SNS投稿が“パレスチナ寄り”と「スクリーム7」を解雇された俳優、「沈黙は選択肢にない」と声明発表 ボイコット呼びかける声続々(1/2 ページ)
妹役のジェナ・オルテガも出演しないと報道。
スラッシャー映画の人気シリーズ第7作目「スクリーム7」で主演を務める予定だったメキシコの俳優メリッサ・バレラが、SNSへの投稿が“反ユダヤ主義”であるとして製作会社から解雇に。SNSでは彼女の名前や「#BoycottSCREAM7(スクリーム7をボイコットしよう)」のハッシュタグがトレンド入りするなど波紋が広がる中、メリッサは自身のInstagramで声明を発表しました。
事の始まりはメリッサがInstagramストーリーズへ、現在衝突が続いているイスラエルとハマスの紛争に関して「西洋のメディアは(イスラエルの)側面しか見せない。なぜそんなことをするのか。あなた自身で推測してもらいましょう」と投稿し、パレスチナで起こっている悲劇を中心とした投稿をいくつかシェアしたこと。11月21日には米Variety紙が、この投稿が“パレスチナ寄り”であるとしてメリッサが「スクリーム7」を降板させられたと報道しました。
同作を製作するスパイグラス・メディア・グループはコメントを求められ、「スパイグラスのスタンスは疑いなく明白なものです。私たちは反ユダヤ、あるいは大量虐殺、民族浄化、ホロコーストの歪曲(わいきょく)、ヘイトスピーチへの一線をはっきりと越えるいかなるものへの虚偽の言及を含む、いかなる形の扇動も決して許しません」とメリッサを解雇したことを認めました。また、この決定はメリッサが「パレスチナを支持しているから」ではなく、SNSの投稿が「反ユダヤ主義と判断されたため」とその違いに言及しています。
この後、メリッサは現地時間22日にInstagramストーリーズへテキスト画像を投稿。「何よりも第1に、私は反ユダヤ主義とイスラムフォビアを非難します。私はどのようなグループに対するヘイトも偏見も非難します」と、まず自身は反ユダヤ主義ではなくイスラムフォビアでもないと明言しました。
続けて「ラティーナとして、誇り高きメキシコ人として、私は耳を傾けてもらえるという恩恵を得られるプラットフォームを所持していることの責任を感じており、私が関心を寄せる問題への意識を高めるため、必要とする人へ私の声を貸し出すためにそれを使ってきました」と顔や名前の知られる立場である自身のSNS投稿は多くの人に声を届けられると認識していること、そしていま声を届けることが必要な人のため代わりに声をあげるといった責務があると主張しました。
さらに、「地球上の全ての人が……平等な人権、尊厳、そしてもちろん自由に値します。私は、人々の集団は指導者ではなく、いかなる統制機関も批判の上に成り立つべきではないと信じています。これ以上死者が出ず、暴力もなくなり、平和的共存ができるよう日夜祈っています。私は最も必要とする人のため声をあげ続け、平和と安全、人権と自由を擁護し続けます」と全ての人が安寧に暮らせる世界を願っているとつづりました。そして最後は「沈黙は、私の選択肢にはありません」と結んでいます。
メリッサは現在も自身の言葉通り、Instagramストーリーズへパレスチナで起こっている悲劇を広めるための投稿を続けています(記事執筆時)。
メリッサはシリーズ第5作目の「スクリーム」(2022年)から、サム・カーペンター役でシリーズに参加。第6作目となる「スクリーム6」では第1作目から主人公を務めてきたシドニー役のネーヴ・キャンベルが報酬の交渉で合意に至らず降板となり、サム役のメリッサと、その妹タラを演じるジェナ・オルテガが主演となりました。しかし今回、「スクリーム7」をメリッサが降板させられたというニュースが流れたのち、妹タラ役のジェナも同作には出演しないとの報道がありました。これはメリッサの件とは関係なく、主演しているNetflixのシリーズ「ウェンズデー」シーズン2の撮影とのスケジュールの兼ね合いであると報道されていますが、メリッサもタラも出演せずとなれば同作の主人公が誰になるのか注目が集まります。
メリッサの解雇が明らかになると、彼女のSNSコメント欄にはエールが殺到。またX(Twtter)では彼女の名前や同作のボイコットを呼びかけるハッシュタグをつけ、「パレスチナを支持することを表明したメキシコ人女性をクビにした映画なんて、絶対に見ないからね」「勇気を持ち、自分のプラットフォームを使い、沈黙させられ続けている人々のために声をあげてくれてありがとう!」など、彼女を解雇した製作会社を批判し同作のボイコットを呼びかける声や、イスラエルとハマスの紛争に関しては普段と違い沈黙を貫くセレブが多い中、声をあげることを決意した彼女をたたえる投稿が続いています。
また、同作からシリーズの監督を務める予定のクリストファー・ランドンは、メリッサの解雇が騒動になるとXへ声明を発表。「これは僕の声明:何もかも最悪。わめくのはやめてくれ。これは僕が決めたことじゃない」と投稿していましたが、現在は削除。これに対しては「クリストファー・ランドンはメリッサに申し訳なさそうな振る舞いをしてるけど、結局監督を離れないだろうし映画の宣伝をする際には“夢がかなった”っていうんだろうな」「クリストファー・ランドンの投稿はつまりこういうこと“ごめんなさい。僕のことは嫌わないで”」「もし僕が有名人でこんなことを書いたとしたらアカウントは消して2度と戻ってこないな」とわずかに同情的な声も見られるものの、多くは批判的な声があがっています。
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パレスチナに言及せず。
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