『HUNTER×HUNTER』連載再開に備えよ! 300人超のキャラが入り乱れる暗黒大陸編“序章”を全力解説(1/3 ページ)

約4年ぶりの連載再開。

» 2022年10月22日 18時00分 公開
[高橋史彦ねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 実に3年11カ月ぶり、10月24日に『HUNTER×HUNTER』の連載が再開する。もう来週には続きが読めるのだ。「確実に来る幸福……その待つ時間の中にこそ幸福がある(後略)」と『バキ』のガイアが言っていたように、少なからぬ読者が幸せな気持ちだろう。同時に約4年空いたことで、物語がどうなったか忘れた人もいるはずだ。

 暗黒大陸編が本格スタートした340話(初出は2012年!)から390話までが掲載され、冨樫義博先生のTwitterによると現在400話までほぼ完成し、さらに410話へ向けた作業が進行している。確定で10週のストックがあり、進捗次第では20週読めるかもしれない。本記事では連載をより楽しめるよう、暗黒大陸編が今どういった状況にあるのかを整理し、見どころをまとめる

 なお、11月4日発売の37巻収録分(381〜390話)も既知の情報として扱うので、単行本派の方は留意してほしい。

暗黒大陸編はまだ“序章”

乗船までの流れ

 主人公のゴンが父親・ジンを探すため、彼の職業であるハンターを目指す――そうして始まった物語は32巻でついに邂逅(かいこう)を果たし、ジンから「オレ達が知ってる『この世界』はとてつもなく大きな世界のほんの一部」であることが明かされる。前提として第一部・完でもおかしくない状態から、現在の新シリーズはスタートしている。

 これまで公表されていた世界地図は、暗黒大陸中央の巨大湖メビウスに浮かぶ“一部の島”でしかなく、外側に広大な領域がある。約300年前に「新大陸紀行」が出版され、そこに出てくる万病に効く香草、究極の長寿食ニトロ米などを求めて、近代5大陸を代表する国々(V5)はそれぞれ別ルートで暗黒大陸に挑戦したが、いずれも人類滅亡級の病や危険生物に遭遇して失敗。その総称が5大厄災で、ジンいわく「案内人」が戒めのため持ち帰らせ、現在は許可庁の地下に保管されている。案内人とは暗黒大陸とのパイプを持つ魔獣族(門番)が召喚する亜人種で、案内人なしには限界海境線(メビウス湖の未開海域と暗黒海域の境目)すら超えるのが難しいという。

 ハンター(H)協会の前会長・ネテロは、過去に2回、暗黒大陸に行ったことがあり、約50年前に息子のビヨンドが忠告をスルーして多大な犠牲を出し、厄災の一つ(ゾバエ病)を持ち帰ったことから、暗黒大陸をH協会の禁忌にし、ビヨンドに対しても自分が死ぬまでは再挑戦できないようにした。

 ネテロが死んだことでビヨンドはカキン帝国と手を組み、国王を歴史的偉人にすることで暗黒大陸進出を画策。V5は平和的に事態を収めるため、カキンをV5に迎え入れ、V6として組織再編し、渡航を裏でサポートすることに。国王の名前を新大陸の開拓者として歴史に記す代わりに、リターンの分配を6等分に定め、H協会に暗黒大陸におけるビヨンドの監視役を依頼した。

 一方、ネテロもH協会の最高幹部・十二支んに対し、ビヨンドより先に暗黒大陸探検を成功に導くよう要望(指令)を出していた。達成条件は暗黒大陸より抱えた「厄災」の何れかを攻略し「希望」を持ち帰ること。

 ビヨンド率いる探検隊は以前から渡航計画を準備していて、メンバーには前副会長のパリストンや協専のハンター、さらにはパリストンの暴走を防ぐためジンもNo.2として加わっている。ビヨンド本人はH協会に出頭し、渡航中は一切反抗せず、彼の行動によって生じた全ての取得物がV6に帰属し、あらゆる媒体での情報発信をしない旨の契約書に署名したが、言外には好き勝手にやると表明。H協会は総力を挙げてビヨンドを制御しながら、厄災の攻略を目指すことになり、ジンとパリストンが抜けた十二支んに、レオリオとクラピカを入れ、新たにハンター試験を実施して渡航に必要な人材を一定数登用した。

 現在の舞台は巨大輸送船ブラックホエール号。ここには十二支ん、ビヨンド、複数のプロハンター、カキンの王族(1層)、国王軍・護衛、V5の政財界の要人(1層)、各界の著名人・富裕層(2層)、そして一般渡航者(3〜5層)ら約20万人が乗船している。船の目的地は、新大陸(表向きにはここを暗黒大陸と伝えている)で、カキンの王族と一般渡航者はここまで。H協会はそこからモラウの船に乗り、門番の待つゲートに向かう予定だ。

 ブラックホエール号はまず3週間ほどで人類が通常の航行・漁業を行っている領海域の端まで行き、一度給油を行ってから未開海域を5週間運航して、新大陸に到着する見込み。約2カ月の航海のうち、作中では389話時点で10日が経過している。つまり、暗黒大陸編はまだ序章で、現在地は上陸のはるか手前だ。

※作中の惑星のサイズを概算すると地球より大きく、現実の日数とは別物かもしれないが、そこは漫画なのでスルーする

「ものすごく人数を増やしたらどうなるんだろう」

 冨樫先生は2016年に岸本斉史先生との対談で、「これ以上はヤバイヤバイって焦りながらキャラを増やしてますね」「今回のシリーズはシンプルに、ものすごく人数を増やしたらどうなるんだろうっていうのを、とにかく極端にやってみた」と語っていた(『ジャンプGIGA』vol2)。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
  1. ネットで大絶賛「ブラウニー」にカビ発生 業務スーパーに7万箱出荷…… 運営会社が謝罪
  2. 「全く動けません」清水良太郎がフェスで救急搬送 事故動画で原因が明らかに「独りパイルドライバー」「これは本当に危ない!!」
  3. トラックがあおり運転し車線をふさいで停車…… SNSで拡散の動画、運転手の所属会社が謝罪
  4. 「ヤヴァすぎる!!」黒木啓司、超高級外車の納車を報告 新車価格は5000万円超 2023年にはフェラーリを2台購入
  5. そうはならんやろ “ドクロの絵”を芸術的に描いたら…… “まさかのオチ”に「傑作」の声【海外】
  6. 「ウソだろ?」 ハードオフに3万円で売っていた“衝撃の商品”に思わず二度見 「ヤバいことになってる」
  7. 「結局こういう弁当が一番旨い」 夫が妻に作った弁当に「最強すぎる!」「絶対美味しいビジュアル」
  8. “メンバー全員の契約違反”をライブ後に発表 異例の脱退騒動背景を公式が釈明「繋がり行為などではなく」
  9. 「言われる感覚全く分からない」 宮崎麗果、“第5子抱いた服装”に非難飛び……夫・黒木啓司は「俺が言われてるのかな?」
  10. 大沢たかお、広大プールを独り泳ぐ“バキバキ姿”が絵になり過ぎ 盛り上がる筋肉の上半身に「50代とは思えない」「彫刻みたい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  2. 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
  3. 友人に「100円でもいらない」と酷評されたビーズ作家、再会して言われたのは…… 批判を糧にした作品が「もはや芸術品」と490万再生
  4. 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  5. 「ま、まじか!!」 68歳島田紳助、驚きの最新姿 上地雄輔が2ショット公開 「確実に若返ってる」とネット衝撃
  6. 荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
  7. 食べた桃の種を土に植え、4年育てたら…… 想像を超える成長→果実を大収穫する様子に「感動しました」「素晴らしい記録」
  8. 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
  9. 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
  10. 義母「お米を送りました」→思わず二度見な“手紙”に11万いいね 「憧れる」「こういう大人になりたい」と感嘆の声