ミュージシャンの米津玄師さんが4月10日、バンド「ヒトリエ」でボーカル、ギターを担当していたwowaka(ヲワカ)さんが急性心不全のため死去したことを受けてブログを更新。10年来の親友でライバルの訃報に、「他に何も手がつかないし、気持ちに整理をつける為にもやっぱり書きたい」と思いをつづっています。
wowakaさんは2009年、初音ミクを使って楽曲制作するボカロP(ボーカロイド作曲家)としてニコニコ動画で活動を始め、「裏表ラバーズ」「ワールズエンド・ダンスホール」など数々の名曲を発表。ヒトリエ結成後もボカロPとしての活躍は語り継がれており、訃報を受けてニコニコ動画のランキング上位にwowakaさんの楽曲が多数浮上するなど、ボーカロイド黎明(れいめい)期を支えた功績の大きさが形となって表れています(関連記事)。
同じく2009年ごろからボカロP・ハチとして活動していた米津さんは、「wowakaさんと出会ったのは10年くらい前のニコニコ動画だった。当時の自分からすると今まで聴いたことのない音楽を作る人だった」とwowakaさんとの出会いを回顧。「ほとんど同じ時期に投稿し始めたこともあって、彼にだけは負けたくないと勝手にライバル視していた。それ以上に尊敬していたし、多大な影響を受けた」とライバルとして切磋琢磨(せっさたくま)していたことを明かし、「お互いシャイだからそう言葉数は多くなかったけれど、ああでもないこうでもないと音楽の話をしていたのを憶えている」と初対面の思い出も振り返っています。
2人はいつしかボカロシーンを離れ、米津さんはソロアーティスト、wowakaさんはヒトリエとして活動を開始。「同じような境遇の人間が他にいなくて不安だったのもあり、たまに二人で飲みに行ってはだらだらくだらない話をした」とその後も交流は続いており、「年を重ねるごとに飲みに行く頻度が加速していき、最近は週二、三で飲んだりしてて」と近年ではさらに仲が深まっていたといいます。
wowakaさんの若すぎる旅立ちに、「なんとかできなかったのかな、と今も考える。恐らくこれからずっと考え続ける気がする。ハチくーんっつってそこの扉からフラフラ入ってきてほしいと今でも思ってる」と正直な心境を吐露した米津さん。「僕にとって彼はライバルであり、親友であり、どこか兄のようでもあった。でも亡くした」とwowakaさんへの親愛の思いをつづりながら、「今は虚しいけど、それも時間が攫って行くんだろうなと思う」と未来に向けた言葉も残しています。
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さらばショーケン。