豪ブランド、女性用水着の広告に“男性モデル”起用で賛否 「女性をエンパワーするんじゃ?」「水着は全ての人のため作られた」(1/2 ページ)

モデルは普段から女性用水着も愛用。

» 2024年02月06日 18時55分 公開
[城川まちねねとらぼ]

 オーストラリア発水着ブランドの「モアナ・ビキニ」が1月19日、女性用水着に男性モデルを起用した動画をInstagramへ投稿し、SNS上で賛否を呼んでいます。インフルエンサーのカリーナ・イルビーによる同ブランドは、2011年にハワイのブランドと提携して誕生し、「エンパワーメントと包括性のポジティブなムーブメントの最前線にいる」としています。

水着ブランド「モアナ・ビキニが」の女性用水着の広告に男性モデル起用 「モアナ・ビキニ」を男性モデルのジェイク・ヤングが着用(画像はモアナ・ビキニのInstagramから)

モデル「マイノリティに力を与えるもの」

 カラフルな色と柄のモアナ・ビキニは、ショーツについてはお尻が半分ほど隠れるハーフバックカットであることも特徴。

 同ブランドが今回投稿した動画では、シンプルな白の無地、背中が大きく開いてひもで結んである大胆なワンピースの水着をフィーチャー。モデルに選ばれたジェイク・ヤングは、太陽の下、髪をなでつけセンシュアルな視線を投げかけたり、腰から下を動かす女性モデルばりのウォーキングを披露しました。

 ジェイクは普段、男性用の衣類だけを身に着けるモデルというわけではなく、自身のInstagramへ投稿した写真では、女性用のブラジャーとショーツがペアになった水着を着ることもあれば男性用のビキニを身に着けたものに加え、長い髪のウィッグやメイク、女性用のさまざまなファッションを楽しむ姿を展開しています。

 女性用ファッションを着こなすことに長けた男性モデルといえますが、顧客やユーザーからは筋骨隆々の鍛え抜かれた男性の身体を持つジェイクが、女性モデルの仕事を1つ奪う形になったことへの批判などが殺到。

 ジェイクは当該投稿のコメント欄へ、「女性にはいろいろなタイプがいる。あなたが“普通”だと考えるものと違う解剖学的身体を持つ女性たち。私は女性ではないしそう主張したこともない。この投稿は単にマイノリティに力を与えるもので、そのことへ永遠に感謝する。あなたの憎しみはあなたの不安の反映であって、私のものではない」と、まず“女性はさまざま”である一方で“自身は女性だと主張していない”と明言。今回の動画はただ“マイノリティのため”だと強調しました。

女性の立場を奪うものではないかという意見も

 これに対し、「驚きはしないが失望している。男性が女性用水着を着ることは別に構わないよ。男の子なんだからなんだってできるでしょ」「女性をエンパワーするんじゃなかった? 男性は、女性が大切にしてきたものを全部乗っ取ろうとしてるみたい」「女性ではない人が、女性とは何かを語るのは好きではない」「10年愛用していたけどもう2度と買わない」など批判の声が。

 「誰がどんな服を着ようと問題にしない」とする見解とは別の論点として、社会的な優位性があるとされる男性が商業的な広告を通じて、女性の立場を奪った印象を与えるものだとする声が多く寄せられました。

 反対に広告を支持する人からは、「どういうものがセクシーなのかわかる? ありのままの自分で、着たいものを着ること」「自分の不寛容さをわざわざ告げることはない。ここはそういう人たちの場所じゃない」など、ジェイクへの批判を“不寛容”であると捉えるコメントも。

 また、「“全ての身体のためデザインされた水着”と書いてある」「この水着は全ての人のために作られたんだよ」「彼はあなたや私、そしてここにいるみんなと同じ。たまたま素敵な水着が好きなだけの人間なんだ」など、同ブランドのコンセプトはあらゆる人々のために水着を提供することにあり、女性用と決まっているわけではそもそもないのではないかという意見が上がりました。

ブランド創設者「モアナは全ての身体をエンパワーしてきた」

 なおブランド創設者のカリーナは、「モアナは2011年以来、全ての身体をエンパワーしてきた。この動画はあなたにショックを与えるはず」「もしあなたが自分の“怒り”を知らせなければならないとしたら、テイラー・スウィフトの『YOU NEED TO CALM DOWN(ちょっと落ち着いて)』を聴くことをおすすめする。あなたは特別だよ」と、今回の騒動に言及しています。

水着ブランド「モアナ・ビキニが」の女性用水着の広告に男性モデル起用 ブランドを作ったインフルエンサーのカリーナ・イルビー(画像はカリーナ・イルビーのInstagramから)

 カリーナら広告を作った側からのコメントに対しては、「私はこの水着も広告も好き。でも違う意見を持つ人に対するあなたたちの対応はプロではなく未熟」と、批判を軽くいなすレベルにとどまっている態度を疑問視する人も。

 同様の事例としては、英VOGUE誌2022年10月号で、106年の歴史で初めて男性のティモシー・シャラメが表紙を飾った際、やはり同誌初の男性編集長であるエドワード・エニンフルはこの決断を「英VOGUE誌は、まず第1に女性を祝福する場であることをずっと意識してきました。私は、男性が単独で登場して目立ったり主張したりする場にはしたくなかった」などその経緯を語った結果、批判もなく多くの人から支持された一件があります(関連記事)。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news042.jpg 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  4. /nl/articles/2411/14/news090.jpg ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  5. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. /nl/articles/2411/13/news162.jpg 「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
  9. /nl/articles/2411/14/news035.jpg 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
  10. /nl/articles/2411/12/news194.jpg 「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた