メイドトレインでまったりと生ぬるく聖地巡礼をしてきました:テツゆえに
1月14日、西武鉄道の特急「レッドアロー」号をメイドカフェに見立てた「メイドトレイン」が池袋−西武秩父間で運行された。使われる車両が「レッドアロークラシック」だというキーワードだけで参加を決めてしまった、アラフォーテツの困惑と感動をお伝えします。
初「メイドトレイン」そして初「レッドアロークラシック」
1月14日午前8時半。集合時間に西武池袋駅へ行くと黒山の人だかりが。何となく、わたしと同じようなニオイがする人たちが集まっているようだ。もちろんそこは、今回のイベントである「メイドトレイン」に乗車する方々である。
わたしはというと、“乗りテツ”と“撮りテツ”であることを自認するものの、正直言ってメイドさんにはあまり興味がない。メイドカフェなんて仕事で5回くらい行っただけだし、あとは秋葉原を歩いていると見かけるなぁ、という程度。ではなぜこのイベントに参加を決めてしまったかというと、最新の「10000系ニューレッドアロー」を初代の「5000系レッドアロー」に似せたカラーで塗装した「レッドアロークラシック」とした車両が使用されるから、だ。秩父に行ったときにニューレッドアローには乗ったことがあるが、2011年11月27日に登場したこの編成には乗ったことがない。ちなみに、西武鉄道で行われるメイドトレインイベントは、2010年12月に引き続き2回目である。
午前9時17分、レッドアロークラシックが西武池袋駅に入線する。アテンダントとして乗車するメイドさんたちはすでに乗車しており、一礼して迎えてくれる。
ドアが開くと同時にメイドさんがドア脇にスタンバイ。皆さんをお出迎えして、一路西武秩父へ。いよいよツアーのスタートである。
ちなみにこのツアーでは、西武秩父駅までノンストップだ。ただし臨時運行列車らしく、途中途中で運転停車(駅に停車するがドアは開かないこと)をしながら進む。社内には「けいおん!」「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」から「めぞん一刻」、果ては「アルプスの少女ハイジ」まで、年代層ジャンル問わず幅広いアニソンがずーーーーっと流されていた。客層は、わたしのようなアラフォーと思われるお1人様乗車と、10代後半〜20代および30代と思われる数人のグループでの参加(レイヤーさんたち含む)という感じではっきりと分かれていた気がする。
各車両には1人ずつメイドさんが乗車しており、先ほども書いたように、順番にご挨拶して話しかけてくれる。もちろんわたしのところにもいらっしゃったのだが、20歳以上も離れている(だろう)メイドさんなどと、どうやって話していいのかよく分からない。うわ、近づいてくるよ……。
メイドさん 「こんにちはー。○○ですぅー」
わたし 「あ……。こ、んにちは」
メイドさん 「どちらからいらっしゃったんですかー?」
わたし 「えーと。江東区……」
メイドさん 「わー。都会からいらしたんですねー。わたしなんて青梅だから田舎ですよー。初めてのご参加ですか?」
わたし 「ええ、まあ……」
メイドさん 「そうですかー。メイドトレインデビューですねー。楽しんでいってくださいねー」
……。どんな反応にもうまく受け答えしてくれる。立ち去るときも「またあとで来ますねー(はあと)」と、ホストへの気配りも欠かさない。秋葉原のメイドさんたちから選りすぐられた方が乗車しているというだけあって、さすがプロである。自然とおじさんの口元もゆるみがちになる。感動した。
そのあとはというと……、特にイベントもなくまったりとした進行。ただひたすらレッドアロークラシックに乗っているだけ……。まあ、普段乗ることがない西武池袋線に乗車しているというだけで、テツ的には満足なのだが。しばらくしたらメイドさんがグッズの車内販売に来たので、緩みがちな心のままニューレッドアローのBトレインショーティーを衝動的に購入。あとで思ったのだが、そんなの、どこでも買えるだろうに。
飯能駅のスイッチバックを順調にこなしたあとは、市街地から山の中へと景色が一変する。もうすぐ西武秩父だ。今度はメロンパンの販売が来たので、これも購入する。
午前11時14分、西武秩父駅に到着。駅では即席のメイドさん撮影会が開催された。
西武秩父駅だけで生ぬるく聖地巡礼
さて、西武秩父駅である。秩父といえば、ここを舞台にしたアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(以下、あの花)である。列車の中でもらったパンフレットには「めんまのおねがいさがし」という“聖地巡礼用マップ”が入っており、アニメの舞台になった場所が、地図とともに描かれている。帰りの列車は午後2時31分発。この間3時間強。巡礼の旅に出てもいいかと思ったが、その場所の多くは、ここから秩父鉄道に乗り換えて1駅先の秩父駅周辺にある。そこまで行ってもいいのだが、秩父鉄道は列車の本数も少ないし、帰りの時間に間に合うように戻ってこられるか不安だ。まあ、西武秩父駅自体もアニメに出てくるし、よしとする。何て生ぬるい聖地巡礼。
ところでメイドトレインでは到着してまもなく、メイドさんの司会でビンゴゲームが開催された。上位10人には記念品が贈呈されるということだったが、もちろんわたしは当たりませんでした……。
その後はまったりとお昼ご飯タイム。ラーメン屋から出てきたら、今度はコスプレ大会イベントをやっていた。でも参加したのは6組だけ。ちょっと少なかったかな……?
コスプレ大会もそんなに時間がかからず終了。帰りの時間までまだ1時間近くある。でも用意されたイベントは終わったみたいだぞ……。それに外だから寒いし。なんか、まったり過ぎる時間進行なんですが。しょうがないので駅前にある土産街「西武秩父仲見世通り」でもひやかしてみるか。「あの花」の関連商品がたくさん販売されているし。あと、なぜか痛車が駅前に集合していたので、それでも撮るかね。多分、このイベントに合わせて集まってきたのだろう。
寒空の中、仲見世をうろついていると、ようやく帰りの時間に。帰りの車内では勝ち抜き形式のクイズ大会が開催された。でもわたしは朝が早かったし、なんかもう眠くてイベントは……。眠い目をこすりながら参加したのだが、不思議と最後まで残り、USBメモリをゲットした。がっつかないことって、大事ですね人間。その後は申し訳ないですが、落ちてましたずっと。そして列車は午後4時32分、西武池袋駅に無事到着。イベントはつつがなく終了したのだった。
参加した感想。メイドさんたちはさすがだった。これは満足。でもテツ分が不足。途中で車両基地を通過すると窓際に寄って「バシャバシャバシャバシャ」と撮影する人が結構いたり、コスプレをしていた女性が武蔵野鉄道(西武鉄道の前身)について熱く語っていたりと、参加していた人はテツが多かったようなのに残念だった。向谷実さんが仕切るイベントレベルにとまでは言わないが、せっかく特別列車を運行しているのに、もうちょっと工夫が欲しかった。あとは「あの花」。これを少しでもネタに使うなら、聖地巡礼もツアーに組み込むとかして、西武秩父駅で過ごした3時間半をもう少し有意義に使えたのではないか、とも思った。普通にレッドアローで往復すると2740円のところ、5500円も参加費を取るのだから。わたしはUSBメモリをもらえたので満足だが、ちょっと割高だと思う人もいるのではないだろうか。次回のイベントに期待したいところだ。
関連記事
- 今度の西武鉄道「メイドトレイン」はコスプレ乗車もOK
1月14日に復活運転する「メイドトレイン」は、コスプレ乗車も、びっぐぬいぐるみの“嫁”同伴もOKだ。 - 走るメイド喫茶:西武鉄道の「メイドトレイン」、再び運行
西武鉄道が1月に「メイドトレイン」を再び運行。前回の運行が非常に好評だったという。 - 「あの花」記念乗車券、西武鉄道が発売
西武秩父駅限定でアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の記念乗車券が発売される。あの花のイラスト入りICカード用パスケースも登場。 - 秩父が「あの花」色に染まる 聖地巡礼イベントで「めんまの願いを叶えよう」
聖地巡礼イベントの開催やロケ地マップの配布など、今年の夏は秩父市が「あの花」色に染まる。 - 「お嬢様、船上晩餐会のお時間でございます」 執事付きディナークルーズ、参加者募集中
執事によるエスコートが受けられるフェリーツアーが登場。さあ、そこのお嬢様もディナークルーズへ出かけましょう。 - ねとらぼ:走るメイド喫茶、茨城のローカル線で運行
水戸コミケと同じ日、茨城の湊線と大洗鹿島線に“走るメイド喫茶”が登場する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.