最高の環境、最高の形で、最高のメーカーが拾ってくれた! 「メタルマックス」サイゲームス移譲でシリーズファンが期待すること

30周年で死を覚悟した「メタルマックス」が最高の会社に拾われた!

» 2022年07月29日 19時00分 公開

 角川ゲームスの事業承継に名前がなく、完全に見限られてしまったのだと、ため息とともに「メタルマックス」ファンがシリーズを諦めかけてすらいた2022年7月29日。自分も元ファンとして思いのたけをぶちまけるような記事を書き、もはや失望していたそんなシリーズに、突如として寝耳に水、いや寝耳にオイルとナマリ茸を流し込んできたような驚きのニュースが飛び込んできました。

 なんと、あの「グランブルーファンタジー」や「ウマ娘 プリティダービー」で有名な大ゲーム会社・Cygames(以下、サイゲームス)が、KADOKAWAおよび角川ゲームスから「メタルマックス」IPシリーズの関連事業を譲り受けた発表したのです

ライター:するめ(以下)マン

プロフィール

ファミコン、スーパーファミコン時代からRPGを遊び続け、多くの消えたシリーズに想いを馳せるゲームライター。今回の「メタルマックス」シリーズ復活に驚き過ぎて、思わず「もしかして、ここはパラレルワールドなのか」とカレンダーや空の色を確認していた。



 

 しかも、シリーズの生みの親である宮岡寛氏もサイゲームスに移籍。サイゲームスのプロデューサーである高木謙一郎氏のもと、「メタルマックス」シリーズを最高のコンシューマータイトルとすべく、ガチでリブートするという発表までありました。

 本気だ。サイゲが本気で「メタルマックス」を救う気だ! ウマだけじゃなくて戦車にも本気だ!

 私はこの話を知って、真っ先にサイゲームスがある渋谷ガーデンタワーの方角に向けて深々とお辞儀をしました。スナザメくらい地面に潜る勢いで、深々と頭を下げました。なぜなら、敬意をいくら表しても足りないくらいの衝撃だったからです。

 正直に言って完全に諦めていました。近年の「メタルマックス」が抱えていた問題点や迷走は以前の記事でも書きましたが、それを“メタルマックスシリーズの開発がやりたいこと”まで実現したうえで解決するには、予算や開発力などの問題で不可能だと諦めていたからです。

 ふがいなさとやるせなさと、そしてまだ頑張って欲しいという一縷(いちる)の望みをかけて前回の記事を書いてはみたものの、半分以上はシリーズの追悼をしている気分でした。もはや、それだけ絶望的な状況に見えたのです。ゲーム自体の今後も。IPも。シリーズの展開も、近年のアレコレも……。

 しかしながら、その問題が一気に解決する超改造級のニュース! 近年のメタルマックスが陥っていた欠点をつぶし、補い、最高の解決方法を出せる会社がIPを獲得したとあっては、こんなの驚かないわけがありません。すごい! 宮岡さん、おめでとうございます!!

メタルマックス 従来のシリーズ特設サイトも既にサイゲームス版仕様に

 

こんな開発者にもファンにも都合のいい話あるの!?

 とはいえ、これはもちろん「メタルマックス」というシリーズ自体に魅力があったということに他なりません。サイゲームスが、宮岡さんを含めて「メタルマックス」シリーズをまとめて引き受けて救ってくれるだけの価値を見いだしてくれたことは、とても大きいでしょう。

 私は以前「良さを引き出せる外部の目が必要だった」と書きましたが、その外部の目として最高の目が見てくれていたのです。こんなにうれしいことはない。現時点では今後のシリーズ展開は未定ですが、予算や開発の面で妥協をせずにすむだろうという意味でも、サイゲームスがIPを獲得したことにこれ以上の喜びはありません。脳内にBGMで「50年の散歩」が流れ続けるくらいウキウキしました。

 サイゲームスから戦車でバンバンじゃなくて、戦車のゲームがバンバン出るかもしれない。ウソでしょ!? パラレルワールドでしょココ。そんな開発者にとってもファンにとっても都合のいい話が、今のゲーム業界であるの!? サイゲだと思ったら、デスクルスだったりしない?

 こちらはサクセスなので開発も販売元も違いますが、「メタルマックス」とは兄弟作である「メタルサーガ」シリーズも、最新作「叛逆ノ狼火」の情報を出しています。サーガの方も期待がもてますね。「メタルマックス」と「メタルサーガ」のどちらも期待できる。まさか、そんな日がすぐに来るとは思わなかった……。思わなかったですよ……!

 サイゲームスの手で万人にバリバリ売れる内容や、メタルマックスの良さを引き出せるディレクションがなされるであろう「メタルマックス」シリーズの復活に、私はもう涙が止まらなくなりそう。本音を言うと、近年の地に足がついてないまま暴走し続ける展開に8割くらい見限っていましたし、2割くらい怒っていたのも事実です。もう、これはダメだなとあきれてすらいました。

 予算や開発力はどうしようもなく、ユーザーとのズレも仕方がない部分はあるでしょう。現実的にどうしようもないのは作る側も分かっているはず。それでも1ユーザーとして、近年のグダグダな展開には言いたいことが腐るほどありました。しかし、いくら言っても時既に遅し。そう思っていたら、これまでの弱点を全てつぶして超改造するくらいの理想的な形で復活したのです。

 ユーザーにとっても、開発者にとっても最高の環境で、最高の形で、最高のメーカーが拾ってくれました。ありがとう、ありがとう、サイゲームス。

 

やっぱり「メタルマックス」は最高にしぶといぜ!

 新作はもちろん、サイゲームス傘下ならこれまで出てこなかった過去シリーズの移植やリメイクだって期待できそうですよね。順当に「2リローデッド」あたりから、過去シリーズをうまく現代によみがえらせてくれそう。まだ何も分かってないし、何が今後あるのかも具体的には不明ですが、既にメタルマックスシリーズが生き生きと復活する未来が見えるようですよ。「ワイルドウェスト」どころか「ワイルドアイズ」が……そのままだと既に他の作品にネタを回していて難しいところはあるかもしれませんが、かつて開発中止になったものも人気が出れば復活する可能性はゼロじゃない。メタルマックスが、超有名IPになるかも!?

メタルマックス 6月に開発中止が発表された「メタルマックス ワイルドウェスト」

 ありがとう、高木謙一郎プロデューサー。ありがとう、宮岡寛(ミヤ王)ディレクター。ありがとう、サイゲームス。ありがとう。感謝の言葉をいくら述べてもつきません。

 ガチでリブートされるという「メタルマックス」シリーズ。そして、「メタルサーガ」シリーズの今後に期待しています。やっぱり、メタルは死ななかった! 最高にしぶといぜ!!

 

するめ(以下)マンのこれまでの記事

 

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