父が還付金詐欺の被害に遭いかけた実話漫画に約2.6万いいね 作者「『自分は絶対大丈夫!』と思わないことが大事」(1/2 ページ)
作者に話を聞きました。
「もしもし、○○市役所の者ですが……」──。お父さんが還付金詐欺の被害に遭いかけた実話を描いた漫画が、約2.6万いいねを集めるなど話題になっています。編集部では作者のも〜(@mori2ta)さんに詳しい話を聞きました。
税金や国民健康保険の額が大きく落ち込んでいるも〜さんのお父さんのもとに、「市役所の者」と名乗る人物から電話がかかってきました。期限が間もなくの還付金の手続きをしていないため、電話で手続きを進められればという内容です。これはチャンス! と思いきや……。
お父さんは電話で手続きすることにうっすら「何か変だな」と感じるものの、高すぎる税金と国民健康保険が「何かの間違いやと思う… いや… そうであって欲しい」と思い、通話を続けてしまします。確かに、お金が得られるというメリットは何にも代えがたいですが、詐欺師はその思いにつけこみます……!
その場にいた兄からしつこく詐欺ではないかと言われて、お父さんが警察署に確認へ行ったところ、警察官は真顔で「詐欺ですね」と断言。警察官が家まで着いてきてくれ、折り返しの電話に「○○警察ですが」と出ると、「アッ ご苦労様です!!」と言って電話は切れました。やはり、詐欺だったようです……!
警視庁の「特殊詐欺対策ページ」によると、還付金詐欺は「税金還付等に必要な手続きを装って被害者にATMを操作させ、口座間送金により財産上の不法の利益を得る手口」です。今回のケースでも言葉巧みに誘導し、銀行で特定の口座に振り込ませることが詐欺師の思惑だったと考えられます。
還付金詐欺では「(還付金の)払い戻し期限が今日までとなっているので、お電話しています」など、期限があると焦らせたうえで、今すぐ携帯電話を持って近くのATMに向かうように指示します。ATMで詐欺師の説明通りに操作ボタンを押していると、気づいた頃には犯人にお金を振り込む手続きをしてしまっていたという事態に。
国民生活センターは公式サイトのなかで、「『お金が返ってくるのでATMに行くように』という電話があったら還付金詐欺です。相手にせず、すぐに電話を切ってください」「役所などの公的機関や金融機関などの職員がATMの操作をするように連絡することは絶対にありません」などと注意を促しています。
「自分は絶対大丈夫!」と思わないことが大事
編集部では、今回の事件について作者のも〜さんに詳しい話を聞きました。
──お父さんがうっすら「何か変だな」と感じつつも、通話を続けてしまう場面が印象的でした。お父さんは普段は慎重なタイプですか?
もーさん:普段はどちらかというと慎重なタイプだと思います。リアルな買い物でも結構疑り深いので、今回の出来事には驚きました!
──詐欺の被害を食い止められたのは、お兄さんの存在が大きいと思います。お兄さんが隣にいたのはたまたまですか?
もーさん:電話があったのは、お店(家族で経営する飲食店)の営業前の仕込みや開店準備の時間帯だったと聞いた気がします。家族経営なので、その時間帯は一緒にいます。
とはいえ、それ以外の時間は一緒にいるとは限らないので、たまたまと言えばたまたまだったのかもしれません。詐欺だと分かった後、兄は「だから、言ったやん〜!」と言ったらしいです。
──今回の詐欺は還付金を得られるというメリットをちらつかせて標的を惑わすものです。結局、税金の額に間違いはなかったのでしょうか。
もーさん:間違いはなかったようです。飲食業をしているので、支援金の兼ね合いもあったのかもしれません。
──その後、詐欺と思われる電話やメールなどはありましたか?
もーさん:その後は特に何もないようです!
──最後に詐欺に引っかからないようにするために、大事だなと感じたことがあれば教えてください。
もーさん:リプライでもいろいろとご意見をいただいたので参考にしてお答えすると、やはり私個人としては「自分は絶対大丈夫!」と思わないことが大事だと思います。
父は今回の件で、自分自身が「頼りない老人と思われてしまうんだろうなぁ」と落ち込んでいました。詐欺の注意喚起などでは、「人がよさそうなおじいちゃん・おばあちゃん」のイラストを見かける気がします。「だまされる人=注意力の足りない老人」という刷り込みが「いや、自分の判断力は大丈夫なはず!」というかたくなな姿勢につながり、冷静を欠いてしまうかもしれません。私もあらためて気をつけたいと感じています。
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