土佐市長、移住者による“よそ者排除”の被害主張めぐり説明 「市にも責任の一端」と認めつつも「職員がセクハラ・パワハラを容認」は否定(1/2 ページ)
これまでの経緯を説明しました。
高知県土佐市の移住者が有力者に従わなかったことが原因で、経営する店舗の退去を迫られている、と訴えたTwitter上での投稿が波紋を広げています。土佐市の板原啓文市長は6月5日、該当投稿について、公式サイトで見解を発表しました。これまでの経緯を説明し、移住者による一部主張を事実ではないと否定しています。
該当投稿は、5月10日に漫画形式で投稿されたもの。東京都から土佐市に「地域おこし協力隊」として移住し、同市が所有する建物「南風(まぜ)」でカフェを開業したものの、建物の指定管理業者となっているNPO法人の理事長に退去勧告を迫られたと訴える内容でした。加えて、パワハラやセクハラの被害のほか、理事長が指定する料理人を雇うように迫られるなどの被害にも遭った、と主張していました。
板原市長は発表冒頭で、土佐市民や国や県などの関係者に対して、「大変申し訳なく思っております」などと謝罪。5月10日の夜から、該当投稿を受けた苦情の電話やメールが殺到しており、土佐市内の公共施設や国・県の施設への爆破予告メール、子どもの誘拐予告などの被害があったと言及しました。
特に、土佐市への電話には無言電話や「穏やかでない発言」もあるとして、「私といたしましては、市民を守る立場であるとともに、職員の安全を守る立場でもありますので、今回のような脅迫行為や、平穏な日常生活を脅かすような発信行動は言語道断であり強く憤りを抱いています」と強く非難しています。
また、板原市長は移住者が店舗を経営していた施設「新居地区観光交流施設 南風(まぜ)」について、整備の背景など経緯を説明。店舗を営業している2階は当初、「指定管理者のNPO法人と施設の利用者である飲食店の相互間の理解の上、ともに地域の活性化に寄与することを目的として始まった」との認識を示しつつも、年数が経過するにつれ、NPO法人と飲食店が目指す方向に少しずつズレが生じた、と説明しました。
「市も話合いの場に同席し、より良い2階の運営について協議を重ねてきましたが、NPO法人と飲食店のそれぞれの主張・方向性がかみ合わず、関係性が悪化し、その都度、飲食店からの相談やNPO法人への指導等を行ってきたところでありますが解決に至らず、今回のSNSによる拡散に繋がったものと考えております。市の施設でこのような事態が発生したことは、市にも責任の一端があると痛感しております」(板原市長)
SNS上での飲食店の主張ついては、「飲食店が2階の全スペースを独占的に利用することを市が認めていた」ことは事実ではないと否定。加えて、「セクハラ・パワハラを市職員が容認した」「市がNPO法人に対して文句が言えない」という主張についても事実でないと断言しました。
すでに本件に関しては、2022年7月からNPO法人と飲食店の双方が弁護士を立てて協議しており、土佐市も顧問弁護士と対応を協議しながら取り組んできたと説明しています。現在は3者協議の場を設けるようにNPO法人と飲食店と協議しているものの、飲食店側が代理人弁護士を変更するため、時間を要しているということです。
板原市長は最後に、「今後におきましても引き続き、法令を順守し、早期の解決に向けて、積極的に対応していく所存でありますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます」とコメントしています。
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