「『坊っちゃん』の時代」「シートン」などの作品で知られる漫画家の谷口ジローさんが2月11日に死去したことを受けて「孤独のグルメ」でタッグを組んだ漫画家の久住昌之さんが2月13日、自身のFacebookで谷口さんとの思い出や今の心境をつづっています。
最初に会ったのは23年も前の話。「孤独のグルメ」の連載の打ち合わせに行った際、当時30代だったという久住さんに谷口さんは「ボクでいいのかなぁ」と半信半疑で当惑している様子を見せていたといいます。
久住さんは谷口さんの漫画にかける熱いこだわりも紹介。「ボクの作った変な原作に、全力に真剣に向き合ってくれた。たった8pにアシスタント3人も使って一週間もかけた。アシスタント代を払ったら原稿料では完全な赤字だ。そういう人だった。なんでそんなに描き込むかと聞かれ、『この作品は言葉も少なく、料理の説明もほとんどない。だから、読者に主人公の気持ちを感じさせるには、主人公が見たものを見えたように描き込まなければならないんです』と、言っていた。言葉にもならない」と感激した当時を振り返りました。
2人が最後に会ったのは「孤独のグルメ2」の出版打ち上げが行われた2016年4月。「いつものとおり、宴会の席でも中心になって話したりせず、僕らに冗談に、穏やかに笑っていた谷口さんだった。病み上がりで、お酒も食べ物もほとんど手をつけなかったけど、みんなと一緒にいるのが楽しそうだった」とそのときの様子がつづられています。
今でこそ、ドラマ化などで大ヒットとなった「孤独のグルメ」ですが、当初はそれほど売れなかったらしく、それからジワジワと売れたのは「谷口さんが、時と場所を超え、何度も何度も読むに耐える絵を、漫画を、描いたからだ」と感謝の気持ちをコメント。
最後は「谷口さん、本当にお疲れさま。そして、本当にありがとうございます。稚拙で下手でおっちょこちょいのボクですが、もっともっと人々を楽しませるマンガや音楽を作ります。はるか遠方で見守っていてください」と新ためて感謝の言葉を贈り、これからも創作活動に尽力していく旨をつづりました。
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