ブロガーのハルオサン(@keikubi123)さんが10月28日、過去の実体験に基づいて描いた漫画「警察官をクビになった話」をブログ上で公開し、翌29日には1日で200万以上のアクセスを集めるほどの話題になっています。
漫画は全14話、150ページ以上に及び、仕事を約1カ月ストップしてまで描きあげたという力作。ハルオサンさんが18歳で警察官になったものの、半年間の警察学校生活で心身共にボロボロになってしまった経緯を克明に描いています。
実は同作は、2016年〜17年に更新された同名タイトルのブログ記事を漫画化したものでもあります。漫画ではブログ記事のエピソードを回収しつつ、さらに教官達による追求を「サボテンに刺されて萎んでいく風船」/追い詰められてついに辞職を告げにいく場面を「処刑台に足を運ぶ様子」として描くなど、比喩を交えながら漫画版ならではの臨場感で描いています。
★以下、作品のネタバレを含みます
元のブログ版記事は前・中・後編の3編に分かれており、警察官をクビになり、まさに人生のどん底に陥ったところで終わります。漫画版最大の違いは「その後」が描かれている点。漫画版も元の記事同様に、激しいパワハラやイジメの告発を含んでいますが、その後10年間かかったという心の回復の様子も描いています。
ハルオサンさんのブログには上記の「警察官をクビになった話」のほかにもう一つ、代表作ともいうべき記事「やっと警察への『正当な復讐』の準備が整った」があります。
こちらはタイトルだけ見ると警察時代に受けた苦痛に対する復讐計画が語られていそうですが、読んでみると全く違います。
ハルオサンさんは2017年当時、記事が既にかなりヒットしていて、「警察」で検索するとブログが最上位に表示されるようになったほどでした。ブログの影響力を駆使すれば警察に復讐ができる――そう思ったのもつかの間、あるメールがハルオサンさんの心境を変えました。
「ブログ読みました。
私は警察官になるのが夢です。
必ず人を思いやれる警察官になります。」
こうしたメールは初めてではなく、警察官になりたい人、警察官だった人から送られてくるのは励ましのメールばかりだったそうです。メールを読み返すうちに「何をすれば良いのかわからなくなってきました」というハルオサンさん。
自問を繰り返す内にひねり出したのは「志を持って『警察官になりたい!』」と思う人への心からのエールと、「復讐をやめて、次に『やらなきゃいけない事』を探す」という今後への抱負でした。
漫画「警察官をクビになった話」はまさにその抱負の実践編。かつて受けた被害への鬱憤をしっかりと作中に込めつつも、最後にちょっと前向きな気持ちにさせてくれる傑作に仕上がっています。
画像提供:ハルオサン(@keikubi123)さん
漫画『警察官をクビになった話』を試し読み
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