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「カードキャプターさくら」の新シリーズと知世ちゃんの感情についてインターネットを守る翼竜

新鋭・にゃるらの連載。第3回はCCさくら!!

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 にゃるらです。コラム連載3回目なんですけど、このコラムにつけた「インターネットを守る翼竜」という適当なタイトルは、ねとらぼさん側が呼ぶ場合「翼竜」と略してまして、その度普通にカッコよくて気恥ずかしいです。「イン翼」とかの方が陵辱モノっぽくて好きです。


女児向けアニメのリバイバルブーム

 さて、昨今ではあの「カードキャプターさくら」が再ブームを起こしています。以前までの女児向けアニメ再ブームは「セーラームーン」でしたので、ついにCCさくらを当時楽しんでいた子どもたちも今や「懐かしさから昔ハマったアニメのグッズを購入する大人」としてターゲティングされた事になりますね。



 ちなみにセーラームーンといえば黒犬獣さんですが、セーラームーン再アニメ化などは特に関係なく、今でも変わらぬ熱量で妖魔に陵辱されるセーラームーン本を描き続けています。最近ではセーラー戦士ですらないモブ母娘本が良かったです。


カードキャプターさくらの新シリーズ

 2016年7月号の『なかよし』より、CCさくらの新章であるクリアカード編の連載がスタートしました。実に16年ぶりに再びCCさくらが載ったわけです。


CCさくら クリアカード編がスタートした『なかよし』2016年7月号の扉絵

 それに伴い各SNSでもCCさくら熱が再燃。先日さくらちゃん周りの恋愛関係の複雑さを解説するイラストやツイートが拡散され、そのネタに対し「さくらちゃんが誰が誰を好きでもおかしいと思わない世界観にしたかったというCLAMPの意思が伝わっていない」旨のツイートが広まるなど、CLAMPの偉大さをあらためて痛感したわけですが、個人的には花京院が平然と承太郎の子どもを産むCLAMP独自の世界観を基準にするのもどうかと思います。とにかく愛の形に多様性があるのは良いことですね。

 関係性の複雑さがよく分かる構図として、アニメ38話「さくらの楽しいいちご狩り」はすごいです。

CCさくら (アニメ38話より)

 画面にこれでもかと情報量が詰まっていますね。これでもメインキャラはそろっていないので、全体で見るとさらに複雑なのですが。そもそも知世ちゃんは授業中に同級生を撮影するのはどうかと思います。先生も後ろに普通に居るのに一切揺るがない彼女の意志が強い。

 CCさくらの複雑な恋愛模様の象徴と言える存在が「知世ちゃん」でして、新章でもさくらちゃんへの熱烈なラブコールはとどまることを知りません。さらに言えば新章からはさくらちゃんと小狼が完全に結ばれた状態からスタートし、当然親友としてその関係を知り応援しつつもさくらちゃんを見守り続けることを選択していますので、より拗らせ方が増したと言ってもいいでしょう。

 1巻発売日から各書店にて配布された「CCさくら新聞」では、知世ちゃんへの説明を「さくらのことが大好きで、カードを探しにいくときの服は全て知世が作っている。さくらの活躍をビデオに撮るのが喜び!」とだけシンプルかつ大胆に書かれています。彼女の全ての行動がさくらちゃんを基準に行われている事が伝わる良い文だと思います。

 新章開始に乗っかりLINEスタンプも販売されました。第2弾には、さくらちゃんと知世ちゃんの対のようなスタンプがあり、2人の関係性と知世ちゃんの感情の儚さが伺える最高の内容となっております。拗らせ具合的には知世ちゃんのお母さんのほうが異質なのですが、長くなるので割愛しました。



 今回の記事はそんな知世ちゃんの話をしていきましょう。


知世ちゃんの歪な愛の形

 新章2巻では「さくらちゃん本人の心配以上にさくらちゃんを撮影できなかった事を嘆く」描写がされたりと、依然変わりなく彼女への歪な愛情表現を続けています。知世ちゃんは一見、さくらちゃんの有益のために行動するキャラだと誤解されがちですが、アニメでもさくらちゃんに新衣装を着せるためなら半ばだますような作戦を実行したりと、とにかく欲望に忠実なことが分かります。



 ほわわんとしつつもつけ入る隙を一切逃さない知世ちゃん。後にさくらちゃんと恋人関係になる小狼の登場により、焦りが生じているのかもしれません。



 この後の11話「さくらと知世と大きなお家」では、知世ちゃんがさくらちゃんからもらった消しゴムをお守りとして保管している事実が発覚します。これに対し15話「さくらとケロの大げんか」内で、さくらちゃんも知世ちゃんからもらったお手紙を大切にしているシーンもありますが、知世ちゃんと違い消しゴムをお守り袋と箱へ入れて鍵を掛けたりするわけでもないので、ここでも互いの感情の温度差が顕著に見えます。知世ちゃんは「まぁ!」と至極うれしそうなのがかわいい。

 序盤だけでもキリがない程に愛情表現がありますので、最後に1つお勧めの回を。

 37話「さくらと消えた知世の声」はタイトル通り、知世ちゃんメインの回。コーラス部のコンクールを控えた知世ちゃんが「ボイス」のカードにより声を失ってしまいます。

 さくらちゃんは自分のせいで親友が声を奪われた自責の念で泣き出してしまし、自分が慰める相手であるはずの知世ちゃんに優しく抱きしめられます。『喧嘩商売』で言う「慰められたのは俺だった……」状態。筆談による「元気出してください」の字面が哀しい。



 知世ちゃんが何よりさくらちゃんの事を一番に考えている事が如実に現れた素晴らしい回です。知世ちゃんを心配するさくらちゃんを心配する小狼も、その小狼の様子に安心してさくらちゃんを任せようとする知世ちゃんもグッド。

 ラストで声を取り戻した知世ちゃんによるコーラスは涙なしでは聴けません。知世ちゃん(岩男潤子さん)の歌唱力は「KEY THE METALIDOL」や「パーフェクト・ブルー」で折り紙つきですし。


CCさくら周り

 というわけで、一度はおおっぴらに書いてみたかった知世ちゃんのお話でした。新章での絵柄が進化したCLAMPによる表情豊かな知世ちゃんは魅力的ですので、気になったら是非購入してみてください。

 オマケですが、いろいろと深い歴史のあるCCさくら板は、良くも悪くも異色な空間でして、あまり新章について取り立てて騒ぐ様子もなく、只々さくらちゃんへの異常な愛情を書き連ねられています。あやしいわーるど時代から続く伝統ですので、永久に変化することのない場なのでしょう。

 マストドンの方でもCLAMPファン用のインスタンスが作られています。のぞいてみた感じ、どちらかと言うとCLAMPの話以上に懐かしインターネット話が多く、こちらもCCさくら板と似たような現状。治安は断然マストドンの方が良好ですが。

 9月発売の3巻にはDVD付きの特装版もあり、またアニメで動くさくらちゃん達が見られる予定です。2018年1月からはクリアカード編の放送が控えており、現在もNHK BSプレミアムで旧作アニメが再放送中です。今後もCCさくらから目が離せませんね。



にゃるら

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