ローソン「味のしない飴」“まさに虚無味”と話題で正式発売へ 担当者「『逆転の発想で面白い!』上司が背中を押した」(1/2 ページ)

「唾液が出ることは体に良い」とまじめに健康的な商品として開発。

» 2022年12月26日 11時00分 公開
[谷町邦子ねとらぼ]

  ローソンは2022年10月25日からのテスト販売を経て、「味のしない?飴」(189円)を2023年6月に正式販売(予定)すると決定しました。食品は見た目やパッケージもさることながら、最も重視されるのは風味のはず。大胆な挑戦はどのように始まったのか、ローソンの担当者に取材しました。 

味のしない?飴 「味のしない?飴」 色も白の半透明(現在は販売終了)

 「味のしない?飴」は、食物繊維(ポリデキストロース)と甘味料のエリスリトールを原料にカンロが製造しています。1粒(3.4グラム)あたりのエネルギーは3.1キロカロリー。コロナ禍での、特に乾燥を防ぐ目的で口の中を潤わせたいという需要の高まりと、「甘い飴を食べ続けるのは苦手」「マスクをしているため、ミント味は目に染みる」という意見が開発につながったとしています。

 購入した人からは、「すごい!!虚無!」「うっすーーーーーーーい甘味を感じる気がするレベルでほんとに『無』」と味がないことへの驚きや、「つわりのときにほしかった」「観劇の時にいいかも」など需要がうかがえる声がありました。メーカー7社による「テスト品総選挙」では約6000票を獲得し、全7商品中1位を獲得するほど人気になっています。

味のしない?飴 「味のしない?飴」のほか、「ポテトチップス ガーリックマヨネーズ味」「あたためておいしいカフェラテ」が商品化されることに(ローソン研究所【投票結果発表!!】メーカーさん7社による「ありそうであまりなかった商品」

 コロナ禍に誕生した不思議な飴、「味のしない?飴」の開発の経緯や当初の社内での反応、購入者からの反響をどう受け止めたか、ローソンの担当者に聞きました。

社内では「意味がわからない」「本当に売れるのか」などの意見も

――「味のしない?飴」の開発が始まったのは2021年5月ごろだと伺いました。開発のきっかけとなった出来事、エピソードを教えてください。

担当者「コロナ禍でずっとマスクをしている中で、口の中を潤わせたいというニーズは高まっている」と感じていました。しかしながら、「甘い飴を食べ続けるのは苦手」「マスクをしているので、ミント味は目に染みる」などの意見があったことを受け、味のしない飴の開発を決めました。唾液が出ることは体に良いということもあり、まじめに健康的な商品として開発しています。

――社内で提案したときは、どのような反応がありましたか。

担当者「飴なのに味がないとは意味がわからない」「いつ舐めるのか」「本当に売れるのか」などネガティブな意見をいただいたこともあります。一方で、上司から「味がしない飴とは逆転の発想で面白い! 開発のストーリーもあり、お客様は必ず振り向いてくれるはず、やってみよう!」という後押しをいただきました。

――味がしない飴を実現するにあたって、苦労したことを教えてください。

担当者「味がしない」を実現するために、どういった原料を使用するのかを模索しました(※結果的に甘さの少ない原料、ポリデキストロースを使用)。原料の調達も苦労しましたが、さまざまな人の協力を得て実現できたと思います。

――テスト販売でどのくらい売り上げがありましたか。また、1位になると予想されていましたか。

担当者発売から1週間以内にほとんどの店舗で完売となるなど大変ご好評いただきました。「味のしない飴にニーズはある」と自信はありましたが、まさか1位になるとは夢にも思っていませんでした。

――たくさんの反響について、どのように受け止めてますか。

担当者「まずい」とお叱りを受けるかもしれないと思っていた手前、非常に多くのお客様に「こういう商品が欲しかった」とのお声をいただけて、素直にうれしいです!

 味がしない、口の中に何もないことを「虚無」という絶妙なワードで表現していただいているお客様が何人もいらっしゃいました。「あっ!そんな表現があったか!」など、お客様の声から、さまざまな気づきを得られました。


 「味がしない」という今までにない発想で作られたため「本当に売れるのか」と懸念された「味のしない?飴」ですが、テスト品総選挙では1位を獲得し、発売1週間以内にほとんどの店舗で完売するほど人気になりました。2023年夏、多くの人の支持された商品が正式発売されるのが楽しみですね。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
  1. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  2. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  3. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  4. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  5. 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
  6. 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
  7. 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
  8. 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
  9. 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
  10. 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」