福岡PARCO、風俗街を想起させる「無料案内所」展示を撤去 「配慮に欠けていた」と謝罪(1/2 ページ)
公式SNSで謝罪しました。※6月15日13時35分 展示作品を6月14日から取り下げたnoerisaさんについて追記しました。
パルコが運営する福岡パルコ(福岡市)は6月14日、開催中のカルチャーイベント「パルコ感覚」内の展示に来客を不快にさせる表現・演出があったとして謝罪しました。展示は同日夜に撤去されています。
6月26日まで開催中の「パルコ感覚」は、“九州最大級のカルチャーの祭典”と銘打ち、九州全域から集められたアートやファッション、フードなどを発信しているイベント。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響で思うような活動や商売がかなわないアーティストや事業者の作品を展示・販売し、多くの人の目に触れる機会を作ることを目的に開催されています。
今回問題視されたのは、本館1階正面入り口に設置されていた「パル感無料案内所」。館内の展示スポットを案内するブースであることは間違いありませんが、出展しているアーティストの一覧表には「本日の出勤キャスト77名」「初めてのご来店でもご指名なく遊べる」と書かれ、外観は歓楽街で風俗店を案内する無料案内所を想起させるデザインでした。
また、内観は「刺激担当 当店No.1」「防音・個室完備」「クラウドファンディング ポッキリ2000円」など、風俗店の広告をオマージュした展示内容となっていました。これらは「九州最大の繁華街である中洲カルチャーをリスペクトする」意図があったといいます。
同地を訪れた人からは、本来18歳未満が利用できない施設をパロディー化したものを多くの人の目に留まる場所に設置したことや、展示への関心を引き付けるために性を売る表現を利用している点に批判が相次ぎました。
出展していたアーティストの1人、noerisa(@noe_risa)さんは、「PARCO側との表現方法に対する感覚の相違に大きな隔たりが生じました」として6月14日にセルフポートレート作品を取り下げたことを自身のInstagramで発表。「私自身が女性であること、裸を写していること、作家としてこの作品と向き合い、覚悟した上で作品を発表した想いと食い違いがありましたので、明日から作品を取り下げていただくことに決めました」としたうえで「変わらず制作に励んで参りますので、今回の展示は本当に残念ですが、どうか引き続き見守ってくださると嬉しいです」と結んでいます。
Twitterでは「繁華街にあるのと、老若男女問わず幅広い年齢層が足を運ぶ商業施設がやるのとは全く訳が違うでしょ」「様々な作家の作品をこのような性を売る表現でインフォメーションするパッケージに不快感が湧いた」「どんな作品を扱おうとも、企画側が風俗の無料案内所のオマージュをすることに100%の同意はできません」「いささか悪ノリが過ぎるのではなかろうか?」といった声が挙がっています。
福岡パルコは、批判を受けて公式TwitterとInstagramへ謝罪文を掲載。「来店されるお客さまだけでなく、本企画にご賛同ご参加いただいた全てのみなさまと作品・展示などに対しても、配慮に欠けていたことを痛感いたしております。誠に申し訳ございませんでした」とし、展示を同日夜に撤去しました。
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