内野聖陽×西島秀俊「きのう何食べた?」幸福すぎる2話 イチゴジャムのような2人の関係を味わう
「ベッドに入っても西島さんのことを考えています」(内野)……何そのラブラブぶり!
よしながふみ原作、西島秀俊、内野聖陽主演のドラマ24「きのう何食べた?」(テレビ東京)。“食事”を中心に、40代半ばの同性カップルと周囲の人々の心の機微を丹念に描く。4月19日深夜0時12分に第3話が放送される。
まだ第2話が放映されたばかりだが、原作よりちょっとゆっくり目に話すシロさん(西島秀俊)も、原作よりちょっとがっしりしているケンジ(内野聖陽)も、すっかり目になじんだ。「寝る前にも内野さんのことを考えています」(西島)、「ベッドに入っても西島さんのことを考えています」(内野)って、何そのラブラブぶり!(いずれも公式サイトより)
近所に住む明るいオバさん、富永佳代子さん(田中美佐子)もイメージにぴったり。しかし、何より原作を愛する視聴者を驚愕させたのは、佳代子さんの旦那さんを演じた矢柴俊博! 顔が一緒! 表情も一緒! 娘のミチル(真凛)も含めて、富永一家の完成度高すぎ。
イチゴジャムのように一晩おく2人の関係
第2話では、シロさんと佳代子さんとの出会いのエピソードと、シロさんが過去に付き合ったことのある女性、仁美(大島葉子)のエピソードを、ケンジの複雑な気持ちを架け橋にして上手に組み合わせていた。周囲に自分は同性愛者だと気軽に話すケンジに対して、シロさんは自分が同性愛者だとひた隠しにしている。だから、感情や心の動きの表現の仕方も対照的だ。
第1話でケンジはシロさんに怒られてべそべそと泣いていた(第1話レビュー)が、第2話でもケンジは自分の気持ちを素直に出してシロさんにムッとしたり、スネたりしていた。一方、シロさんは話をそらすため、食事の準備にとりかかる。今回はイチゴジャムをつくっていた。
とはいえ、シロさんも話をそらしているばかりではない。翌朝、イチゴジャムをパンにのせて食べながら、率直に自分の過去のことを話す。原作では疑いと不満を持つケンジに、そのままの流れでシロさんが自分の過去のことを話していたが、ドラマでは一晩おいて、あらためてケンジと向き合おうとするシロさんの気持ちが表現されていた。一晩おくことで味が良くなるイチゴジャムみたいな関係だ。
ケンジは自分の感情をストレートに出す男だが、同時に相手の話をしっかりと聞く男でもある。シロさんが語り始めたら、混ぜっ返したり、相手の話を遮ったりはしない。黙って静かに、うなずきながら聞いている。相手の気持ちを尊重しているからだろう。シロさんが語り終えるまでまっすぐ相手を見つめ、語り終わると朗らかにパンをもう1枚食べると宣言する。シロさんの話を受け入れたというわけだ(パンを焼いたのはシロさんの元カノなのだから)。
シロさんとケンジの「経年変化」
時間の移り変わりが早い。第1話はちょっと肌寒い時期の話だったが(シロさんがスーツの上にコートを着ていた)、第2話はスイカが食べごろになる7月の話だった。
12年続く原作の中で、シロさんとケンジと周囲の人々は年を重ねて変化している。連載が始まった頃、43歳と41歳だったシロさんとケンジは今、52歳と50歳になった。原作者のよしながふみは「経年変化を描くのが本当に好きなんですよ」と語っている(「好書好日」4月5日)。「経年変化」を辞書でひくと「年月が経つうちに製品の品質・性能が変化すること」とある。物がすり減って劣化していくというネガティブな意味もあるが、革製品のように経年変化によって味わいが出るというポジティブな意味合いもある。特に劇的な出来事がなくても、ていねいに積み重ねた月日があれば、ふたりの関係も自然につややかで味わい深いものに変化していく。
ドラマでどこまで時間の経過を描くのか、楽しみのようであるし、もったいないようでもある。できれば、ゆっくりと「きのう何食べた?」の世界を味わっていたい。慌てて食べる食事より、ゆっくり食べる食事のほうが楽しい。
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