「えっ」「わぉ」 わずか2日でこんなに立派なものが!? 土木工事の“信じられない裏側”が345万再生「感謝と尊敬しかない」(1/3 ページ)
すばらしい技術です。
通常なら1カ月以上かかるような工事をわずか2日で完了させた画期的な土木技術がYouTubeで話題です。動画は記事執筆時点で345万再生を突破し、3万3000件を超える高評価を集めています。
現場は……
動画を投稿したのは、土木の仕事について発信する三浦開発(大分市)のYouTubeチャンネル「MKプロジェクト【土木のおしごと】」。三洋建設(大分県臼杵市)の協力により、土木工事の様子を公開しています。
現場は、砂防ダムから流れる水を安全に導くための流路。土や砂利を掘り起こした状態ですが、安定して管理するためには三面張りのコンクリートの施工が必要になります。
通常は掘削、型枠組み、コンクリート打設などの工程を経て1カ月以上かかる工事を、画期的な施工アイテムを使うことでわずか2日で終わらせるといいます。
布製型枠
使うのは布製型枠というアイテム。包みの中から大きなシートを取り出し、数人がかりで広げて流路の周りに固定していきます。
現場にコンクリートポンプ車が到着しました。布製型枠の注入口にホースを差し込み、モルタルを注入していきます。
モルタルが注入されると、型枠がバルーンのように膨らんでいきます。注入直後のモルタルはまだユルユルの状態。職人さんが触ると、中身が動いているのが分かります。
モルタルが入ったら手と足を駆使して、しっかり充填されているか、偏りがないかを確認します。
透水性のある型枠内では、注入圧力によって余分なコンクリートの混練水が絞り出され、短時間で高強度のモルタルを形成することが可能とのこと。片側の側面と底面を打設した後、モルタルが入らないようにせき止めていた糸を外し、もう一方の側面にも注入していきます。
人材不足
関係者によると、この現場はもともと一般的な型枠を組む設計でしたが、手間がかかりすぎて工事が成立しなかったとのこと。土木業界は人材が不足しているため、人手がかからないことが大切とのことです。
ちなみに一般工法で進める場合は流路を余分に掘る必要があり、擁壁が出来上がったら後ろを埋め戻す手間がかかるので、布製型枠を使うことにより工期が短縮されるとのこと。布製型枠は表面に凹凸があるので、流速が落ち着くメリットもあるそうです。
流路全体を覆うには、布製型枠がいくつも必要。広げて固定して、モルタルを注入する作業を何度も繰り返します。
終点まで来たら布製型枠を糸で縫い合わせ、流路の形状に沿うように調整を施します。ここにきて裁縫的な要素が登場するとは思いませんでした。
完成!
最後の部分までモルタルを注入したら、流路の形の沿った布製型枠が完成。上部にはみ出た布を型枠の裏側に差し込み、たまった混練水をきれいに流します。
作業をしているのはセミの声が聞こえる季節。空調服を身に着けた作業はとても過酷だったことが想像できます。
職人さんに称賛の声
布製型枠という革新的なアイテムと、これを生かす職人さんの技術が形になった今回の工事。コメント欄には「えっ! 天才!? 暑い中の丁寧な作業、本当にありがとうございます!」「感謝と尊敬しかない」「わぉ! こんな工事初めてみました」「こんなに立派なのがたったの2日間で出来上がるなんて信じられないですね」「圧力で余分な水分が排出されるってのがすごい技術とアイデアだね」「手際よく作業を進められる現場の人の柔軟性と実行力に感服」と、称賛する声が寄せられています。
三浦開発は、YouTubeチャンネル「MKプロジェクト【土木のおしごと】」で普段目にすることの少ない土木工事の裏側をたくさん公開しています。
「MKプロジェクト【土木のおしごと】」動画まとめ
動画提供:YouTubeチャンネル「MKプロジェクト【土木のおしごと】」
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