小さいころ好きだった漫画が、実は母親が参加していたサークルの同人誌だった――驚きの逸話をつづる漫画「母が昭和50年代に同人サークルしてた話」が、Twitterで注目を集めています。やがて同人文化の話へ移り変わる展開も興味深い。
作者のプル子(@puruko)さんは、ウサギのキャラクターが大好き。その源流は昔読んだファンシーな漫画「うさちゃん天使」にありました。そのことをお母さんに話すと、「それ、私の入ってたサークルの同人誌よ」と衝撃の事実が発覚。まさか娘の嗜好を形成した本に、母親が一枚かんでいたとは。
お母さんが同人活動をしていたのは昭和50年代(1975〜1984年)のことで、ある会員制サークルに参加していました。これは雑誌の募集などで参加した会員が、原稿と会費を持ち寄って同人誌を制作する集まり。出来上がった本は基本的に会員内で楽しんでいたようです。
お母さんの所属サークルに参加していた会員は主婦とOLが中心で、なかには男性会社員も。「うさちゃん天使」は主婦のかたが趣味で会誌に描いていたのだそうです。もちろんお母さんも自分の漫画を寄せていて、いつも脱稿が締め切りギリギリになり、プル子さんをベビーカーに乗せて会長の家へ入稿に行っていたのだとか。
お母さんの話は、やがてサークルオフ会の思い出に。幼いプル子さんを連れて喫茶店に集まり、みんなで落書きをして楽しんでいたそうです。そのときプル子さんは絵のうまいお姉さんに囲まれてワクワク。「うさちゃん天使」の作者からスケッチをもらい、「いつか自分もお姉さんみたいにお絵かきできるようになりたい!」と心をときめかせていたのでした。
母親の同人活動がもたらした思いは、30年ほどたった今もしっかり生きている様子。本人が「思ってたのとなんか違う」と言うように、作風は「ファンシー」から離れてしまったかもしれませんが、プル子さんはTwitterやpixivで絵の活動を続けています。プル子さんのエッセイ漫画「アラサーひきこもり女が2.5次元追っかけで社会復帰した話」でも、興味深い話がめじろ押し。
(沓澤真二)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「それ流すの〜? 」 まじめな相談も流しちゃう「ソレナガスクジラ」と流せないカニの漫画が深い
なんか、気持ちがざわざわするぞ。 - マッチ売りの少女と怖いお兄さんの漫画 お兄さんの不器用な優しさに萌えるしかない
不器用な優しさ。たまらん。少女、これは強い! - 毎日が尊さとの戦い!? 百合男子が女子しかいない高校に入学してしまった創作漫画が萌え忙しい
百合男子の奮闘。 - 最短30分で医師が家に来てくれる「ファストドクター」に助けられた漫画が話題に 運営会社に話を聞いた
高齢者の対応から始まったという「ファストドクター」。一体どのように運営されているのでしょうか。 - 「主婦は見た!」漫画 浮気を疑う妻がのぞき見した夫の本性とは?
結婚しても、なかなか見えないパートナーの本音。 - 出張連載 耐え子の日常:「バスケ選手3人にプレスされているから、先ランチ行ってて!」 OLの“お昼あるある”がやばい方に振り切った「耐え子の日常」―ランチ編―
Twitterで人気のショートギャグ漫画「耐え子の日常」がねとらぼで出張連載。第2回は「ランチタイムで耐える」編。