「救急隊員が脱いだ靴はそのままにして」投稿が話題の消防隊員に仕事中に困っていることを聞いてみた(2/3 ページ)
「家の通路やリビングに置いている物は移動させて」
――今回は「救急隊員が脱いだ靴はそのままにしておいて下さい」という投稿が話題になりました。他に救急隊員として出動する際に困っていることや、一般の人に呼びかけたいことはありますか。
えるいーさん:基本的に、傷病者を救急車に乗せる場合は、傷病者をターポリン担架を使い、ストレッチャー(車輪付きのベッド)で救急車に乗せる、という手順で運び出すことが多いです。
家の通路やリビングに置いている掃除機や机、椅子などのすぐに動かせる物、階段に置かれた衣類や雑誌など、経路上の障害物をどけてもらえると、とても助かります。特に、階段に荷物があるとターポリン担架で降りていく際に転倒の恐れがあるため、なるべく片付けておいてほしいです。
――玄関や家の外にある障害物なども移動させたほうが良いのでしょうか。救助活動の際に、ペットが邪魔になるという話も聞いたことがあります。
自宅の前やマンションの廊下に置いた自転車、場合によっては車などは移動していただければ幸いです。玄関のドアを開けたままにしたり、玄関の救急隊員以外の靴などを外に出したりするのも助かります。マンションの場合は可能ならば、エレベーターを呼んだり、オートロックを解除したりしておいてほしいです。
ペットについては家の中で放し飼いにしている場合は、応急処置や搬送時に支障が出る場合があります。救急隊到着までになるべくケージなどに入れるようにしておいてください。
――家族や恋人、友人などが倒れてしまった場合、救急隊員がいても思わず励ましの言葉などをかけてしまう人もいるかと思います。救助活動をされている際、やはりケガ人などに声をかけるのは迷惑でしょうか。
えるいーさん:傷病者が自力で受け答えできる場合、周囲の方の声掛けとそれにともなう会話で、救急隊の聞きたい情報がまったく聞けないことが多々あります。情報が聞けないと病院交渉ができず、結果として搬送が遅れてしまうため、なるべく救急隊と傷病者の聴取を遮らないようにしていただければ幸いです。
これに関連しますが、傷病者の住所、氏名、生年月日、年齢、電話番号、既往歴、薬歴(おくすり手帳などがあればそれも)、家族の電話番号など、断片的でも良いので伝えていただければとても助かります(※)。
※政府広報オンラインの「もしものときの救急車の利用法 どんな場合に、どう呼べばいいの?」では、自宅から119番通報した場合は、保険証や診察券、普段飲んでいる薬(おくすり手帳)、お金、靴などを準備することを推奨しています。乳幼児の場合は母子健康手帳、紙おむつほ乳瓶、タオルなどを準備すれば良いとのこと。
「救急車は無理に避けようとせず、音声指示をよく聞いて」
――少し話が逸れますが、消防車や救急車が緊急走行しているにもかかわらず、道を譲らない車があるとして、SNSで批判の声を見かけることがあります。基本的には、道を譲るのは言うまでもありませんが、それ以外で気をつけるべきことはありますか。
えるいーさん:おっしゃるとおり、消防車や救急車が緊急走行してきた場合、道を譲るのは法律で定められていることはドライバーには常識だと思います。ですが、特に渋滞中や信号待ちの車列で緊急車両が接近してきた場合は、無理に避けようとせず、窓を開けて緊急車両側からの音声指示をよく聞いて動くようにしてほしいです。
姿は見えないが近くでサイレン音が聞こえた場合、交差点や曲がり角、カーブや対向車線に緊急車両がいるかもしれません。そのような場合も、窓を開けて目と耳でどこに緊急車両がいるかよく確認するようにして下さい。
また、緊急車両の道を譲ることに関して、自動車と比べて歩行者や自転車に乗っている人は関心が低い印象です。平然と歩道や車道を渡られることが多く、とても困っています。より改善させることを願っています。
――最後に、寒くなるこれからの季節、読者の人に呼びかけたいことがあればお願いします。
えるいーさん:これから冬を迎えるにあたり、暖かい室内と寒い浴室・脱衣所の温度差でヒートショックを引き起こす場合があります。脳出血や心筋梗塞、脳梗塞といった症状を招いて死亡したり、浴槽内で意識消失して顔が湯船に浸かって溺死という事案が多いです。近年、入浴中の溺水事故は5000人前後で、交通事故の死亡者の2倍以上と言われています(※)。
これを防ぐために最も簡単にできる対策としては、浴室・脱衣所の室温を高くすることです。暖房器具がない場合でも、浴室のドアを開け、浴室内でお湯のシャワーを入浴前に出し続けておくことで、浴室・脱衣所両方の室温を簡易的に上げられます。これらの手段を講じてヒートショックを少しでも防いでほしいです(※)。
※消費者庁の「冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください! -自宅の浴槽内での不慮の溺水事故が増えています-」では「入浴前に脱衣所や浴室を暖めること」のほか、「湯温は41度以下、湯につかる時間は10分までを目安にすること」「浴槽から急に立ち上がらないようにすること」「食後すぐの入浴や、飲酒後、医薬品服用後の入浴は避けること」「入浴する前に同居者に一声掛けて、意識してもらうこと」を推奨しています。
なお、救急車を呼ぶ際の判断や準備などについては、政府広報オンラインの「もしものときの救急車の利用法 どんな場合に、どう呼べばいいの?」、ヒートショックなど浴槽内での溺水事故の対策については、消費者庁の「冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください! -自宅の浴槽内での不慮の溺水事故が増えています-」などを参照してください。
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