「きのう何食べた?」ついに描かれた“ふたりが付き合うまで”に視聴者悶絶の4話 シロさんからの「ウチ……来る?」かわいい
シロさんにとっては一世一代のプロポーズだったわけ。
「毎日一緒に暮らしてる人って、特別なのね」
いきなりの梶芽衣子無双で始まったドラマ24「きのう何食べた?」(テレビ東京)4話。今回、視聴者のハートをわし掴みにしたのは、シロさん(西島秀俊)とケンジ(内野聖陽)の出会いから同居に至るまでの過程だった。クライマックスはクリスマスの特別な晩ごはん。GW真っ最中に放映されるドラマなのに全編12月のお話というところに、ドラマ制作陣のたしかな意志を感じる。
なお、ドラマと原作のコマをミックスした140秒の振り返り動画が公開中。これを見ても、いかにドラマが原作を大切にして作られたかがよくわかる。
ふたりの出会い
シロさんとケンジの出会いは3年前の新宿二丁目。ガチムチのマーちゃん(当時のシロさんの恋人)はモテモテなのに、まったくモテなくて落ち込んでいるシロさんに、唯一普通に接してくれたのがケンジだった。その後、偶然ケンジが働いていた美容室で再会。ふたりはデートを重ねるようになる。
差し向かいでワインを片手にリラックスした笑顔を見せるシロさん。待ち合わせに遅れてゴメンネ、と手を合わせるケンジ。まぁ、かわいい。心なしか、みうらじゅんの名作PV「男キッス」と似ている気がする。気になる人はぜひチェックを(参考)。
付き合っているか付き合っていないかわからない関係(たぶん肉体関係はあった)が続いたある日、ケンジの部屋が上の階からの水漏れの被害に遭って住めなくなってしまう。事情を聞いたシロさんは、シャンプー台の上で思い切って、こう告げる。
「ウチ……来る?」
原作(2巻)では「結婚ちゅーものがない日本のゲイにとっては一緒に住むって事がまあひとつの区切りな訳で」と解説されている。つまり、シロさんにとっては一世一代のプロポーズだったというわけ。顔に白いタオル載せたままだけど。ケンジの驚き、戸惑い、喜びをさりげなく、でもじっくり芝居で見せる演出も印象的だった。
いつもどおり、一緒にごはんを
“新元号最初のホームドラマ”らしく、4話でも「家族」について語られていた。オープニングからじっくり描かれていたのは、シロさんの父・悟朗(志賀廣太郎)のがん手術と、母・久栄(梶芽衣子)のうろたえぶり、そして夫に対する愛情だった。
母を演じた梶芽衣子といえば、「女囚さそり」で「修羅雪姫」なタランティーノも愛した元祖クールビューティー。昭和を代表するホームドラマ「寺内貫太郎一家」では、自分には似合わないと出演オファーを断ったものの、伝説のテレビマン・久世光彦に口説かれて出演したという経緯がある。そんな彼女がホームドラマで母親役を演じているのが面白い。なお、子どもが大好きだった梶芽衣子は結婚したら専業主婦になると決めていたが、婚約解消後は現在まで女優業一筋を貫いている。
母が夫に対する愛情を再確認したのは、いつも座っている椅子に姿がないことに気づいたとき。不在によって家族への思いが強く表れたのだ。4話を監督した野尻克己は「当たり前にそこにいるはずの人がいないという不在の強烈な存在感」をテーマにした映画「鈴木家の嘘」を監督している。
「いつもどおり、一緒にごはんを食べられてるだけでありがたいわ」
母がシロさんに語った一言は、そのまま家族とは何かを言い表している。いつも一緒にごはんを食べているシロさんとケンジは、結婚していないし、子どももいないし、血のつながりもないけど、やっぱり家族だ。たとえ、好みのタイプじゃなくっても。
ケンジがシロさんの部屋にやってきたクリスマスの日は、ふたりにとって結婚記念日のようなもの。3年後のクリスマス、シロさんはケンジが働く美容室の灯りを見上げて微笑み、ケンジはクリスマスツリーの小さな飾りを買ってくるとまた笑みをこぼす。いつも一緒に暮らしている特別な人と囲む、いつものメニュー。ドラマのシロさんが原作に比べてかなり「デレ」が多いのは、エピソードのシャッフルによってすでに家族にまつわるいろいろな経験を積んでいるからだろう。
今夜放送の5話では、みんな大好きサッポロ一番みそラーメンが登場するよ。深夜0時12分より。
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2話見どころ
3話見どころ
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