内野聖陽ケンジがずっと幸せそうなダブルデート回7話に視聴者も幸せ 「きのう何食べた?」は役者たちのさりげなく巧みな演技を楽しめるドラマだ(1/2 ページ)
小悪魔なジルベールを奔放に演じてみせた磯村勇斗って凄い。
「い・た・の! ここに三次元の冴羽リョウが! シロさんに初めて会ったとき、俺わかったの。ああ、ここに俺のリョウちゃんがいた〜って!」
ドラマ24「きのう何食べた?」7話は、シロさん(西島秀俊)とケンジ(内野聖陽)、小日向さん(山本耕史)とジルベール(磯村勇斗)が新宿二丁目でドラマの最初と最後でたっぷりダブルデートして、その合間に風邪をひいたシロさんをケンジが看病するだけ(!)というソリッドな構成だったが、その分、多幸感に満ちたエピソードだった。だってケンジがずっと楽しそうだったから!
新宿二丁目のダブルデートで大満足のケンジ
ダブルデートの舞台は新宿二丁目。ここなら誰の目も気にすることなく、男同士でイチャイチャしたり、同性愛の話題をしながら食事したりできる。
でも、シロさんは二丁目にめったに出入りしない。ケンジとの出会いのエピソード(4話レビュー)で描かれたように、二丁目に行っても疎外感を感じるだけだからだ。ケンジというパートナーがいるから出会いだって必要ない。そもそも、ケンジと食事するならわざわざ二丁目まで行かなくても、家で十分だと考えているだろう。
でも、小日向さんの存在がシロさんを行動的にした。ダブルデートしたのはケンジにジルベールを見てもらいたいからだろうが、内緒で小日向さんとふたりで会っていたという負い目もシロさんにあったのかもしれない。
ケンジはアイドル女優の熱烈なファンだったシロさんに拗ねたり、ジルベールと張り合ったりしながらも、ダブルデートを存分に楽しんだ模様。だって、シロさんと2人で出かけること自体、なかなかないわけだから。カミナリが鳴ったとき、とっさにシロさんの腕をつかんだのも、二丁目だからということもあるけれど、きっと幸せな気分で満たされていたから思い切ったことができたんだと思う(すぐに振り払われてたけど)。
磯村勇斗は大河俳優3人に囲まれても臆することなく、小悪魔なジルベールを奔放に演じてみせた。ワルいこと言ってるのに、イヤミにならず、オーバーにもならないところが本当にうまい。惜しむらくは針ネズミTシャツ(6話に登場)を着てなかったことだけど……。(あれ、「ねとらぼ」で商品化したい)
セリフのない演者たちの表情が絶品
風邪をひいたシロさんの看病をするケンジも本当に楽しそう。「忘れもの、バカ☆」と頭をコツンとやったり、料理しながら一人二役で独り言を言ったりと、まさにやりたい放題。料理をつくるときのBGM「どんぐりころころ」が、ケンジの楽しいお遊戯感にぴったりだった。だし巻き卵が上手にできていてうらやましい。
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