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冨田勲、新作交響曲「イーハトーヴ」初演の歌手に初音ミクを指名

初音ミクさん、オーケストラとの共演が決定しています。

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画像 冨田勲の手にミクさん

 初音ミク、オーケストラと共演。HMOの話ではない。冨田勲の新作交響曲「イーハトーヴ」の初演が11月23日、東京オペラシティコンサートホールで行われる。大友直人指揮の日本フィルハーモニー交響楽団に合唱団を加えて総勢300名に及ぶ出演者の一人が初音ミク。歌手としてオーケストラとして共演するのだ。

 宮沢賢治の世界を音で描く「イーハトーヴ」の中で、「注文の多い料理店」のストーリーを題材にした「猫のレストラン」で登場するエンターティナーが初音ミク。「かりそめのボディ」「パソコンの中からは出られない」というミクのキャラクターが冨田勲のイメージに合致したようだ。

 シンセサイザーミュージックの巨匠から直接の依頼を受けたクリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之代表は快諾。しかし課題は残る。

 初音ミクのライブでは海外を含め3年の実績を持つが、生の演奏に歌声と映像を同期させるということは未経験。巨匠からの依頼に「必ず実現させなければ」と、自社の研究開発グループである「らぼぷとん」チームを投入。ミクが演奏に合わせて歌い、踊りもそれに同期させるシステムを現在開発中だ。

 VOCALOIDの方は、指揮を見ながらスピードをコントロールする要員を置けば可能だが、モーションをリアルタイムで追随させていく難易度は高い。このために、MMDくらい軽い3Dシステムを新たに用意し、プロジェクションシステムと組み合わせる予定だと伊藤氏は説明する。

 なお、ミクの衣装はまだ決まっていないらしい。「冨田先生からは十二単ってリクエストが来てる」そうだが、処理の重さを考えると難しいかもしれない。

 1974年にモジュラーMoogシンセサイザーだけで織り上げたアルバム「月の光」で世界の頂点に立ち、80歳を迎えたいまもチャレンジを続ける冨田勲が直々に歌い手として選んだバーチャルシンガー初音ミク、そして共演するのは日本を代表するオーケストラと指揮者。

 記者会見では仮組みの音源が披露されたが、「私は初音ミク。かりそめのボディ」で始まる歌詞。これにどのような踊りがつくのか、生のオケが加わるとどのようになるのか、これはもう生で見るしかないだろう。チケットは既に販売されている。

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