全人類がプリキュアになった日 「HUGっと!プリキュア」が示した「こうでなければならない」からの脱却:サラリーマン、プリキュアを語る(3/3 ページ)
この記事は最終回1話前の第48話の時点で書いています。
あ! 数字的なことを書こうと思って忘れていました。
主に「HUGっと!プリキュア」が放送された2018年は、プリキュアに関する数字は「何もかもが絶好調」でした。
少しだけ、HUGっと!プリキュアが残した数字を見て、終わりにしたいと思います。
ほとんどの数字が、2017年を上回る
2018年のプリキュアは観測されるほぼ全ての数字が上向いています。
世帯視聴率、KIDS視聴率(※2018年は11月までの平均値)は、ともに前年を上回りました。テレビ離れが進む昨今、視聴率が前年を上回るのは本当にまれなことなのです。
おもちゃ、アパレル、文具などの指標であるバンダイナムコのトイホビー売り上げも2Q(4月〜9月)までで2017年を13億円上回る51憶円。東映アニメーションの国内版権売り上げも、2Qまでで昨対125.3%と、大きく伸ばしました。
また、春と秋に上映されている映画も、初動2日間の興行収入が2作連続で「最高収益」を出し、特に秋映画「HUGっと!プリキュア・ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」(「・」はハートマーク)は興行収入11億円を突破し、秋のプリキュア映画では「歴代最高の収益」になることが確実な状況となっています。
観測できる数字的にみれば、まさに「文句のつけようのない」1年となりました。
プリキュア絶好調の要因
では、そのプリキュア好調の要因は何だったのでしょうか? 個人的に思うことは下記の通りです。
- 1:プリキュア15周年
2018年はプリキュア15周年イヤーとして、さまざまな戦略的な展開が行われました。東京の主要駅に大きな広告を出したり、原宿の限定ショップや、コラボカフェ、15周年記念ライブ開催、「秋映画のギネス記録認定」など、さまざまな展開がなされました(関連記事:プリキュアはあと100年続く 「HUGっと!」から「スター☆トゥインクル」へ、1年の振り返りと“2018年の奇跡”)
- 2:メディア戦略のうまさ
15周年でのメディアの露出に加え「HUGっと!プリキュア」本編が「意欲的に攻めた」内容であったため、これもまた各種メディアが大きく取り上げることとなりました
「プリキュアが育児と仕事を両立」「プリキュアの敵がブラック企業」「男の子だってお姫様になれる」「帝王切開は正しいお産」「初の男の子プリキュア誕生」……。
これら社会的なメッセージ、ジェンダーやLGBとTへの言及ともとれるさまざまなメッセージを、比喩ではなく「直接的」に描くことにより話題となり、新聞や雑誌、Web媒体でも大きく取り上げられることとなりました。
- 3:作品の力
もちろん「子ども向けアニメーション」として、子どもに向けたメッセージや、キャラクターのかわいさ、玩具の出来の良さ、年間で飽きさせない展開など、子ども向けアニメーションとしての基本がきっちりとできていたことも、好調の要因であったものと思われます。
もちろん数字が全てではありませんが、数字の好調さは社会が「HUGっと!プリキュア」を受け入れてくれている1つの指標ではあると思います。
さて、「HUGっと!プリキュア」が終わってしまうのは本当に寂しいのですけど、「スター☆トゥインクルプリキュア」が始まることはとても楽しみです。
この時期のプリキュアファンは、寂しいような、楽しみなような、もう本当に複雑な心境になるのですよね……。
毎週日曜8時30分より
ABC・テレビ朝日系列にて放送中
(C)ABC-A・東映アニメーション
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