『連ちゃんパパ』の作者であるありま猛さんの新作が、「サンデーうぇぶり」で9月12日から連載開始となりました。タイトルはその名も『あだち勉物語』。
国民的漫画家であるあだち充さんの実の兄であり、自身も漫画家や赤塚不二夫のアシスタント、そして充さんのマネジャーとして活動したあだち勉さんを題材とした作品です。併せて、長らく絶版状態でプレミアが付いていた漫画『あだち充物語』(あだち勉著)の電子版配信も各種ストアで始まりました。
5月に突如SNS上で大きな話題を呼んだ漫画『連ちゃんパパ』。ほんわかした絵柄にもかかわらず、首までパチンコにハマることの恐ろしさ、そして主人公である日之本 進(ひのもと すすむ)を始めとした登場人物のナチュラルなクズっぷりを容赦無く描いた内容で、ネット上で多くの人の度肝を抜きました。
作者のありまさんは、以前ねとらぼのインタビューに対し「『連ちゃんパパ』の主人公のモデルはあだち勉さん」と証言していました。パチンコに振り回され、そして周囲の人間に迷惑をかけまくる主人公のモデルとなるくらい、破天荒な人物として知られていた勉さん。ありまさんは元アシスタントとして、16歳から勉さんが亡くなる2004年まで長年の付き合いがあったのです。
『あだち勉物語』第1話では、そんなありまさんがなぜあだち勉の元でアシスタントをすることになったのか、そして当時から天才ぶりを発揮していたあだち充さんのすさまじさが語られます。以前のインタビューでも「勉さんに直接原稿を送りつけたら返事が来て、それをきっかけにアシスタントとして手伝うことになった」「勉さんの自宅を訪ねた時、最初に出てきたのが弟の充さんだった」というお話をしてくれたありまさん。第1話ではそこに至るまでの経緯が、ありまさん本人の筆によって詳細に語られます。
当時あだち充さんは、『750ライダー』などで知られていた漫画家の石井いさみさんの下でチーフアシスタントをしつつ、兄の作業の手伝いも行っていました。第1話の後半では、小銭をダシにして弟に背景カットを描かせる勉さん、そして短い時間で強烈にうまいカットを仕上げてしまう充さんのエピソードが。その驚異的な画力に、ありま少年が大きな衝撃を受ける様子も描かれています。
最初の師匠としてありまさんに強烈な印象を与えたであろう勉さん。その当の本人を題材とした作品ということもあり、『あだち勉物語』はこの先ありまさん本人の半自伝的な作品になっていくはず。
また『連ちゃんパパ』のモデルとなったほどの勉さんの破天荒な生活はどのようなものだったのか、読者として興味は尽きません(周囲の人は大変だっただろうけど……)。2話以降、勉さんはどれほど大暴れするのか、そしてありま少年は一体どうなってしまうのか。今後が非常に楽しみな作品です。
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319話の内容が掲載直後から話題を呼びSNS上で拡散されていました。