豊洲の地図を“年代別”に比較したら…… 築地市場移転などで注目を集める場所の“意外な歴史”が勉強になる(1/3 ページ)
1936年から現在まで見比べてみました。
国土地理院のサイト「地理院地図」では、ある場所の上空からの景色を年代別に見ることができます。今回は、築地市場移転などで近年注目される「豊洲」の上空写真を、1936年から現在まで見比べてみました。
1936〜1942年
豊洲エリアは、もともと大正時代に関東大震災のがれき処理を兼ねて生み出された埋立地です。しばらくは埋立地番号をとってそのまま「5号地」とよばれ、1937年になってやっと町名がつきました。町名の由来には諸説ありますが、豊かに栄える島という意味を込めた、震災のがれきで造られたため貴金属が掘り出されることがあったことで「宝島」などと呼ばれていたのが豊洲となった、などの話があります。
現在と比べてみると、この時点では後に豊洲市場などができる豊洲6丁目付近にはまだ陸地そのものがありません。
1945〜1950年
第二次世界大戦末期、豊洲は空襲で複数回焼けました。この土地には造船所や軍の施設があったのです。
戦後は石炭や鉄鋼を扱う事業が豊洲に集まりました。これは、GHQによる接収の都合で、東京港のほぼ全域が使えなかったためです。この写真の少し後、各施設が完成するころには、豊洲はさながら東京のエネルギー基地のような様相になりました。
1961〜1969年
高度経済成長期には、さらに埋め立てが進みました。このころには、ものづくりの場としてだけでなく街としてもずいぶん整備され、区民館や幼稚園も設けられています。
そして、この写真ではついに6丁目に陸地が……! 現在の豊洲市場の位置には、工業施設と思われるものが立ち並んでいます。
1974〜1978年
ここからは画像がカラーに。1974年、豊洲にセブン-イレブン日本1号店ができました。ちなみに、この店で最初に売れた品物はサングラスです(なぜだ)。
1987〜1990年
1988年には、地下鉄有楽町線の豊洲駅が開業し、都心へのアクセスがさらに便利になりました。この時期の豊洲6丁目は、かつて見られた野球場がなくなったり、工場の設備が一部撤去されたりしています。
2009年
ちょっと見ない間に高いビルが増えました。1丁目の豊洲ONビル、3丁目の豊洲センタービルなど、いまも現役の大きな建物が見えます。
また、当時はすでに築地から豊洲に市場が移ることが決定していたため、6丁目にあったかつての工業街は空き地が目立つようになりました。
2019年
前年の2018年に豊洲市場がオープン。写真でも、6丁目エリアに市場の建物がくっきり見えます。このあたりには、よく見るとかつてなかった道も整備されています。すっかり現在の豊洲の姿になりました。
なお、2023年には豊洲・日本橋間で舟旅通勤のルートが整備され、水辺のにぎわいの新たなかたちが模索され続けています。
参考文献
セブン−イレブン・ジャパン50周年記念サイトより「1973-1979黎明期」
近藤仁美(こんどう・ひとみ)
クイズ作家。国際クイズ連盟日本支部長。これまでに、『高校生クイズ』『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?』等のテレビ番組の他、各種メディア・イベントなどに問題を提供する。2023年、「Trivia Hall of Fame(トリビアの殿堂)」殿堂入り。著書に『人に話したくなるほど面白い! 教養になる超雑学』(永岡書店)など。
関連記事
- 新宿の地図を年代別に比較したら…… 東京都庁がある場所の“意外な歴史”が勉強になる
- 日本地図で「イオンがある都道府県」に色を塗ったら…… その結果に「マジで!?」「全国にあるのかと思ってた」と驚きの声
- これが四国内の移動の「理想」と「現実」です 地元民は分かる2枚の地図に「本当にこれ」「初めて知った」
- 「イメージする秋葉原」と「地名としての秋葉原」はこんなに違う!? 2枚の比較地図が「知らなかった」「勉強になる」と話題に
- マクドナルドの値上げ対象店舗を地図上で可視化したら…… 賃料や人件費が高い地域がよく分かると評判
- コメダ珈琲店の価格差を地図にしたら…… 意外な結果に「そういうことか!」「同じ渋谷でも値段が違う!?」と注目集まる
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
「情報を漏らされ振り回され……」とモデラー“限界声明” Vtuberのモデル使用権を剥奪 「もう支えられない」「全サポート終了」
-
「うどん屋としてあるまじきミス」→臨時休業 まさかの“残念すぎる理由”に19万いいね 「今日だけパン屋さんになりませんか」
-
“ドームでライブ中”に「76万円の指輪紛失」→2日後まさかの展開に “持ち主”三代目JSBメンバー「誰なのか探しています」
-
高畑充希と結婚の岡田将生、インスタ投稿めぐり“思わぬ議論”に 「わたしも思ってた」「普通に考えて……」
-
「本当に同じ人!?」 幼少期からイボをいじられていた男性→美容師の“お任せカット”が衝撃 「めちゃくちゃ大変身」
-
「おててだったのかぁああああ」「同じ解釈の人いた笑笑」 ピカチュウの顔が“こう見えた”再現イラストに共感続々、464万表示
-
「腹筋崩壊」 ハスキーをシャンプー&パックしたら…… “予想外のハプニング”に「こ〜れは大変だわ」「沼にでも落ちたのかとwww」
-
“歌姫”ののちゃん、6歳現在の姿に驚きの声「あれっ!?」「ビックリしてます!」 2歳で「童謡こどもの歌コンクール」銀賞受賞
-
黄ばみのある68年前のウエディングドレスを修復すると…… 生まれ変わった姿に「泣いた」「受け継ぐ価値のあるドレス」
-
走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
- 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
- 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
- ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
- 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
- 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
- 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
- フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
- 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
- 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
- ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
- 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
- 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた