自分の創作がなくても誰も困らない、それでも創作する理由は…… 同人作家の思いを描いた漫画に「むちゃくちゃ刺さった」「心打たれました」(1/2 ページ)
「好き」という気持ちが創作の原動力に。
自主制作の小説や漫画などの創作物を頒布する同人活動。ときには、作った本が1冊も売れないことも……。それでも創作を続ける人の思いを描いた漫画がTwitterに投稿され、記事作成時点で3万8000件以上の“いいね”を集めるなど共感を呼んでいます。
作者は、漫画家の大場玲耶(@ohba08)さん。主人公は、趣味で漫画を描いている女性です。漫画は、女性がある日参加した同人誌即売会が閉会するシーンから始まります。
人気作家が描いた漫画が次々と売れていく中、女性が描いた漫画は売れませんでした。そして、女性はイベントに参加するたびに思い知るのです。「私の創作がなくても、誰も困らない」ということを。
イベントが終わり、周囲の人たちは楽しそうに打ち上げの話をしています。一方、女性には同人活動での友達がいません。正確には、以前はいましたが「友達だから(作品を)買う」というやりとりが申し訳なく感じられ、SNSでの交流をやめたことから、なんとなく疎遠になってしまいました。
頑張って描いた本は売れず、創作の話ができる友達もいない。それでも女性は、帰ったら再び漫画を描く上に、次回のイベントの申込書ももう手に入れているのです。
そんな女性に対して、「なんで創作するの?」と聞く人もいます。女性の答えは明確です。「そんなの、決まってる! 好きだから」。
「考えるのが好き。絵を描くのが好き。線を引くのが好き。言葉を紡ぐのが好き。紙やインクの匂いが好き。本という媒体が好き。そして何より、私は私(あなた)の漫画が大好きなの。だから私は、大好きな漫画を描いてくれる私のこと、大好きでいられるの。私、すごく幸せだ」。
女性が創作を続けるのは、「好き」という気持ちがあるからこそ。自分の創作がなくても誰も困らないだろうし、そんな創作には価値なんてないと言われるかもしれない。「でも、そんなことどうだっていい。一番大切なものを、私は持ってるから」。そう言い切る女性からは、強い思いが感じられます。
イベントからの帰り道、女性は「次は何描こうかなあ」とわくわくしながら考えるのでした。
同人作家の思いを描いたこの漫画には、多くの共感の声が寄せられています。「むちゃくちゃ刺さった」「心打たれました」「まさにこれな気がする。創作するからこそ僕自身を好きになれる気がする」など、主人公のように、「好き」という気持ちが創作の原動力になっている人は多いようですね。
大場玲耶さんはこの他にも、Twitterアカウント(@ohba08)で漫画を公開中です。
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