昔はこんなガチなマシンが結構安く買えた メーカー直系のぶっ飛びコンプリートカー5選(2/2 ページ)
みんな知ってる伝説のクルマから、知る人ぞ知るやりすぎマシンまで、「あの」5台を振り返ります。
「タイプR」を無限がさらにチューンしたらこうなった! 「シビック MUGEN RR」
ホンダの「タイプR」もクルマ好きを振り向かせる力を持つ魅惑の文字列です。シビック、インテグラ、NSX……。この文字列が付いただけでいわばホンダのチューニング済みコンプリートカーと言えます。
しかし、もっとすごいタイプRが存在しました。2007年から2010年まで販売された4ドアセダンのシビック タイプR(FD2)には、タイプRをホンダ系チューナーの無限がさらにチューンした「シビック MUGEN RR」というコンプリートカーがあったのです。限定300台をわずか10分で完売したという逸話が残っています。
仕様も期待通りの本気ぶり。タイプRのアイデンティティーでもある高回転型NAエンジンをさらにカリッとチューンアップして、プラス15馬力の240馬力にアップ。ボンネットにはアルミ、バンパーにはカーボンを使い、約15キロの軽量化も果たしました。給排気系やブレーキ、足回りにも当然手が入り、もともとサーキット志向の強かったFD2型をさらにスパルタンに仕上げました。
ホンダの純正アクセサリーを手掛けるホンダオートアクセスが「現代風」をテーマにチューンしたEK9型シビック タイプRベースのコンセプトカー「CIVIC CYBER NIGHT JAPAN CRUISER 2020」(東京オートサロン2020出展車)
これだけ手を掛けてあればさすがに良いお値段に、となりそうです。当時の価格は477万7500円。4ドアシビックなのに、たった15馬力アップ/15キロ減なのに、と思うか、いやいやこれだけ手をかけているのに安い、とるかは人それぞれ。あれ、そういえば、今のシビック タイプR(関連記事)と同じぐらいの価格ですかね。実はお得だった……?
スバルSシリーズの先祖、伝説の限定車「インプレッサ 22B STiバージョン」
世界ラリー選手権(WRC)、近年ではニュル24時間レースなどでの活躍で、モータースポーツシーンでも印象の強いスバル。
そのワークスレース活動を支えるメーカー直系部門のSTI(スバルテクニカインターナショナル)は、インプレッサやWRX STIなどをベースにしたコンプリートカー「Sシリーズ」を2000年から台数限定で市販しています。
その原点といえるのが、1998年に発売されたSTiチューンの限定車「インプレッサ 22B STiバージョン」です。2.2リッターに強化されたボクサーエンジン、専用のブリスターフェンダーや足回り。当時のWRCで活躍していたラリーカーをモデルにした市販仕様ということもあって、400台が即完売。今なおスバルファンの間で語り継がれる伝説の限定車です。
なおスバルのチューニング済みコンプリート車である「Sシリーズ」は、S207やS208(関連記事)、2018年に発売された軽量モデルのTYPE RA-R(関連記事)など、登場するたびに限定数の数百台が即完売してしまうほどの激しい争奪戦が、今なお毎回繰り広げられています。
知る人ぞ知る、入魂のスポーツセダン「マツダスピードファミリア」
マツダにはかつて、ル・マン24時間レース優勝などの華々しい成績を収めたモータースポーツ部門「マツダスピード」がありました。
そのマツダスピードが2001年に作った、知る人ぞ知るスポーツセダンが「マツダスピードファミリア」です。
ファミリーカーのファミリア(関連記事)なのに、青の専用カラーに金色のホイールが映える底知れぬ迫力。9代目ファミリアセダンをベースに175馬力までチューンした2リッター直4エンジンを搭載し、吸排気系、大径ブレーキや専用開発のサスペンションも装備した、まさに“羊の皮を被った狼”的なマシンでした。当時の価格は199万8000円(東京・名古屋・大阪・広島地区)でした
マツダスピードによるコンプリートカーといえば「マツダスピード アクセラ(2006年)」はそこそこの知名度がありますが、ファミリアにも“マツスピチューン”があったのですね。ファミリアの車名は残念ながらなくなって久しいですが、その設計思想はデミオ→MAZDA2(関連記事)へと受け継がれています。
ともあれ、手が込んでいる割に100台(+100台ほど)しか生産されていない希少車なので見かける機会は当時からほぼなく、2020年現在はなおさらレアですが、1.5リッタークラスの古い小型ファミリーカーじゃないかなどとナめてかかるとぶっちぎられてしまうことでしょう……。
皆さんはどんなコンプリートカーに思い出がありますか?
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