受付にたどり着くまでに、すでにお腹いっぱい……
伊豆のB級スポットとしてインターネットやニュースサイトで話題の、「伊豆の怪しい秘密基地」はマジでどれほヤバいのか——。気になったら試さずにはいられない独身アラサ—記者。気が付けば新幹線に飛び乗り、レンタカーで現地に乗り込んでいました。そして見えてきたのは、看板からすでになんとも言えない怪しさが漂う巨大施設……。
平日ということもあり、人影はまばら。チケットを買う受付フロアに行くまでにも、意味不明過ぎてもはや芸術的とさえ思える、オブジェや建造物がズラリと並んでいます。
特に説明もなにもありませんでしたが、階段を上っていると至るところにオリジナルの神社がいっぱい。ホントにご利益あるのか限りなく微妙です。
もはやわけが分からなすぎてハイテンションになりつつ、次に目に飛び込んできたのは色んなところにありそうな「縁結び神社」。
「縁結び神社か、珍しくはないな」と思いきや……
車を降りて受付にたどりつくまで30分はたったでしょうか。100メートルもないのにこの濃さ、この豪華(?)ラインアップ。まだ入場してもいないのに、すでにお腹いっぱい胃もたれ状態です。
「この施設は考えるな、感じろ」
やっとの思いで受付を済ませ(入場料金は大人1200円、小中学生600円)、入場ゲートに到着。受付にいた年配の女性スタッフに施設の成り立ちや見どころを聞いてみたところ、「……ここは小難しく考えちゃダメ。何も考えずに、ただ“感じなさい”」というお言葉をいただきました。
他の従業員さんに聞いてみても、「この施設を説明しろって言われても難しいですよ(笑)」「考えたこともなかった」との回答。しつこく聞きまくってみたところ、なんでも、男性オーナーの趣味と頭の中をそのまま具現化したものとのこと。そういえば入口になんか書いてありました。
要約すると、「快適さや豊かさだけを求めて人々が見失ってきたものを思い、過ぎ去った懐かしい子ども時代や、大自然のリアルな雰囲気を味わって欲しい——」。すべてが効率化&機械化したこの時代へのアンチテーゼでしょうか。「子どもの頃の意味もなく怖かったり、不思議だったり、楽しかった“過去の匂い”を感じられる。そんな深い意味があるのか……」と一人しみじみ物思いにふけっていたのに、隣を見るとベロンベロンに舐め合っている「縁結び神社」の神様。
……うん、さっそく中に入ってみましょう。
施設内に広がる“懐かし過ぎるほどの昭和の香り”
施設内は悪酔い横丁や魔界神社など、さまざまなカオス空間が広がっていますが、中でも気になったのが「昭和の時代通り抜け」エリア。
各エリアに飾られたマネキンはどれもリアルで、展示されている小物もすべて本物。当時の本や端の欠けた茶碗、薄汚れた手ぬぐいなど細部へのこだわりっぷりが半端じゃありません。
これらは寄贈品などではなく、すべてオーナーの私物というのだからスゴい。他にも、昭和から平成までのおもちゃや雑誌、小説にポスターなどジャンルも無限で、懐かしい品々が所狭しと並んでいます。
同世代でも楽しめますが、世代の違う親や年上・年下と一緒でも「若い頃はこんなのが流行ってね……」と解説しながら盛り上がれそう。
最後は「密林にたたずむ大仏」で締めるべし!
すっかり昭和を満喫しノスタルジックな気分に浸ったあとは、施設のメインイベント(?)の巨大大仏が待ち構えています。「巨大っていってもそこまでじゃないだろう」とあなどりながら中をのぞいたところ、
あれ、なんか目が合った。
目に飛び込んできたのは、予想を絶する巨大大仏。なぜ密林の中にいるのかは定かではありませんが、なんでも「この建造物は聖徳太子像として、世界最大。地上寸法は11.5メートル」(パンフレットより)。世界最大の聖徳太子が伊豆にあったとは……!
これは一見の価値ありまくりです。
カオスなお土産も勢揃い。最後の最後まで飽きさせない「怪しい博物館」
見どころ満載のさまざまなエリアのせいで、もう胃もたれどころではなくまともに歩くことさえ困難になっていた記者。よし、そろそろ帰ろう! と出口に向かったのですが、そこにはカオス過ぎるお土産たちが待っていました。
スタッフの方によると、この施設の根強いファンは多く、「北海道や沖縄から泊まり込みで来る人もいる」「毎週欠かさず来る超常連さんも多い」とか。多いときは一日100人以上が押し寄せるらしい……! 人々をとりこにしてやまない伊豆の“怪しい秘密基地 まぼろし博覧会”。展示品やレイアウトはこまめに変わるらしいので、定期的に訪れてみてはいかがでしょうか。
(青山ゆずこ)
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