチュア格闘技大会「第6回 K-1チャレンジ2015」ゲスト出演。8月開催の「第1回K-1チャレンジ全日本大会」Cクラス女子50キロ以下級でデビューを果たす
――筋肉アイドルとして活動の幅を広げる中で、2019年には俳優としてドラマ初演を果たしました。役作りでの茶髪姿が印象的でした。
筋肉アイドルとして活動した期間は黒髪のイメージでやっていたので、ガラリとイメチェンしましたよね。本当の俳優デビューは、映画「レクイエム〜外道の中の外道〜」での新人警部役ですが、これだけがっつりのせりふをいただけたのと、レギュラー出演というのは初でした。
――もともと演技に興味があったのでしょうか?
お話が来ればやりたいなぁぐらいで、このときはまだその俳優業をやっていきたい気持ちはなかったかも。でも実際に演技をしてみて、すごく楽しいと思いました。
――2020年には特撮ドラマ「仮面ライダーセイバー」で演じた戦う妖精さんが話題になりました。オファーを受けたときの気持ちはどうでしたか?
めっっちゃうれしかったです! 仮面ライダーに出られる!? みたいな(笑)。昔から家族で仮面ライダーにハマって、映画を見に行くこともあったので、その仮面ライダーに自分が出られるなんて夢にも思っていなかったです。
かなりインパクトのあるキャラクターだったので、今まで私を知っていた人はもちろん、私を知らなかった人もすごくびっくりしてくれたみたいで、フォロワーも増えましたし、これで認知してくれた人も多かったですね。海外の反響もありました。これは本当に筋肉があったからこそ来たオファーだったと思います。
あご骨折で得た自分史上最高の“カラダ” 「これがあったから筋肉を辞められた」
――2019年にあごを骨折されてから俳優業など多方面に活躍され、2020年11月には「ゴールドジム ジャパンカップ」のウーマンズフィジーク部門準優勝という成績を収めました。
もともとプロレスをやっていたころは、スタミナ面やダメージの部分で脂肪をがっつり絞ることをは避けてきたんです。でも、あごを骨折してプロレスを休業することになってから、今ならボディービルに挑戦しても支障がないなと思い出場を決めました。いろいろな人からもボディービルにも挑戦してほしいという声をいただいていたということもあります。
――かなり体を絞られたそうですね。
トレーニング内容はさほど変わらなかったのですが、食事面は大きく変わりました。特に糖質。ジュラシック木澤さんという、ボディービルのレジェンドの方に逐一体重の変化や食事を報告して、じゃあこの日の朝は何グラム摂取しましょう、と都度連絡をとって1食ごとに制限していましたね。主に、ささみ肉や野菜、なるべく無駄なカロリーを摂りたくなかったので、こんにゃくとかゼロカロリーのものも結構食べてました。糖質がないとエネルギーが足りなくて、本当にしんどかったです……。こんなに体を絞ったのは初めてです。
――個人的によく出来たと思う箇所、もう少しだったと思う箇所などはありますか?
上腕二頭筋はいつもよりキレは増したかな。あと、すごく褒められたのは背中の厚みです。自分で見てもかっこいい背中に仕上がったなと思いました。いろいろな人から、私は体を絞ったら筋肉が残らないんじゃないか、と懸念されていたのですが、実際絞ってみたら上腕二頭筋や背中にしても筋肉は残ったので、良い評価をいただけました。
イマイチだったのは、腹筋。私、もともと腹筋が苦手で、ちょっと絞りきれなかったんです。あとは脚。本当はもっと筋を出せたらよかったんですけどね……下半身がちょっと絞り甘めに見えちゃったかなというのはあります。
――トレーニングのコツとかってあるんでしょうか?
体質と筋肉への効かせ方だと思います。短距離走が速い人とかの瞬発系の筋肉「速筋」と、マラソン選手のような持久系の筋肉「遅筋」があって、私は速筋が多いタイプだったので筋肉が大きくなりやすかったのと、筋トレのコツのつかみ方が本能的に分かったというか、うまかったみたいです。
筋トレにもうまい下手があるんです。大事なのは、適当にやる100回よりも、しっかり効かせる10回なんですよ。うまくいかない人は、フォームややり方などもあると思うんですけど、これができないと結果的に筋肥大しない。うまい人は、しっかり筋肉を収縮させることを考えてできるので、これだけでも肥大の仕方は違ってきます。初心者の人は、最初はトレーナーさんにみっちり見てもらうことも大事だと思います。
――出場されてみて、才木さん自身どんな影響がありましたか?
最高のカラダ作りができたというのは、自分の筋肉の歴史を振り返ったときに、これがあったから筋肉を辞められたというのはあります。ここまで筋肉を極めた……というと長年続けている方に失礼ですが、自分の中では筋肉をMAXまでできたという経験としてはすごく良かったです。
あとは、ボディービルの競技を実際にやったからこそ分かることがめちゃくちゃありました。それこそ減量の大変さ。私なんて1年でもうこれ以上やりたくないです、というぐらいなのに、長年続けてらっしゃる方がいるわけじゃないですか。続けている人のすごさをすごく感じました。この2点が大きいですね。
それまでは、自称筋肉アイドルとして活動していただけなので、ボディービルのような筋肉の世界からしたら私なんてアマチュアですし、大会にも出ず、評価もされず、何筋肉アイドル名乗ってるんだよと思っていた人もいたかもしれない。でも、こうして公に、他の人と同じステージに立って、準優勝とマッスルゲート東京大会ウーマンズフィジークの部で優勝という結果が残せたのは、その世界でも認めてもらえた証しになったのかなと思います。
――素晴らしいカラダですよね、衣装もかっこいい。
フリーポーズやステージメイク、衣装などもこだわりました。私すごくこだわり強いタイプで……(笑)。衣装は、プロレスの衣装も青ということもあり、私が好きな青系がいいかなと思いこれにしました。
ヘアメイクは、普通であればステージ映えするような濃いメイクをするんですけど、1回そのステージメイクをしてもらったときに、「これって本当に私かな?」と思うくらい別人だったんですよ。出場される人はこのくらいガチガチにメイクして挑まれるんですが、私はナチュラルな自分に近い方がいいかなと思って普段のメイクにつけまつげだけをしたんです。
あとは、1分間のフリーポーズでは、基本的にゆっくり筋肉を見せたいからゆっくりペースの選曲がされることが多いんですが、あえて「Cheer(ハート)1」の曲で、私のプロレス入場曲でもある「Ready Go!!!!!」というアップテンポな曲を選びました。それって結構異例なことだと思うんです。ダンスの要素も取り入れたので。みんながやっていること、同じことをやりたくないという気持ちと、自分が素人だからこそチャレンジできるところというのも表現したくて、こだわってやりました。
――そんなこだわりがあったとは……幼少期からこだわりが強かったタイプですか?
小さいころは周りを気にしすぎるくらいでした。人と違うことが怖かったんです。こういう自分らしさ、自分の気持ちを大事にしようっていうのは筋肉と出会ってからだと思います。根本には芸能界っていうのは人と同じじゃ出て行けないので、何か違う武器を見つけなきゃみたいなところから芽生え始めて、私の場合は筋肉と出会えたという感じですかね。
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これは本物だ。
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