「恋人に言わんで誰に言う?」 我慢しがちな女性が大切な人に“わがままを言えるようになるまで”を描いた漫画が心にしみる(1/2 ページ)
自分たちなりの距離感を見つけたいものです。
恋人との距離感についての葛藤を描いた漫画「大切な人にわがままを言えるようになるまで」がTwitterに投稿され、5月25日現在3万6000件を超える“いいね”が集まっています。
大切な人にわがままを言えるようになるまで
物語は、主人公の「うの」ちゃんと友人の「えっこ」ちゃんがカウンター席で飲んでいるところから始まります。話題は元彼にお金を貸したままの友達のこと。「まー、どうしようもないよね」と言ううのちゃんに向かって、えっこちゃんは「そんなんダメやろ」「私だったら職場乗り込んででも取り返すわ」と自論を展開します。
うのちゃんが「自分が同じ立場なら諦める」と言うと、えっこちゃんから「へえ、損やね!」という言葉が。「我慢してても何もいいことないわ」と言われたうのちゃんは「我慢してるのは損だったのか……」と考えながら帰宅します。
家の前に着くと彼氏の「久我」くんの姿が。植え込みのフチに座り込み、PCを開いています。2時間もそこにいたのに「大丈夫だよ」と言う久我くん。連絡をせずにずっと待っていたことを、うのちゃんは「なんかすごい嫌だ」と感じます。
夕飯を食べていないという久我くんのために冷蔵庫を開けたうのちゃん。自分の中にある小さなモヤモヤに気付き「損ってこういうの?」と考えますが、久我くんの隣にいる心地よさに「気のせいだった」と思い直します。
翌日ショッピングに出掛けた2人。休憩をしようと入ったカフェで久我くんが「来週は会えない」と告げてきます。「あーあ、また会えないのか」と思っても言葉にしないうのちゃんは、「えっこちゃんみたいな子だったら、ちゃんとわがまま言えるのかな」と考えます。
ある日、うのちゃんの職場で事件が起こります。同僚の妻が「夫が不倫をしている」と怒鳴り込んできたのです。「浮気ぐらいされたら、あんな風に怒ったりするのかな」と思っているうのちゃんの元に、久我くんから「明日も友達のイベントに顔出してくるわー」と連絡が入ります。
久我くんと会えなくなったうのちゃんが「こんなことでいちいち落ち込むのやだ〜」と嘆くと、えっこちゃんが「わっ、また損してる」と一言。「うのちゃんってそういうの言えんタイプなんや?」と言われますが、実はうのちゃん、ここ数年はセフレくらいしかいなくて、人との距離感が分からなくなっていたのです。
続いて職場での出来事を話したうのちゃん。「私には大きな事件はないの。あえて言うほどのことがないから、私がこらえれば何も起きないから……」と言うとえっこちゃんから「起きてるやん」「起きてるからこらえてんねやろ?」「恋人にわがまま言わんで誰に言うの?」と返されます。
それを聞いたうのちゃんは「確かに! わがままって恋人の特権か!」と目からウロコ状態。「自分なりに解決に向かうしかないんじゃないの」と話がまとまり、店を出ます。
彼女の特権を行使しようと決意したうのちゃんは「予定をもっと早めに教えて欲しいこと」「もっと自分との時間を作って欲しいこと」「会いたかったこと」など、自分の気持ちを言葉にして久我くんに送ります。
メッセージは送ったものの、すっきりしないうのちゃん。「そうじゃなくてわがままを言いたいの」「怒ってることや悲しんでることをそのままぶつけたいの」「なんで私わがままの一つも言えないの」とモヤモヤしている所に電話がかかってきます。
電話の相手は久我くん。うのちゃんの様子がいつもと違うことに驚いて「ごめん、明日会えないわけじゃないんだよ。遅くなるかもしれなくて、そしたら迷惑かと思って……でも会えるよ! 会おう!」と伝えてきます。
うのちゃんが「そういう細かいこともなんでも言って欲しいんだよ」と言うと「ごめん、いつも説明不足で。今回は友達のほうを断るよ」と答える久我くん。翌日会う約束をして電話を切ったうのちゃんは「おだやかに思う方に進むのが自分なりの解決方法?」と考えます。
翌日のデートの前に「疲れすぎる前に言ってね」と声をかける久我くん。「うのちゃん、我慢しちゃうから。俺、うのちゃんになんでも言って欲しいんだよ」と声をかけられたうのちゃんは「ドラマみたいにはならないけれど、おだやかに受け入れ合っていける」と思えるようになっていました。
この漫画の作者はマンガ家のヤチナツ(@11yc4)さん。漫画には「わがまま言えてやっと恋人ってカンジするよね」「彼氏も彼女も根っから良い奴じゃぁ……」「自分を見てるみたいで読み入ってしまいたした」といった感想が寄せられています。
ヤチナツさんは、アラサー女子の本音がさく裂した『20時過ぎの報告会』などの作品を手がけています。こちらは、単行本(1巻、2巻)も発売中です。
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