2019年5月8日、ロイヤルホストの218店舗中203店舗が休業しました。ファミリーレストランが一斉休業とはタダ事ではない予感がしますが、いったい何が起きているのでしょうか。事情を親会社のロイヤルホールディングスに聞きました。
年に3日の一斉休業日を設定していた
ロイヤルホールディングスに聞いたところ、2018年から年3日(1月・5月・11月)一斉休業日を設定しており、5月8日はその休業日でした。
同社はより良いサービスやおいしい料理を提供するためには、従業員がイキイキと働けることが重要だとして、2011年からさまざまな取り組みをしています。そのうちのひとつが一斉休業。交代制で休みは取っているものの、特に店長は、お店自体が休みにならないと心からゆっくりできません。店舗を休業とすることで、よりリフレッシュできると従業員は喜んでいるそうです。
トータルの売り上げは増加している
従業員にはうれしい一斉休業ですが、売り上げは落ちていないのでしょうか。その点を聞いたところ、なんと一斉休業をした2018年の売り上げは前年比で103.2%。しっかりと売り上げは確保しています。なぜ、このようなことが起きるのでしょうか。
「休んで申し訳ない」が売り上げアップにつながる
従業員は「とてもリフレッシュできた」「(特に元日は)家族とともに時間を過ごせた」と喜ぶ一方で、客に不便をかけていることに対し「休んで申し訳ない」という気持ちがあるといいます。その気持ちから「営業している日には、よりよい環境でお客さまをお迎えしよう」という声が現場から上がってきたと同社は説明しています。「いかにお待たせしないか、いかにすぐに席をセッティングして、お客さまをご案内するかなど、細かい気配りに各店舗が前向きに取り組んでいます」
2018年の客単価は前年比105.9%と上昇しています。商売なので、休んでも売り上げはあげていかなければいけません。客がくつろげる空間を作り、「ここの店だったら、デザートまで食べて行こうか」とか「もう1杯コーヒーを飲んでいこうか」と思ってもらえる店づくりを目指していると同社。各店舗の努力が、客単価の上昇につながったと分析しています。
24時間営業もやめていた
ロイヤルホストでは、営業時間も短縮していて、2017年1月末には24時間営業店舗をゼロにしました。時短営業でも売り上げが落ちることはなく、トータルでは増加しています。なお、直営店が216店舗、フランチャイズは2店舗です(2019年3月末現在)。
休業に対して顧客からは、「せっかくロイヤルホストにいこうと思ったが休業していて残念」という声も届く一方、肯定的な意見も寄せられており「ご理解いただけることに感謝しております」と同社は語っています。
(高橋ホイコ)
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