「X(Twitter)のロゴはフリーメイソンのシンボルに似ている」 荒唐無稽な陰謀論に人々が熱狂する理由(2/3 ページ)

» 2023年08月10日 17時25分 公開
[雨宮純ねとらぼ]

陰謀論に一部の人々が熱狂する理由

 話をロゴと陰謀論の関係に戻そう。

 ロゴをはじめとしたデザインに証拠を見いだす行為に陰謀論者たちが熱中するのは、それが退屈な日常を刺激的な陰謀論に直結させるスイッチになっているからだ。この構造は以前解説した、アメリカのバイデン大統領など、多くの著名人を「ゴム人間」だと思い込む「ゴム人間陰謀論」でも同様である(関連記事)。

 陰謀論の思考回路を脳にインストールすると、街中で見かける看板は秘密結社や悪魔崇拝の印となり、単なる顔写真がゴムマスクの証拠に変貌してしまう(「なぜわざわざそんな目立つ場所に証拠を隠しているのか」とツッコんではいけない。とにかくそうなっていると思い込むだけで気持ちが良いのだ)。

 日本でも出回っている例で挙げると、「某回転寿司チェーンは一部の皿の中央にピラミッドを思わせるマークがあり、フリーメーソンの寿司屋」「某カフェチェーンは創業当初のロゴを逆さにすると悪魔に見えるため、悪魔崇拝のカフェ」「某エナジードリンクのデザインは、ヘブライ数字で見ると666になるので、これも悪魔崇拝(デザインに遊びとして入れている可能性はあるが、悪魔崇拝ということにはならないだろう)」などなど……。

Twitter X フリーメイソン 陰謀論 街中の風景も陰謀論の思考回路を脳にインストールすると違って見えてくる(画像はUnsplashより)

 このような陰謀論を受け入れると、あらゆるものが壮大なストーリーの証拠になり、生活で得られるさまざまなものを快楽に変換できるようになる。SNSで流れてくる投稿を読んでいるだけで「世界の真理」を知り、自分自身があたかも「人類を救う正義の戦士だ」と思えるようにもなるのだ。

 個人で陰謀論を楽しんでいる分には目くじらを立てることもできないが、それを拡散するとなると企業などに大きな損失を与える可能性があり、訴訟をはじめとした思わぬ騒動を起こすことにもなりかねない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/12/news008.jpg 幼稚園の「名札」を社会人が大量購入→その理由は…… 斜め上のキュートな活用術に「超ナイスアイデア」「こういうの大好きだ!」
  2. /nl/articles/2405/13/news027.jpg 赤ちゃんが猫におそるおそる手を伸ばすと……猫の予想外な反応が130万再生 「猫沼にハマった瞬間」「赤ちゃんを認識し尊重している」
  3. /nl/articles/2405/12/news016.jpg 海の危険生物“ゴンズイ”を水槽に入れてみたら…… ヒヤリとする光景に「毒は絶対やばい」「ガチ草」
  4. /nl/articles/2405/12/news021.jpg 「900円は安過ぎる」 喫茶店でプリンアラモード購入→見本と違いすぎる“激盛り”に仰天 「逆写真詐欺」
  5. /nl/articles/2405/13/news036.jpg プロカメラマンに「奈良っぽい写真を撮って」とお願いしたら…… 「奈良 of 奈良」「鹿もプロの方ですか?」絶賛と爆笑の210万表示
  6. /nl/articles/2405/13/news092.jpg Cocco、25歳息子の悪性リンパ腫を公表 この1年は「入退院と通院をくりかえした」「病気と戦った息子本人が1番大変だったはず」
  7. /nl/articles/2405/12/news042.jpg 「そうはならんやろ」 牛肉の煮込みに赤ワインを使った結果…… まさかの展開にツッコミと共感の声
  8. /nl/articles/2405/10/news140.jpg 「怖すぎ」「絵面つよい」 “あの果物”が発火!? 知らないとヤバい「電子レンジに入れてはいけないTOP10」がためになる
  9. /nl/articles/2402/04/news011.jpg 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  10. /nl/articles/2405/13/news021.jpg 「うさぎの目は360度見える」説を検証したら、想像の斜め上だった 驚きの結果に大反響「マジかよww」「すばらしい!!」
先週の総合アクセスTOP10
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評