プリン+しょうゆ→ウニ たくあん+牛乳→コンポタ 似た味になるそのワケは?
しょうゆとプリン、きゅうりと蜂蜜など「アレとアレを一緒に食べるとあの味になる」現象は、実は科学的に説明できるんです。
「プリンにしょうゆをかけるとウニの味になる」――誰でも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。ほかにもきゅうりに蜂蜜をかけるとメロンの味になる、という組み合わせもありますね。まったく違うものなのに不思議!
実はこの現象は科学的に説明できるのです。今回、味覚分析サービスAISSYの鈴木隆一さん(通称「味博士」)の協力を得て、実際に試しつつ、同じ味になる理由を探りました。同社では味覚センサーを使って、5大基本味「酸味、塩味、苦味、うま味、甘味」を分析して数値化しています。この技術を使って「プリン+しょうゆ→ウニ」「きゅうり+蜂蜜→メロン」「牛乳+たくあん→コーンポタージュ」という3つの組み合わせを分析してみました。
プリン+しょうゆ
まずは有名なプリン+しょうゆ=ウニの組み合わせから。
さてお味は……。甘じょっぱいプリン。みたらし団子の味にも似ています。ウニに近い味と言われれば、そんな気もするような。
では、なぜそのような味に感じるのでしょうか。プリンとしょうゆの味をデータ化したチャートを見てみると、プリンは甘みが強く、一方しょうゆは塩味が際立っており、うま味と酸味があります。プリンにしょうゆをかけると、プリンの甘みが減ったように感じられると同時に、しょうゆのうま味と酸味が加わります。これが、ウニの味に近付く理由のようです。ただ、しょうゆとプリンだけでは苦みが足りないので、そこが完璧にはウニの味と感じられなかった原因かもしれません。
きゅうり+蜂蜜
お次はこちらも有名なきゅうり+蜂蜜=メロン。
たっぷりと蜂蜜がかかっているきゅうりをいただきます。ポリッポリッときゅうりの食感。続いて蜂蜜の甘さが口に広がります。メロンとまったく同じ味とは言えないですが、メロンの皮に近い部分っぽい味かも。
チャートで見てみると、きゅうりによって蜂蜜の甘みが押さえられ、味のチャートがメロンと似た形になっています。しかし、きゅうりと蜂蜜だけではフルーツ特有の酸味が少ないせいでメロンと言うには物足りなく感じたのではないでしょうか。
牛乳+たくあん
最後は、あまり聞いたことのない牛乳+たくあん=コーンポタージュ。これは少し勇気がいる組み合わせです。牛乳は濃厚な方がうまく再現できるとのことで、濃いタイプのものをチョイス。
におう……!! 強烈なたくあん臭が!! そこにクリーミーな牛乳の香りがブレンドされています。これを、飲むのか……。ええい! どうにでもなれ、かかってこい! そんな思いで一気に口の中へ。ん? においのインパクトとは裏腹に、まろやかなコーンポタージュ! 3つ試した中で、一番再現度が高いです。サイコロ状のたくあんをクルトンと思い込もうとしたのですが、やはりポリポリの食感がたくあんでした。意外とイケるかもと思ったのもつかの間。数秒後、やってきましたよ、たくあん臭が。そしてラストはたくあん味そのもの。
たくあんは塩味と酸味が際立っており、牛乳はうま味と甘みがあります。それらが合わさった結果、コーンポタージュに近い味覚の形に。一瞬コーンポタージュの味に感じられたのはそのため。ただ、本物のコーンポタージュより酸味が強いことから、後半はたくあんの味だったのでしょう。
食べ物を組み合わせると、別の食べ物に似た味になるのには科学的理由があったのですね。とはいえ、やはり本物のウニやメロン、コーンポタージュを食べた方がおいしいというのが実際に試してみた感想です。おいしさへの追求よりも興味が勝る方は、試してみてはいかがでしょうか。
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